仲間由紀恵は松坂慶子になれるか?
【11月10日 記】 最近、仲間由紀恵は果たして松坂慶子になれるのかどうかを注視している。
松坂慶子と言えば昭和中期を代表する“美人女優”だった。歌手としての実績もあり、バニーガール姿で網タイツを穿いて歌った『愛の水中花』は大ヒットした。
そんなひたすら美しくてセクシーなヒロインで売ってきた彼女だったが、年を経るにつれて次第にイメージを変えてきた。
単に青春ドラマ、メロドラマやシリアスなドラマばかりではなく、ライト・コメディもこなすようになったというだけのことではなく、トップクラスの主演女優としてたくさんの賞も獲ったあと、美しいヒロインのイメージを脱して、いつの間にかちょっとふっくらとして、なんだか少し抜けたおばさん役やお母さん役を多くこなすようになっていたのである。
ごく最近の作品で言えば、Netflix の『舞妓さんちのまかないさん』でのおかあさん(常盤貴子の母で、蒔田彩珠の祖母)や、同じく Netflix で是枝裕和が撮った『阿修羅のごとく』のおかあさん(國村隼の妻で、宮沢りえ・尾野真千子・蒼井優・広瀬すずの母)や、映画『父と僕の終わらない歌』でのおかあさん(初期の認知症を患った寺尾聰の妻で、松坂桃李の母)役などが挙げられる。
今ではすっかりそんな感じのイメージが定着してきたのではないかと思うのである。
特に彼女が若かった頃の飛び抜けた美しさを知らない若い人たちは、そういうちょっと間抜けで、でも憎めない中年~初老の女性を演じる巧い役者としか思っていないのではないだろうか。



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