Sunday, November 09, 2025

宮川安利 Ari Miyakawa

【11月9日 記】 最近、宮川安利 Ari Miyakawa の YouTube チャンネルにハマっている。

宮川安利は作編曲家の宮川彬良の娘であり、ということは宮川泰の孫である。

宮川泰は筒美京平と並んで僕が敬愛してやまない歌謡曲の作編曲家である。

彼が作曲した数多のヒット曲には目を瞠るような素晴らしい作品が目白押しだし、僕の個人的な体験としては、FMラジオで毎週土曜日の昼に放送していた『コーセー化粧品 歌謡ベストテン』の司会者として、彼がベストテン入りしたいろいろな楽曲を理論的に、しかし、分かりやすく分析してくれるのを聞くのがものすごく楽しみだった。

そして、この宮川安利のサイトでは、最近“父と娘の音楽教室”と銘打って宮川彬良が頻繁に登場しているのだが、これがめちゃくちゃ面白い。

そして、これら一連のビデオを観て、僕は今まで(馬鹿にはしていないまでも)あんまり大した人だと思っていなかった宮川彬良が如何に凄い人なのか、改めて再認識したのである。

全4回の『奇跡の転調シリーズ』もいちいち目から鱗だが、

父と娘の2人で、父であり祖父である宮川泰(安利は「じったん」と呼んでいたらしい)の名曲を解説しているこのビデオなんか、もうべらぼうとしか言いようがない。

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Monday, October 20, 2025

ひと組のコンピレーション・アルバム

【10月20日 記】  僕も年を取って初めて気づいたのだが、人間、年を取ると死を意識するようなるようだ。これは僕だけではなくて、結構いろんな人から同じような話を見聞きする。もちろん人によって濃淡はあるのだけれど。

で、僕は何事かを成し遂げた人ではないので、自分が死んだあと歴史的に残るようなものは何もない。僕と親しかった人がひとりもいなくなる、例えば 100年後とかには、僕の存在を匂わせるものは、有形無形を問わず、完全にこの世からなくなるだろう。

それはそれで構わない、と言うか、仕方ない、と言うか、いや、もっと何の感情もなく、ただそうだろうと思うのだが、ひとつだけ心残りなのは僕の音楽CD のコレクションである。

僕がネット上に書き散らしてきた何千編もの文章にも、僕が買い求めて読んできた書物にも、実はそれほどの執着はないのだけれど、僕が買い集めてきた CDコレクションには執着がある。

それは非常に僕らしいものであるし、唯一無二の存在だと思うのである。それが置き去りにされると、せっかく買い集めた労力が無に帰するような気がして、残念で仕方がないのである。

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Saturday, October 04, 2025

Play Log File on my Walkman #160

【10月4日 記】 3か月ぶりのプレイログ披露。今回も5曲。

  1. 白い一日(玉置浩二)
  2. ちょっと違うんだなァ(中山恵美子)
  3. 金曜日の朝(吉田拓郎)
  4. 素顔にキスして(おかわりシスターズ)
  5. LEFT BANK(鈴木慶一)

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Friday, September 12, 2025

レコード・レクターズ 2025年10月号

【9月12日 記】  レコード・コレクターズ 2025年9月号に引き続いて 10月号を入手した。特集記事が 9月号の「昭和歌謡名曲ランキング 60年代編」に引き続いて、予想通り「昭和歌謡名曲ランキング 70年代編」だったからだ。

前回に引き続いて今回も記事を書いてみた。

前回は 38人の執筆者の投票によって 150曲が選ばれていたが、今回は少し増えて 40人の執筆者の投票を集計して第200位まで紹介されている。

前回の 60年代のチャートでは選ばれたことを意外に思う曲も「それ、何でしたっけ?」みたいな曲もゼロだったが、今回は投票者が多いこともあるし、多分発売された楽曲の数も多いだろうから当然と言えば当然なのだが、チラホラと意外な曲も入っている。

そして、今号でも、各執筆者がそれぞれどの 30 曲を選んで投票したかがつぶさに紹介されている。

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Monday, August 25, 2025

レコード・コレクターズ 2025年9月号

【8月25日 記】 『レコード・コレクターズ』2025年9月号を買った。特集が「昭和歌謡名曲ランキング 60年代編」だったからだ。

本当は一番ほしいのは「70年代編」なのだが、それはまだ存在しない。しかし、「60年代編」を出したからにはそのうちにきっと「70年代編」も出すつもりなのだろうと踏んで、まあ、メインの前の前菜みたいなつもりでとりあえず購入した。

これがどうやって選ばれたかと言うと、この雑誌の執筆者38人の投票によるものである。

1960~69年に発売されたシングル盤を対象として、各審査員が第1位から 30位までを選び、それを集計して上から順に 150曲が紹介されている。

僕としてはあまり上のほうには興味はない。というのも、そういう形で選ぶと平均化/平準化されて、あまりとんがった作品は上位に現れて来ないからである。

これがもし、例えば高護(こう・まもる)氏がひとりで選んだというのであれば、目を皿のようにして読んだと思うが、高氏は選出委員ではないし、案の定、予想できるようなランキングになっていたので、ザーッと目を通しただけである。

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Saturday, August 09, 2025

サラリーマンをバカにしてはダメよ

【8月9日 記】 昔ベルウッドから発売されて LP で持っていた『1971年 全日本フォークジャンボリー2』が、2004年に CD で復刻されていたことを今頃になって知って、何十年ぶりに手に入れて聴いてみた。

間違いなく、あの頃の時代の息吹を感じさせる作品だ。今は息吹なんてどこにあるのか分からないけれど、あの頃には間違いなく、そこに「息吹」が感じられた。

「オリジナル・リリース:1973/11/10」とあるから、僕がこのアルバムを買って聴いていたのは、高校生の頃だったんだろう。

ちなみにあの頃持っていた何十枚か、ひょっとしたら 100枚以上のレコードは、父親の借金で実家が差し押さえられたときに、他の家財道具一式と一緒に僕の手には戻らないものになってしまった。

今回このアルバムを再度入手したのは、もちろん聴きたい曲がたくさんあったからだが、とりわけ聴きたかったのは岩井宏の『サラリーマンをバカにしてはダメよ』だ。

この歌を聴いたことがない人は、タイトルだけ見て、日本のサラリーマンを擁護する歌だと思ったかもしれないが、そうではなくて、これはむしろ嘆きであり皮肉である。ただ、サラリーマンに対する皮肉ではなく、日本の社会に対する静かな皮肉であり、そこに曰く言い難い哀愁がある。

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Friday, August 08, 2025

ヒデとロザンナ再評価

【8月8日 記】  最近、ヒデとロザンナにハマっている。子供の頃には気づかなかった彼らの魅力を再発見し、再評価しているというわけだ。

大ヒットした『愛の奇跡』や『愛は傷つきやすく』の他にも『粋なうわさ』や『真夜中のボサノバ』(これは『ローマの奇跡』のB面)、『望むものはすべて』など良い曲がたくさんある。

そもそも日本の歌謡界にあってコーラス・デュオ、コーラス・グループとなると、古くはザ・ピーナッツ、もう少し後になると狩人やあみん、あるいは、あまり際立ってはいないが自分たちでしっかりハーモニーをつけていたキャンディーズなどが浮かぶが、男女ペアのハーモニーとなるとヒデとロザンナに比肩する存在はあまり思いつかない。

(紙ふうせんとか、さくらと一郎とか、いるにはいるけれど、所謂「一発屋」が多くて、これだけ多くのヒット曲があって、かつ、ごく一部ではなくかなりのパートできれいなハーモニーを聞かせてくれる存在は、他にはトワ・エ・モワぐらいかな)

男声が上のパートを歌うハーモニーというのは本当にきれいなのだ。実際には女性の声は男性より高いので、男性が3度上のパートを歌っているようで実は6度下だったりする(そして、ユニゾンはオクターブになる)のだが、いずれにしてもヒデのビブラートを極力使わずまっすぐロングトーンを押してくる声に、メリハリつけながら絡みつくようなロザンナのハーモニーが、なんと言うか、あでやかなのである。

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Wednesday, July 09, 2025

スージー鈴木のレコード研究室Vol.25

【7月9日 記】 スージー鈴木のレコード研究室 Vol.25 『1975年のはっぴいえんどナイト』に行ってきた。このシリーズに行くのも何回目かな?Img_2892

このイベントはスージー鈴木とチカチカ・バンビーナを進行役に、南青山の BAROOM というミュージック・バーのイベント小ホールで、レコードや CD を聴いたり、場合によっては映像を観たりするイベントである。

── と書いてしまうと何だかつまらなそうだが、スージー鈴木の絶妙のおしゃべりと、企画立案の妙、音源の多彩さ、そして、何よりも会場の音響システムの素晴らしさに支えられたイベントである。

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Wednesday, July 02, 2025

Play Log File on my Walkman #159

【7月2日 記】  5/24 以来のプレイログ披露。

これまではランダムに再生している中から5曲選んで披露してきましたが、今回は新しくダウンロードした曲を順番に聴いたので、それをそのままここに載せておきたいと思います。5曲のうち4曲がアニメや映画の主題歌です。

その結果、このシリーズでは 20世紀の作品が含まれていないというだけでも画期的なのに、今回は全部今年の曲という前代未聞の構成になっています(笑) 

  1. プンスカピン(堺正章 & Rockon Social Club)
  2. I hate this love song(ちゃんみな)
  3. ネオラダイト(9Lana)
  4. Plazma(米津玄師)
  5. サマータイムゴースト(水曜日のカンパネラ)

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Tuesday, June 10, 2025

ポスト・アイドル歌謡曲

【6月10日 記】 一昨日書いた記事の続き。

21世紀になってアイドル歌謡というジャンルがなくなったかと言えば必ずしもそうとは言い切れないのだが、しかし、坂道系を最たるものとして、アイドルはかなりグループ化の様相を呈している。ひとりで歌って下手さを露呈する例はかなり少ない。

昔みたいに女優で歌を出している人がいないかと言えばいるのだが、昔みたいに歌が下手くそなのになりふり構わずデビューさせたような例は少なくなっているのだ。

例えば、歌う女優としては高畑充希とか、池田エライザとか、上白石萌歌とか、みんな聴くに耐える歌唱力がある。もうちょっと古いところではフォルダー5のメンバーだった満島ひかりもいる。

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