Monday, November 10, 2025

仲間由紀恵は松坂慶子になれるか?

【11月10日 記】  最近、仲間由紀恵は果たして松坂慶子になれるのかどうかを注視している。

松坂慶子と言えば昭和中期を代表する“美人女優”だった。歌手としての実績もあり、バニーガール姿で網タイツを穿いて歌った『愛の水中花』は大ヒットした。

そんなひたすら美しくてセクシーなヒロインで売ってきた彼女だったが、年を経るにつれて次第にイメージを変えてきた。

単に青春ドラマ、メロドラマやシリアスなドラマばかりではなく、ライト・コメディもこなすようになったというだけのことではなく、トップクラスの主演女優としてたくさんの賞も獲ったあと、美しいヒロインのイメージを脱して、いつの間にかちょっとふっくらとして、なんだか少し抜けたおばさん役やお母さん役を多くこなすようになっていたのである。

ごく最近の作品で言えば、Netflix の『舞妓さんちのまかないさん』でのおかあさん(常盤貴子の母で、蒔田彩珠の祖母)や、同じく Netflix で是枝裕和が撮った『阿修羅のごとく』のおかあさん(國村隼の妻で、宮沢りえ・尾野真千子・蒼井優・広瀬すずの母)や、映画『父と僕の終わらない歌』でのおかあさん(初期の認知症を患った寺尾聰の妻で、松坂桃李の母)役などが挙げられる。

今ではすっかりそんな感じのイメージが定着してきたのではないかと思うのである。

特に彼女が若かった頃の飛び抜けた美しさを知らない若い人たちは、そういうちょっと間抜けで、でも憎めない中年~初老の女性を演じる巧い役者としか思っていないのではないだろうか。

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Tuesday, June 10, 2025

ポスト・アイドル歌謡曲

【6月10日 記】 一昨日書いた記事の続き。

21世紀になってアイドル歌謡というジャンルがなくなったかと言えば必ずしもそうとは言い切れないのだが、しかし、坂道系を最たるものとして、アイドルはかなりグループ化の様相を呈している。ひとりで歌って下手さを露呈する例はかなり少ない。

昔みたいに女優で歌を出している人がいないかと言えばいるのだが、昔みたいに歌が下手くそなのになりふり構わずデビューさせたような例は少なくなっているのだ。

例えば、歌う女優としては高畑充希とか、池田エライザとか、上白石萌歌とか、みんな聴くに耐える歌唱力がある。もうちょっと古いところではフォルダー5のメンバーだった満島ひかりもいる。

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Sunday, June 08, 2025

アイドル歌謡曲

【6月8日 記】 『ひとりっ子甘えっ子』という歌があった。筒美京平による 1973年の名曲で僕はめちゃくちゃ好きなのだが、オリジナルでは二度と聴きたくない。何故なら歌っていたのが浅田美代子だったからだ。

浅田美代子の歌をリアルタイムで聴いてきた人だったら皆同じように思うのではないかと思う。浅田美代子自身は「音楽の成績は5だった」と言っているが、少なくとも彼女が出したレコードについて言えば、どれもこれも、誰がどう聞いても聞くに耐えないぐらい下手だったから(ちなみに女優・浅田美代子は好きである)。

誰か巧い歌手がカバーしてくれないかな、そうしたら音源を入手するのに、と思う。

これは彼女のセカンド・シングルだが、同じく筒美京平が作曲して大ヒットした彼女のデビュー・シングル『赤い風船』(1973年)も名曲で、こちらは数多くの歌手がカバーしている。

とりわけ僕は the Indigo によるカバーが好きで(そもそも the Indigo というグループを高く評価しているからでもあるのだが)、音源も手に入れている。

こんな風に昔の名曲が、良いアレンジ、巧い歌唱でどんどんカバーされれば良いのになと思う。

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Saturday, April 13, 2024

アイドル二代、三代

【4月13日 記】 昨日、映画『変な家』を観ていてふと思ったのである。

川栄李奈の母親役で斉藤由貴が出ていたけれど、僕にとっては川栄李奈も斉藤由貴もアイドルなんだと。

いつの間にか、かつてのアイドルが母親役を演じるようになっているのである。でも、僕にとってはかつてのアイドルと言うよりも、いまだにアイドルに思える。

昨日、この夏に公開される映画『ラストマイル』の記事を読んだ。

この映画は塚原あゆ子監督と脚本の野木亜紀子が以前手掛けたドラマ『アンナチュラル』を踏まえていて、その出演者が同じ役柄で多数登場するのだが、その中に石原さとみがいて、彼女の母親役で薬師丸ひろ子が出ている。

この記事を読んでふと思ったのである。僕にとっては石原さとみも薬師丸ひろ子もアイドルなんだと。

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Wednesday, December 13, 2023

今あらためてキャンディーズ

【12月13日 記】  伊藤蘭がデビュー50周年なのだそうで、最近よくテレビで昔のキャンディーズの映像を見る。

先日も WOWOW だったか NHK-BS だったかでコンサートの映像を放送していて、それを見て改めて、「ああ、彼女たちはこんなにも激しく動きながら歌っていたのか!」と思った。

あの頃はピンク・レディーとキャンディーズが人気を二分していて、ピンク・レディー派とキャンディーズ派の議論がかまびすしかった記憶がある。

また、同じキャンディーズのファンの間でもそれぞれに(今で言う)推しが異なっていて、僕の友だちの中にもランちゃんとスーちゃんのどっちが可愛いかを言い争っている奴がいたが、僕はその当時はちょうどアイドル離れしていた時期で、それほどの思い入れはなかった。

だからかもしれないが、当時の彼女たちのライブを今見て、改めて「こんなに激しく踊っていたのか!」と驚くのである。

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Monday, October 02, 2023

記憶力

【10月2日 記】  最近テレビなどを観ていて思うのは、ミュージシャンにしても舞台俳優にしても、よくそれだけたくさんのものを憶えられるものだ、ということ。

ミュージシャンはライブをやるとなると 10曲も 20曲も歌うわけである。中には譜面台に歌詞を書いたものを置いている人もいるが、全く見ずに歌う人もいる。少なくとも最初から最後まで譜面台から目をそらさない人はいないとだろう。よくそれだけたくさんの歌詞が頭に入るものだと思う。

僕はフォークやニュー・ミュージックが台頭してきた時にその洗礼を受けて育った世代で、一時はシンガー・ソングライターになりたくて、曲もたくさん作った。だが、その中から 10曲選んで空で歌えと言われてもとても無理である。

人によってはそれだけではない。ギターを弾きながら歌ったりもしているのではないか。もちろんこれも、譜面台に楽譜を置いている人もいるが、何もなしで弾いている人もたくさんいる。

歌詞に加えてコード進行までよく憶えられるものだと思う。いや、コードをかき鳴らしているとは限らない。リフやフレーズを弾いていることもある。すごいと思う。

ま、それは「手が憶えている」という状態なのだろうということは、多少楽器をやってきた僕にも分かる。だが、僕の手はそんなに憶えていない。出だしは憶えていてしばらく快調に弾き続けたとしても、どっかで引っかかるともうダメである。何小節か戻って頭から弾き直さないと元のレールには乗れない気がする。

そういうことをさーっと造作もなく、いや、ひょっとするとものすごく練習したのかもしれないけれど、あんな風に歌い、あんな風に弾くのは、僕はとても真似できない。

僕の場合はシンガーやプレイヤー志望ではなくソングライター志望だったので、その道を極めようとはしなかったけれど、本気でシンガーになろうとしたらすぐに挫折していただろうと思う。

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Monday, June 19, 2023

富田望生

【6月19日 記】 富田望生という女優がいる。名前はミウと読む。2000年2月25日生まれ、まだ 23歳だ。

僕が初めて彼女を見たのは映画『ソロモンの偽証』(宮部みゆき原作、成島出監督、2015年)だったが、これがデビュー作とは知らなかった。

ある雪深い朝、主人公の藤野涼子(藤野涼子──彼女もこれがデビュー作で役名をそのまま芸名にした)が同級生の柏木が校舎脇の雪の中で死んでいるのを発見する。それは事故ではなく不良の大出(清水尋也)が殺したのだという嘘の告発状を送ったのが三宅樹里(石井杏奈)と浅井松子で、この松子を演じたのが富田望生だった。

可愛いけれどニキビに悩む樹里や優等生で裕福な家庭の娘である涼子とは違って、松子は極めて庶民的な家庭に育ったちょっと太めの、コンプレックスいっぱいで友だちの少ない女の子である。その役柄は結構強烈だったので印象に残っている。

ちなみに同じ小説が今度は WOWOW で 2021年にドラマ化されたが、ここでも富田望生が同じ松子役を演じたので、その印象はますます強くなった。ちなみにこの時の藤野涼子役は上白石萌歌、三宅樹里役は山本舞香だった。

僕は映画版で富田望生を初めて見た時に、印象は強かったがあくまでこういう特殊な役柄を演じただけであって、そのうちに消えてしまうだろうと思った。

ところがその後、彼女はちょっと太めの女の子役で、次々と映画やテレビに出始めたのである。考えてみればクラスに(あるいは近所に)ひとりぐらいはこういう太めで気立てが良くてちょっとトロい感じの女の子はいるもので、そういう役柄では他に人材がいなかったこともあって引っ張りだこになったと言える。

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Wednesday, February 22, 2023

浪曲事始め

【2月22日 記】 twitter で相互フォロワー関係にある毎日新聞の文化芸能担当記者の方のツイートで知って録画した『NHK浪曲特選』を観た。

実は僕は小学生時代に浪曲にかなり興味を持っていた。そう、「熱心に聴き始めた」というレベルには達しなかったが、かなり興味を持っていた。

小学生がなんでそんなじじむさいものを?と思われるかもしれないが、僕らが子供のころには日本の文化はいろいろなところで浪曲との接点があった。

例えば歌謡曲では三波春夫や村田英雄と言った浪曲師出身の歌手が数多く活躍していた。浪曲師出身でなくても、例えば畠山みどりなど「浪曲歌謡」というジャンル名で括られた歌手も大勢いた。

もう少し時代が下って、たとえば初期の水前寺清子なども完全にその路線で、市川昭介が作った『涙を抱いた渡り鳥』の冒頭の4小節

〽 ひと声ないては旅から旅へ
(『涙を抱いた渡り鳥』、星野哲郎作詞、市川昭介作曲)

なんかは完全に浪曲の節回しだ(5小節目から徐々にフツーの演歌になる)。

そんな歌手たちが好きだったかと言うと全然そんなことはなかった。特に水前寺清子は大嫌いで、あのころは大晦日には 19時から『日本レコード大賞』、21時から『紅白歌合戦』と、全くテレビの前から離れる暇がなかったのであるが、僕はいつも水前寺清子の出演する時間帯を狙ってササッと入浴していた記憶がある。

でも、なんか浪曲には興味があったのである。

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Friday, January 13, 2023

ジャニーズ事務所歴代アイドル・グループ・メンバー名ゲーム

【1月13日 記】 あなたはジャニーズ事務所の歴代スーパー・アイドル・グループのメンバーをどれだけ、どの時代まで言えますか?あるいは、名前は思い出せなくても、この人はこのグループのメンバーだと識別できますか?

──これは今となっては完全に高齢者向けのゲームですが、僕はこのゲームを 20代の後半からやってきました。

僕らはジャニーズ事務所ができた頃にはすでにテレビを観ていたので、ジャニーズ、フォーリーブスの時代から知っています。ただ、ジャニーズの頃はまだ小さかったので、飯野おさみと青井輝彦(のちのあおい輝彦)しか憶えていません。

フォーリーブスの4人は当然4人ともフルネームで言えましたし、今も言えます。

そのあと郷ひろみや豊川誕らソロのトップ・アイドルが続きましたが、80年代に入ってまず“たのきんトリオ”が順にデビューします(ただし、これは後付けの愛称であってグループ名ではないですね)。そして、そのあとがシブがき隊、少年隊、男闘呼組と続きます。

僕らはこの頃からこのゲームを始めていました。僕の個人的な経験としては男闘呼組までは全員の名前をすんなり言えたのですが、80年代後半になって光GENJI が出てくると、メンバーが多すぎて7人全員の名前を憶えきることはできませんでした(名前や写真を見たら「あ、そうそう、こいつ」と思うんですけどね)。

でも、その少し前に、会社の同期に「シブがき隊のメンバーを全員言える?」と訊いたら「シブガキタイって何?」と言われて、ああ、20代男性でもすでにこういう人はいるのか!と驚いたのでした。

そう言えば高校時代、郷ひろみの全盛期に郷ひろみを知らなかった同級生がいたのを思い出しました。わりとガリ勉っぽいイメージの男子だったのですが、「え、郷ひろみ知らんの?」「テレビ見ぃひんの?」などと周りからワーワー言われて、彼は「そんなもん知らなくて何が悪い」と開き直るのではなく、顔を真っ赤にして恥ずかしがっていたのをよく憶えています。

そう言えばもうひとり同じような奴がクラスにいたのを思い出しました。同級生2人が天地真理が可愛いか可愛くないかをめぐって激論しているところを通りがかって、そのうちの1人から「なあ、天地真理可愛いよな?」と訊かれ、彼は「え、何組の子?」と訊き返したのでした(笑)

でも、そんなもん知らなくても何の問題もありません。はい、知らなくても立派に生きて行けます。ただ、僕が驚いたのは、放送局に勤めていてシブがき隊を知らない 20代男性がいるという事実でした。

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Friday, August 20, 2021

演技に関して気づいたこと

【8月20日 記】 以前、演技経験のない歌手が突然俳優になってなんで成功するのか分からない、みたいなことを書いた(→ 『ミュージシャンから俳優』)が、ひとつ気づいたことがある。

演技の経験がなくても上手に演技ができたりするのは、我々が普段の生活の中でも不断に演技を続けているからではないか、ということだ。

映画スターが突然音楽CD を出しても巧く歌えるとは限らないのは、普段の生活の中で歌を歌っていないからではないか?

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