Monday, May 18, 2026

『SAKAMOTO DAYS』 原作と映画

【5月18日 記】 映画『SAKAMOTO DAYS』がどこまで原作に忠実で、どこからが福田雄一のオリジナルなのかが気になっていたのですが、こんなサイト ↓ があったので1~3話をネット上で読んでみました。

ほぼ忠実だったんですね。

映画もそのままこの第1話からストーリーをなぞっていたし、原作漫画も元々コミカルなタッチで、決して福田雄一がデフォルメして笑いに持って行ったのではないことが判りました。坂本商店などの舞台背景もほぼ原作に忠実に再現しています。

画を見ると、たくさん出てくる殺し屋たちの再現性も高いです。

僕がひょっとしたら福田雄一が勝手にアレンジしたのではないかと思った、「坂本太郎がカロリーを消費すると元の痩身に戻り、その後何かを食べるとすぐにリバウンドして超デブに戻る」という設定も、原作漫画そのままでした。

ただ、映画で横田真悠が演じていた陸少糖は第3話の時点ではまだいません。原作漫画の公式サイトを見るとキャラクター紹介ページには載っているので、これは福田雄一が少し設定を変えて登場を早めたということなんでしょうね。

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Thursday, May 14, 2026

映画『SAKAMOTO DAYS』

【5月14日 記】  映画『SAKAMOTO DAYS』を観てきた。

Sakamotodays

テレビアニメが始まるときに、原作漫画がすごい人気だと聞いたので、観る候補に入れて少し検討もしたのだが、その期は他に観たいアニメが多かったので結局外してしまった。

しかし、あの超肥満の主人公を特殊メイクと特撮で実写化しようとは、そして、それをとんでもなくイメージのかけ離れた目黒蓮に演じさせようとは、一体どういう企画だ!?と驚いたのも確か。

そういうわけで、まあ、とにかく観ておこうか、くらいの感覚で、それほど期待もせずに観に行ったのだが、何この面白いの!

原作漫画もアニメもこんなテーストなんだろうか? もうどこから見ても完璧な福田雄一ワールドだった。

凄腕の殺し屋だった坂本太郎(目黒蓮)は恋をしてしまったことで足を洗って葵(上戸彩)と結婚し、一女を設け、食料品店の店主となり、そして幸せに溺れて激太りしてしまう。

その坂本に対して、最初は掟を破って組織を抜けたのが理由で、次には 100億円の懸賞金がかけられたことによって、次々に殺し屋が襲ってくる。

坂本は「もう人は殺さない」と葵に約束させられているので、殺さずに相手を倒して行く。

そして、そういうシーンでは怒涛のアクションが展開されるのであるが、その一方で坂本の恐妻家ぶりをお決まりのギャグとして、その合間に如何にも福田雄一らしいボケがてんこ盛りに挿入される。

正面から撃ってくるたくさんの弾を避けながら相手に突進して敵を倒すとか、カロリーを消費したらすぐに昔の痩身に戻るとか、防弾メガネとか、サンダルで弾を弾くとか、もう笑けてくるほどありえないシーン続出なのだが、その一方でバトルはガチである。

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Wednesday, May 13, 2026

映画『未来』

【5月13日 記】 映画『未来』を観てきた。

湊かなえは僕が全く読む気にならない作家のひとりである。1作だけ読んだが、二度と読もうとは思わない。

そもそもテレビのインタビューで「何をどう書いたら読者が嫌な気分になるかをずっと考えている」みたいなことを言っているのを見たのがよくなかったか。

そういう作家だから、表現が一面的になるのは当たり前である。何しろ人の悪いところばかりを抜き出して、それでストーリーを埋め尽くしているのだから。

だから、例えば、最愛の夫(松坂桃李)を失ってどん底状態にあった文乃(北川景子)が、何故早坂(玉置玲央)のような粗野な男と再婚したのかという辺りに、微塵も説得力が生まれてこない。早坂の魅力や良心を一切描かないのだから、そりゃあ当たり前である。

ただ、そんな作家の原作であっても、映画になったら良かった、みたいなことはままあることである。今回も瀬々敬久監督だということで観に行った。

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Sunday, May 10, 2026

映画『幕末ヒポクラテスたち』

【5月10日 記】  映画『幕末ヒポクラテスたち』を観てきた。

何の予備知識もなかったが、監督が緒方明だと知った途端に、もう観ると決めていた。監督にとっては 12年ぶりの劇場用映画であり、僕にとっては『のんちゃんのり弁』以来、なんと 17年ぶりに観る緒方作品である。

『ヒポクラテスたち』と言えば、1981年の大森一樹監督の誉高いデビュー作である。僕も劇場で観ているが、古尾谷雅人主演の医学生たちの群像劇という程度のことしか憶えていない。

でも、この『幕末ヒポクラテスたち』が『ヒポクラテスたち』を意識している、と言うか恐らくそのオマージュになっていることは疑いない。

── 何の予備知識もなくても、その辺りまでは想像がつく。

だが、冒頭にクレジットが出るまで、これが京都府立医大創立150周年記念事業企画だったとは知らず、ああ、そういう流れだったのか、と思った。ご存じない方のために書いておくと、大森一樹は京都府立医大の卒業生である。そんな彼が『ヒポクラテスたち』を撮ったことが、当時とても話題になった。

そして、この映画では「製作総指揮:大森一樹」とクレジットされているのである。そうか、大森一樹か最初から噛んでいたのか、と。

しかし、家に帰ってパンフレットを読んでみたら、それだけではないことも分かった。

緒方明は大森一樹の下で助監督を務めていたのだそうだ。そして、忘れてしまっていたが、当時自主映画で名前が売れ始めていた内藤剛志も『ヒポクラテスたち』に出演していたのだそうである。

さらに、ナレーターを務めた室井滋(この声は聞き覚えがある。誰だったか?とずっと考えていたのだが)のデビュー作は大森一樹監督の『風の歌を聴け』だった。彼女がどんな役で出ていたかははっきりと憶えているのだが、あの映画が大森一樹監督だということを忘れていた。

前置きがめちゃくちゃ長くなった。設定とストーリーを書いておこう。

主人公は幕末の京都の田舎に住む蘭方医・大倉太吉(佐々木蔵之介)。同じ村で太吉と対立しているのが、どんな病にも葛根湯を処方して馬鹿笑いする漢方のヤブ医者・荒川玄斎(内藤剛志)。

病弱の妹を診てもらおうと太吉を尋ねたのが、実は呉服屋の若旦那なのだが、博打に入れあげていて、どこから見てもやくざ者にしか見えず、礼儀も何もあったものではない新佐(藤原季節)。

冒頭は太吉と玄斎のディスり合いから始めて、やがて、賭場で金を盗もうとして刺された新佐を太吉が生まれて初めて手術するエピソードがあり、そして、摘出された自分の腎臓を見ているうちに新佐が感じるところがあって、心を入れ替えて蘭方医を目指すという展開になる。

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Monday, May 04, 2026

映画『ラプソディ・ラプソディ』

【5月4日 記】  映画『ラプソディ・ラプソディ』を観てきた。びっくりするくらい良い映画だった。

利重剛は、俳優としては 1981年の TBS金ドラ『父母の誤算』を見てぶっ飛んで、それ以降ずっと好きな役者なのだが、監督としてもわりと好きで、1996年の『BeRLiN』と 2013年の『さよならドビュッシー』を見ている。その『さよならドビュッシー』以来 13年ぶりの監督作なのだそうだ。

夏野幹夫(高橋一生)はパスポート更新のために戸籍謄本(実は 2023年以降は不要になっているはずなのだが、この映画ではそうなっていた)を取り寄せたところ、自分が、知らない間に知らない女性「夏野繁子」(呉城久美)と結婚していることになっていることを知る。

役所に聞くと、婚姻届は手続き通りなされているとのことで、結婚ってそんなに簡単に届け出が可能なのかと驚くが、役所としても本人確認さえできれば疑う余地はないと言われ、なるほどと思う。

何かと幹夫の世話を焼いている叔父で歯医者の大介(利重剛)には、警察に届けるように言われるが、幹夫は「どういう事情か分からないのに、いきなり刑事事件にしたくない」と言い、まず話を聞くために繁子を探し始める。

そう、幹夫はありえないくらい「いい人」で、自分のことよりもまず周りの人たちの意向を気にし、そして、何があっても怒らない男なのだ。

とは言え、そう簡単に見つかるはずもなく、諦めかけていたとき、ふと近所の花屋の前を通りかかると、店員のゲイチ(芹澤興人)が「夏野さん、シーちゃん」と呼びかけているのが聞こえ、まさかと思って確かめたら、そこにいたのが本物の繁子だったのだが、驚く暇もなく、繁子は脱兎のごとく逃げ出す。

それを幹夫は息を切らしながら走って追っかけるが、逃げ足が速くて捕まらない。

しかし、花屋に戻ると、ゲイチが、繁子は実は自分の家に居候していると教えてくれて、やっと捕まえることができた。

幹夫と対照的に、繁子はわがままでへそ曲がりで繊細、かつ激情型の女性で、幹夫が何を尋ねてもろくに答えないし、時には悪意に満ちた反応をすることも。しかし、ゲイチと大介はなんとかふたりの関係を取り持とうとする。

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Friday, April 24, 2026

映画『月の犬』

【4月24日 記】  映画『月の犬』を観てきた。

冒頭は主演の萩原聖人のアップ。だが、画はボケている。それがだんだんと焦点が合ってくると、お墓の前で手を合わせていたことが分かる。最愛の妻を亡くしたという設定である。

東島(萩原)は生きることに絶望して、ヤクザの世界から足を洗い、経営していた店を手下(やべきょうすけ)に譲り、妻の実家から写真1枚だけもらって知らない街に行く。

その街で沙織(黒谷友香)がママをしているバーにふらりと入ったら、そこはぼったくりの店で1時間で 30万円を請求されるが、文句も言わず現金で払って帰った上に、帰り際にママに「また来てね」と言われたからと言って、翌日もその店を訪れて、逆にママと従業員をたじろがせる。

その態度に何かを感じた沙織に「ウチの店で働かないか」と言われて、東島はそこで働き始める。店の仕事だけではなく、何をやっているのか分からないまま、沙織の悪事にも加担する。

奥行きの深い構図で、被写界深度を浅くして手前の人物だけをくっきりと捉えた画が何度も出てくる。そういうのが好きな監督なんだなあと思った。

それから、台詞と台詞の間が長い。カット変わりが遅いような気がする。そのためか、若干芝居が固いようにも思える。

アコースティック・ギターとフルートだけによる BGM の哀調を帯びたフレーズが何度も繰り返される。全体のトーンはしっかりコントロールできている。どういうトーンかと言えば、絶望感である。

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Monday, April 20, 2026

Netflix『フランケンシュタイン』

【4月19日 記】 ギレルモ・デル・トロ監督の『フランケンシュタイン』を漸く Netflix で観た。

死体の断片を繋ぎ合わせて作られた怪物が、実は死ぬことができないというのはまことに斬新な設定だった。

それは本来有限のものが無限になってしまったという転倒であり不遇であり、日本人に馴染みの「無常感」とは言葉の意味において正反対のことを物語っているのだが、にも関わらずなんとなく無常感めいたものを感じてしまうから不思議だ。

怪物(ジェイコブ・エロルディ)の産みの親であるヴィクター・フランケンシュタイン(オスカー・アイザック)の、高圧的な父親(チャールズ・ダンス)に対する反感、そして、有能な医者でありながら母を救えなかった父親に対する復讐心、母親の命と引き換えに生まれてきた弟、その弟(フェリックス・カンメラー)の婚約者エリザベス(ミア・ゴス)を、かつて自分が母の愛を独占していたように奪いたいと思う気持ち。

── そういう人間関係を見ていると、何か因果や輪廻のようなものを感じてしまう。ミア・ゴスがヴィクターの母クレールとエリザベスを二役で演じているところがミソだ。

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Saturday, April 18, 2026

映画『人はなぜラブレターを書くのか』

【4月15日 記】  映画『人はなぜラブレターを書くのか』を観てきた。石井裕也監督だから観ようと早くから決めていた。

しかし、全然知らなかったのだが、この映画は実話を基にしているのだそうだ。

ボクシングの大橋会長とか川嶋選手だとか、なんか聞いたことのある名前を使っているな、とは思っていたのだが、エンディング・クレジットで「協力」として、佐藤浩市と細田佳央太が演じた父子の名前が出て、「え、そうなのか!」と驚いた。

でも、この映画は実話に基づいていることを一切宣伝に使っていなかった。それが良かった。僕はそういう売りをする映画が嫌いなので、知っていたら観に行かなかった可能性もある(ま、石井監督だから観に行っただろうけれど)。

前半、映画はとてもゆっくりしたペースで進む。むしろ観客を焦らすような作りだ。

女子高生時代のナズナ(當真あみ)がいつも同じ電車に乗り合わせている富久信介(細田佳央太)に惹かれるところからではなく、寺田ナズナ(綾瀬はるか)と夫の寺田良一(妻夫木聡)、娘で中学生の舞(西川愛莉)の3人家族の現在から描かれる。

詳細が語られないので、遅くまで仕事をしているナズナに対して、どうして良一はあんなに不機嫌なのかが分からない。そして、最初は舞も両親ともうまく行っていないような印象を与えるのだが、こっちはすぐにそうではないことが分かる。身も蓋もない言い方をすると、単に舞が「難しい年頃」だということでしかないのだが、この辺の描き方はとても巧みだと思った。

信介は日比谷線の脱線事故で亡くなっているのだが、ストーリー展開上はそのことは暫く伏せられている。なのに、事前に何度も見た予告編ではそのことを先に示してしまっている。あれはあれで良かったのかなあと少し疑問に思った。

ナズナは事故から 24年を経てから信介に対して手紙を書く。何故そんな気になったのかは追い追いじんわりと観客に伝わって行く。

手紙の宛先は、信介が練習していた大橋ジムだ。一度ポストに入れに行くのだが、やっぱり持ち帰ってしまう。それがいろいろアクシデントが重なって大橋ジムに届いてしまい、そこから信介の両親(佐藤浩市と原日出子)の手に届く。

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Wednesday, April 15, 2026

映画『炎上』

【4月15日 記】  映画『炎上』を観てきた。

長久允監督の作品は『そうして私たちはプールに金魚を、』と『WE ARE LITTLE ZOMBIES』を観ていて、どちらもとても面白かったのだが、今作はそれらとは随分トーンが違う。

新宿歌舞伎町にたむろするトー横キッズと言われた行き場のない若者たちの話で、炎上と言ってもネット上で叩かれてひどい目に遭うというやつではなくて、放火である。しかも、主演の森七菜自身による冒頭のナレーションでは自分が火をつけて死者が出たと言っている。

かなりシリアスで重苦しい感じがする。

主人公の樹理恵(森七菜)はカルト宗教の信者で娘たちに日常的に体罰を行っていた父親(古舘寛治)が死んだのをきっかけに妹を残して家を飛び出し、当てもなくトー横にたどり着いたが、似たような境遇の仲間たちに暖かく迎えられ、「じゅじゅ」というニックネームをもらう。

父親の遺体に手を合わせるシーンは母と娘たちの3ショットを下から煽って撮っているのだが、水平ではなく斜めになった構図になっている。また、樹理恵 のスマホに届いたメッセージのアップでも、通常は文字が読めるようにほぼ正面からの構図にするところだが、これもかなり斜めから撮っている。

その後も上から撮ったり下から撮ったりと、いろんな構図が出てくるのだが、その多くが見事に斜めに傾いている。所謂ダッチ・アングルというやつで、なんだかとても不吉なのである。

あの長久監督が一体何を考えてこんなエグいドラマを撮ろうと思ったのだろうかと考えてしまったのだが、上映が終わって照明がつくと、館内は若い人たちでいっぱいだった。多分彼ら自身はこの映画に出てくるような危ないクスリや売春をやったりする子たちではないのだろうけれど、それでもこれが今の時代を生き抜いて行く若者たちの気分なんだろうなと思った。

パンフレット掲載の長久監督へのインタビュー記事で、インタビュアーが、

長久監督は、のっぴきならない状態の 10代を題材に映画を作ることが多いです。

と述べていて、なるほど、うまいことまとめるなあと思った。

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Wednesday, April 08, 2026

映画『鬼の花嫁』

【4月8日 記】 映画『鬼の花嫁』を観てきた。

鬼の花嫁と言っても、鬼みたいに怖いお嫁さんのことではなく、鬼に嫁いだ人間女性の話である。

神は人間のほかに人間にはない超能力を持つあやかしを作り、現代では人間とあやかしが共存して、政治・経済・芸能などの世界ではあやかしの活躍がめざましい世の中になっている、という設定である。

あやかしには多くの種族があるが、鬼・妖狐・烏天狗が三大種族で、中でも鬼が強大な能力であやかし全体を統率している。

あやかしの中には本能によって人間の中から自分の結婚相手を見つけ出す者がいる。

主人公の東雲柚子(しののめ・ゆず、吉川愛)の妹・花梨(片岡凜)がまず、小学生時代に「あやかし特区」の入口で妖狐の狐月瑶太(伊藤健太郎)に出会い、婚約者となる。

それをきっかけに東雲家はあやかしの庇護を受けて金満家となり、花梨はわがまま放題な娘に育ち、その一方で両親も花梨も柚子を疎んじ、虐げるようになる。

瑶太はと言えば、花梨を盲目的に愛するあまり、ほとんど花梨の言いなりに妖力を使っている。とにかく瑶太と花梨の夫婦が絵に描いたような徹的的な悪人なのがすごい!(笑)

ところが、ある日柚子は、あやかし界の頂点に立つ鬼の鬼龍院一族の次期当主・鬼龍院玲夜(永瀬廉)に見初められ、鬼龍院家の花嫁として多くの使用人を抱える彼の豪邸に連れて行かれる。

この映画で描かれるのはそういう極端な世界でのラブストーリーなのだが、問題は、本能で相手を見出すと言ってもそれはあやかし側の一方的なものであり、人間の女性のほうは突然の求愛と別世界での暮らしにただただ当惑してしまうというところであり、それがこの物語のフックとなっている。

僕は妖怪ものは結構好きだが、この設定と展開はあまりにおとぎ話と言うか、まるで少女漫画で(まあ、原作が小説を少女漫画にコミカライズしたものだから仕方がないけど)、ちょっと僕の趣味ではない。

それでも見に行ったのは監督が池田千尋だったからだ。

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