Tuesday, November 04, 2025

Kindle の“ハイライト”

【11月3日 記】  僕は普段 Kindle で本を読んでいる。

Kindle ユーザならご存じだと思うが、あれは読みながら指でなぞって文中任意の箇所にマーカーを引くことができる。これをハイライトと言う。

そして、読み進んで行って、他の何人ものユーザがハイライトした箇所に来ると、そこに破線の傍線が引かれていて、小さな文字で例えば「29人がハイライトしました」みたいなことが添えてある。

僕はこれを目にするといつも、「はぁ、君らはそんなところに、なんか心を動かすものを感じたの?」と思ってしまう。僕がハイライトする箇所とはほとんど重ならないのである。

あくまで評論などではなく、小説を読んでいるときの話だが。

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Sunday, October 26, 2025

Accessible Facility

【10月26日 記】  僕はこのブログに「果てしないトイレ談義シリーズ」というのを書いていて、トイレにまつわるおかしな話を収集しています。

で、先日、ある公衆便所でまた変な表記を発見してしまいました。それが右の写真です。Accessiblefacility

Accessible Facility って何だか変だと思いませんか? 一番下手糞な訳をすると「到達可能設備」、もうちょっとまともな訳をしても「使いやすい施設」って、それでこれが障碍のある人のためのトイレだって判ります?

── と意気込んで、一応念のため辞書を調べてみると、意外にもこの表現はこれで良いのですね。ちょっとびっくり。

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Tuesday, October 07, 2025

「プラスティック」と「ビニール」の語感

【10月7日 記】  最近「プラスティック」という言葉(あるいは「プラスチック」、大阪のおっちゃん・おばちゃんたちは「プラッチック」などとも言ってました)の持つイメージが変わってきたと思うのです。

きっと若い人たちはそんなことないんだろうと思いますが、僕らが子供だった頃は、プラスティックと言えばもっぱら硬いものでしたから。

多分、当時の日本にはまだ柔らかいプラスティック製品があまりなかったんだろうと思います。

当時の僕らにとって典型的なプラスティック製品といえば、それはプラモデルでした。

はい、硬いプラスティック。そして、透明ではなく、色がついていました。

それから各種おもちゃ関係。グリコのおまけもそうでしたし、後の時代にはプラレールなどという大ヒット商品も出てきました。

女の子たちの人形も、僕らの幼少期にはセルロイド(これもプラスティックの一種なのですが)だったのが、次第にセルロイドよりも割れにくいプラスティックに変わって行き、今のフィギュアにたどり着いたのだと思います。

あとは何かな、弁当箱かな。筆箱もあったかな。

いずれにしても、それらは全て(でなかったとしたら大抵)硬めの素材でした。

じゃあ、柔らかいものは何と言っていたかと言えば、それは「ビニール」です。典型的なのは「ビニール袋」。

ところが、これは大人になってからのことですが、ビニール袋のことを英語では a plastic bag と言うのだと知って大変驚きました。え? あんな柔らかくて透明のものを「プラスティック」って言うのか!って感じ。

ちなみに、東京の名の通ったホテルのフロントで、外国人に Do you have a plastic bag?(ビニール袋ないですか)と訊かれて、意味がわからず何度も聞き返しているホテルマンを見かけたことがあります。

そして、「ビニール傘」もまた a plastic umbrella です。

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Thursday, September 11, 2025

(続)ウェンズデーのハンド

【9月11日 記】  前に「ウェンズデーのハンド」という記事を書いた。

Netflix の『ウェンズデー』の登場人物(と言って良いのかどうか分からないがw)のひとりである右手首から先だけの存在が、オリジナルの英語バージョンでは Thing と呼ばれているのに、日本語版ではハンドという名前になっていることについての記事である。

で、昨日 Netflix で season 2 の最終話まで観て驚いた。

Thing = ハンド が一体誰の右手だったのかという種明かしもさることながら、それだけではなく Thing という名前の由来の説明が見事だった。あまりに感心したので再び記事にすることにした。

(ただし、そのことについて書くと、必然的に大きめのネタバレになってしまいますので、これからご覧になる方はこの文章を読むか読まないか充分考えてください)。

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Monday, September 01, 2025

昔書いた文章は短かった

【9月1日 記】  前の前の記事に書いた通り、Amazon の指示を受けて今、このブログに張った Amazon への全リンクをチェックして書き換え作業をしている。

その多くは書評なのだが、HTML をチェックするだけではなく、ついつい昔書いたものを読んでしまう。

で、これは予想したことだが、昔書いた書評について、その多く(と言うか、あるいは「ほとんど」と言ったほうが良いかもしれないが)について、全く記憶がない。

今の僕がその本の内容について全く記憶がないばかりか、そんな本が存在することさえ知らない作品について、昔の僕はそれを読んだと主張して、なんだかんだと書いている。

もちろん、中には少し記憶のある本もあるし、記事を読み返すうちに少し思い出したりすることもあるが、記事を読んでも全く何も思い出さない本が大半である。

このブログにも何度も書いているように、僕は読んだ本でも観た映画でも、次から次へと忘れてしまう。他の人はそんなことないんだろうか?

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Saturday, August 30, 2025

ヘボン式と訓令式

【8月30日 記】  昨夜、妻はテレビをを観ていた。別室で別のことをやっていた僕が入って行くと、「ねえねえ、新橋って M だって知ってた?」と訊かれた。

何のことかと思ったら、NHK『チコちゃんに叱られる!』で、

駅の表示では、どうして新宿は SHINJUKU で、新橋は SHIMBASHI になっているのか? どうして同じ「ん」なのに新橋は M なのか?

というのをやっていたのだ。

僕はびっくりした。

まずは JR の表示で新橋が SHIMBASHI だということに、今の今まで妻が全く気づいていなかったということに。

僕は「ことばのウェブ」というホームページをやっていた(すでに閉鎖)くらいだから、普段から言葉遣いには強い興味と深い関心があって、ローマ字の表記を見るたびに、「この会社(例えば JR)はちゃんと(外国人も馴染みやすいように)ヘボン式で書いているな。でも、あの会社は訓令式なのか」などとチェックしている。

ヘボン式とか訓令式とかいう名前は知らなくても、ローマ字の書き方にはいろいろあることは誰でも知っていて、かつ、ヘボン式では日本語の「ん」に N が充てられるケースと M が充てられるケースがあることぐらいは誰でも知っているのだと思い込んでいた。

ところが、昨日の『チコちゃんに叱られる!』では、そのこと自体が出題に採用されており、しかも学者がそれを「B や P のような、両方の唇がくっつく音の前では N は発音できない(しにくい)」などとしかつめらしく解説して、さらにわざわざ外国人にそれを発音させたりもしている。

そして、3人のスタジオ出演者が誰もまともに答えられないではないか!

なにそれ! びっくり。

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Saturday, August 16, 2025

「記録的短時間大雨情報」に思う

【8月16日 記】 昨今「記録的短時間大雨情報」が発令されることが少なくないが、これを聞くたびに違和感を覚える。「短時間記録的大雨情報」じゃないのか?と。

この用語を作った人は多分、

「記録的」は「短時間」だけにかかるんじゃなくて「短時間大雨」全体にかかるんですよ

という説明をするのだろうが、それはそういう説明を受けて初めて、あるいは聞いた人が頭の中で整理し直して初めて腑に落ちることだ。

良い文章の書き方を指南した文章読本的なものを読むと、関連性の近い語は近くに置いたほうが良いと書いてある。例えば

彼はこの期に及んでそんなことを言うのは卑怯だと言った。

よりも

この期に及んでそんなことを言うのは卑怯だと彼は言った。

のほうが良い文章、と言うか、意味が通って理解が容易い文章だと言われる。

これは主語と動詞の例だが、修飾語と被修飾語も隣に置いたほうが分かりやすいのは言うまでもない。

逆に言うと、修飾語の後に続くのが被修飾語だと思うのは自然な感覚で、「記録的短時間大雨情報」と言われると、「記録的」は「短時間」にかかるものだと思ってしまうのだ。

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Tuesday, August 12, 2025

ウェンズデーのハンド

【8月12日 記】Netflix の『ウェンズデー』 season 2 が始まった。

で、観ていて今頃になって気づいたのだが、あのドラマに出てくる手首から先だけの存在(右の写真の右下; 妖怪とか幽霊とかいう言い方は正確ではなく、まさに存在としか言いようがない)は、日本語版ではハンドという名前になっているが、原語では Thing なのである。

これで思い出したのは Fantastic 4 の Ben が The thing と呼ばれていること。

こちらは宇宙で放射線だかなんだかを浴びてしまって全身が岩のようになってしまい、「もはや人とは呼べない。モノである」というような感じなのだろうけれど、アダムス・ファミリーのハンドはどこからどう見ても(傷の縫い目はあるが)手そのものであって、ちょこまか動き回るだけに日本語の感覚としてはモノと言われるとちょっと違う気がする。

この辺が日米の言語のニュアンスの違いなんだろうか?

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Saturday, August 09, 2025

サラリーマンをバカにしてはダメよ

【8月9日 記】 昔ベルウッドから発売されて LP で持っていた『1971年 全日本フォークジャンボリー2』が、2004年に CD で復刻されていたことを今頃になって知って、何十年ぶりに手に入れて聴いてみた。

間違いなく、あの頃の時代の息吹を感じさせる作品だ。今は息吹なんてどこにあるのか分からないけれど、あの頃には間違いなく、そこに「息吹」が感じられた。

「オリジナル・リリース:1973/11/10」とあるから、僕がこのアルバムを買って聴いていたのは、高校生の頃だったんだろう。

ちなみにあの頃持っていた何十枚か、ひょっとしたら 100枚以上のレコードは、父親の借金で実家が差し押さえられたときに、他の家財道具一式と一緒に僕の手には戻らないものになってしまった。

今回このアルバムを再度入手したのは、もちろん聴きたい曲がたくさんあったからだが、とりわけ聴きたかったのは岩井宏の『サラリーマンをバカにしてはダメよ』だ。

この歌を聴いたことがない人は、タイトルだけ見て、日本のサラリーマンを擁護する歌だと思ったかもしれないが、そうではなくて、これはむしろ嘆きであり皮肉である。ただ、サラリーマンに対する皮肉ではなく、日本の社会に対する静かな皮肉であり、そこに曰く言い難い哀愁がある。

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Wednesday, July 23, 2025

衛星の皿

【7月23日 記】 英語の勉強をしていると時々驚くことがある。そのひとつのパタンは、てっきりネイティブの英語だと思っていたものが和製英語だったりすることである。

昨日も英語の先生と話していて、そんなことがあった。

テレビの衛星放送を受信するための、丸いお皿型のアンテナを何と呼ぶだろう?

僕らはパラボラ・アンテナと呼んできた。それはテレビで衛星放送が始まる直前に突然出てきた器物であり、従ってその名称も突然僕らの前に現れた。まずは放送業界で働いていた僕らが最初に憶えて、一般に広めていった名前である。

衛星放送については日本はアメリカに遅れを取っていたので、これは当然アメリカから直輸入した名称なのだろうと思っていたのだが、そうではなかったのだ。

昨日、テキサス出身のアメリカ人女性に訊いたところ、「私たちは a satellite dish と言う」と言われて驚いた。a parabola antenna じゃないんだ!

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