Monday, March 23, 2026

語感、あるいは意味

【3月23日 記】  夫婦間で話が通じないことがある。いや、別に夫婦間である必要もないのだが、ここではひとつの例として。

それは地域的な問題、つまり東京弁と大阪弁みたいな問題とは限らない。育ってきた環境の違いなどによる語感の違いである。

例えば、妻に「今日は病院に行く日でしょ?」と言われて「いや、病院に行くのは今日じゃないよ」と答えたのだが、これは「病院」という単語の語感の違いである。

僕は確かに今日、普段から通っている開業医のところに薬を処方してもらうために行く。でも、手術の経過を診てもらうために病院に行くのは4月になってからである。

何が言いたいかと言うと、僕にとって「病院」という単語は、少なくとも複数の医者が勤務していて、入院のための設備がある、比較的大型の医療施設である。一般的な個人開業医のことは「病院」とは言わない。

僕と妻の会話がすれ違ってしまったのは、ひょっとして妻は「病院」という言葉で開業医の診療所も指すのだろうか?と思って確かめてみたら、「そうではない」と言う。

そもそも僕が長年通っている開業医は勤めていた会社の近所にあるので、彼女はそれが大規模な病院なのか小さな開業医なのかは知らないから「病院」と言ったまでだと言う。

しかし、その後に続けて、「でも、一般名称としては『病院』という単語を使う。『早く病院に行ったほうが良いよ』みたいに」と言うのである。

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Wednesday, February 11, 2026

医は客商売

【2月11日 記】 病院で医者に質問したら、「だから、言ったでしょ」と言われた。

こいつは困った医者だと思った。自分が客商売をやっているということを全く理解していない。

僕は会社員時代の約3分の1を営業マンとして過ごしたが、僕らはクライアントに「だから、言ったでしょ」なんて言わない。「前に一度申し上げたと思うのですが」か、親しいスポンサーであってもせいぜい「前に言いましたように」が関の山だ。

いや、それもわざわざ言わないかもしれない。それを言うのは、そのことは前に説明済みであるということをしっかりと打ち込んでおかないと今後の交渉に支障を来すような場合だ。

そこまで切羽詰まった場面でないのなら、初めて話すような顔をして一から説明するかもしれない。そうすると、相手が思い出して「あ、前に聞きましたね」と恐縮してくれる場合もある。

別に患者に対して「です・ます調」で語れと言うのではない。親しげに語るのは構わないが、余計なことは言わないほうが良い。「だから、言ったでしょ」は憶えていないことをあからさまに非難する言葉である。得意先を非難して怒らせてはいけない。

僕はそんな話を聞いた憶えはないが、でも、聞いたのに忘れたのかもしれない。忘れたのであれば僕が悪い。しかし、そもそも、自分の言ったことを患者が全部憶えている(あるいは憶えておく義務がある)なんて考えているなら、この人は頭がおかしい。

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Monday, January 26, 2026

オノマトペ比較

【1月26日 記】  日本語は擬音語・擬声語・擬態語が豊富な言語だと言われるが、もちろん、日本語ほどではないにしても、英語にもたくさんのオノマトペがある。そして、それらは日本語のそれと大きく異なっていたりもする。

小学校ぐらいのときにテレビでバットマンを見て、「へえ、物を叩いたり物がぶつかったりするときは Bang って言うのか」と驚いた記憶がある。

僕らが「ドカン!」とか「ドッカーン!」とか言うところでに、アメリカ人は Boom! などと言う。

動物の鳴き声などはかなり違っているが、猫が meow と鳴くとか、馬が neigh といななくとか、雄鶏が cock-a-doodle-doo と鳴くなどと言われると、なるほど、そんな風にも聞こえるかな、という気はする。

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Saturday, January 17, 2026

Engrish in Japan への投稿

【1月17日 記】  以前このブログにも書いたことがあったかもしれないが、僕は Engrish in Japan という Facebook の公開グループが好きでよく見ている。

これは日本中に溢れている変な英語を収集したサイトだ。ちなみに English の綴はわざと間違えてある。

このサイトで今までで一番面白かったのは、果物屋の店先の張り紙で、「桃に触らないで」という日本語に(多分外国人の客も多いのだろう)それを英訳した文章が添えてあるのだが、「桃」が peaches ではなく thigh になっていたやつだ。

(笑えなかった人のために書いておくと、thigh は「もも」は「もも」でも「ふともも」である。多分「もも」を和英辞典で引いて、そのまま書き写したのだろうw)

で、そういう分かりやすいのもたくさんあるのだが、中には、「ん? これはどこがおかしいんだ?」と、写真の隅々まで目を凝らしてみたり、暫し考えたりしなければならないものもある。

最後まで分からないということはないのだが、よくよく考えてみて、「あ、そうか、ここがおかしいんだ」と気づくものもあるのだ。そして、そういうのに出会うのも非常に楽しい。

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Tuesday, November 04, 2025

Kindle の“ハイライト”

【11月3日 記】  僕は普段 Kindle で本を読んでいる。

Kindle ユーザならご存じだと思うが、あれは読みながら指でなぞって文中任意の箇所にマーカーを引くことができる。これをハイライトと言う。

そして、読み進んで行って、他の何人ものユーザがハイライトした箇所に来ると、そこに破線の傍線が引かれていて、小さな文字で例えば「29人がハイライトしました」みたいなことが添えてある。

僕はこれを目にするといつも、「はぁ、君らはそんなところに、なんか心を動かすものを感じたの?」と思ってしまう。僕がハイライトする箇所とはほとんど重ならないのである。

あくまで評論などではなく、小説を読んでいるときの話だが。

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Sunday, October 26, 2025

Accessible Facility

【10月26日 記】  僕はこのブログに「果てしないトイレ談義シリーズ」というのを書いていて、トイレにまつわるおかしな話を収集しています。

で、先日、ある公衆便所でまた変な表記を発見してしまいました。それが右の写真です。Accessiblefacility

Accessible Facility って何だか変だと思いませんか? 一番下手糞な訳をすると「到達可能設備」、もうちょっとまともな訳をしても「使いやすい施設」って、それでこれが障碍のある人のためのトイレだって判ります?

── と意気込んで、一応念のため辞書を調べてみると、意外にもこの表現はこれで良いのですね。ちょっとびっくり。

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Tuesday, October 07, 2025

「プラスティック」と「ビニール」の語感

【10月7日 記】  最近「プラスティック」という言葉(あるいは「プラスチック」、大阪のおっちゃん・おばちゃんたちは「プラッチック」などとも言ってました)の持つイメージが変わってきたと思うのです。

きっと若い人たちはそんなことないんだろうと思いますが、僕らが子供だった頃は、プラスティックと言えばもっぱら硬いものでしたから。

多分、当時の日本にはまだ柔らかいプラスティック製品があまりなかったんだろうと思います。

当時の僕らにとって典型的なプラスティック製品といえば、それはプラモデルでした。

はい、硬いプラスティック。そして、透明ではなく、色がついていました。

それから各種おもちゃ関係。グリコのおまけもそうでしたし、後の時代にはプラレールなどという大ヒット商品も出てきました。

女の子たちの人形も、僕らの幼少期にはセルロイド(これもプラスティックの一種なのですが)だったのが、次第にセルロイドよりも割れにくいプラスティックに変わって行き、今のフィギュアにたどり着いたのだと思います。

あとは何かな、弁当箱かな。筆箱もあったかな。

いずれにしても、それらは全て(でなかったとしたら大抵)硬めの素材でした。

じゃあ、柔らかいものは何と言っていたかと言えば、それは「ビニール」です。典型的なのは「ビニール袋」。

ところが、これは大人になってからのことですが、ビニール袋のことを英語では a plastic bag と言うのだと知って大変驚きました。え? あんな柔らかくて透明のものを「プラスティック」って言うのか!って感じ。

ちなみに、東京の名の通ったホテルのフロントで、外国人に Do you have a plastic bag?(ビニール袋ないですか)と訊かれて、意味がわからず何度も聞き返しているホテルマンを見かけたことがあります。

そして、「ビニール傘」もまた a plastic umbrella です。

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Thursday, September 11, 2025

(続)ウェンズデーのハンド

【9月11日 記】  前に「ウェンズデーのハンド」という記事を書いた。

Netflix の『ウェンズデー』の登場人物(と言って良いのかどうか分からないがw)のひとりである右手首から先だけの存在が、オリジナルの英語バージョンでは Thing と呼ばれているのに、日本語版ではハンドという名前になっていることについての記事である。

で、昨日 Netflix で season 2 の最終話まで観て驚いた。

Thing = ハンド が一体誰の右手だったのかという種明かしもさることながら、それだけではなく Thing という名前の由来の説明が見事だった。あまりに感心したので再び記事にすることにした。

(ただし、そのことについて書くと、必然的に大きめのネタバレになってしまいますので、これからご覧になる方はこの文章を読むか読まないか充分考えてください)。

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Monday, September 01, 2025

昔書いた文章は短かった

【9月1日 記】  前の前の記事に書いた通り、Amazon の指示を受けて今、このブログに張った Amazon への全リンクをチェックして書き換え作業をしている。

その多くは書評なのだが、HTML をチェックするだけではなく、ついつい昔書いたものを読んでしまう。

で、これは予想したことだが、昔書いた書評について、その多く(と言うか、あるいは「ほとんど」と言ったほうが良いかもしれないが)について、全く記憶がない。

今の僕がその本の内容について全く記憶がないばかりか、そんな本が存在することさえ知らない作品について、昔の僕はそれを読んだと主張して、なんだかんだと書いている。

もちろん、中には少し記憶のある本もあるし、記事を読み返すうちに少し思い出したりすることもあるが、記事を読んでも全く何も思い出さない本が大半である。

このブログにも何度も書いているように、僕は読んだ本でも観た映画でも、次から次へと忘れてしまう。他の人はそんなことないんだろうか?

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Saturday, August 30, 2025

ヘボン式と訓令式

【8月30日 記】  昨夜、妻はテレビをを観ていた。別室で別のことをやっていた僕が入って行くと、「ねえねえ、新橋って M だって知ってた?」と訊かれた。

何のことかと思ったら、NHK『チコちゃんに叱られる!』で、

駅の表示では、どうして新宿は SHINJUKU で、新橋は SHIMBASHI になっているのか? どうして同じ「ん」なのに新橋は M なのか?

というのをやっていたのだ。

僕はびっくりした。

まずは JR の表示で新橋が SHIMBASHI だということに、今の今まで妻が全く気づいていなかったということに。

僕は「ことばのウェブ」というホームページをやっていた(すでに閉鎖)くらいだから、普段から言葉遣いには強い興味と深い関心があって、ローマ字の表記を見るたびに、「この会社(例えば JR)はちゃんと(外国人も馴染みやすいように)ヘボン式で書いているな。でも、あの会社は訓令式なのか」などとチェックしている。

ヘボン式とか訓令式とかいう名前は知らなくても、ローマ字の書き方にはいろいろあることは誰でも知っていて、かつ、ヘボン式では日本語の「ん」に N が充てられるケースと M が充てられるケースがあることぐらいは誰でも知っているのだと思い込んでいた。

ところが、昨日の『チコちゃんに叱られる!』では、そのこと自体が出題に採用されており、しかも学者がそれを「B や P のような、両方の唇がくっつく音の前では N は発音できない(しにくい)」などとしかつめらしく解説して、さらにわざわざ外国人にそれを発音させたりもしている。

そして、3人のスタジオ出演者が誰もまともに答えられないではないか!

なにそれ! びっくり。

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