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Monday, January 12, 2026

『成瀬は都を駆け抜ける』宮島未奈(書評)

【1月12日 記】『成瀬は天下を取りにいく』『成瀬は信じた道をいく』に続く第3弾。

「200歳まで生きる」と宣言している成瀬あかりなので、せめて彼女が 100歳の大台に乗るくらいまでは書き続けてほしいと思うのだが、残念ながら帯には「成瀬シリーズ堂々完結!」と書いてある。まことに残念。

成瀬あかりはそれほど魅力的なキャラクターだった。一見ただの変人に思えるけれど、その素直さ、固定観念に対する囚われのなさ、確信に満ちた行動力などを以て、彼女は人を魅了する。

そして、彼女は仲間を増やす。そう、前2作では彼女が人を魅了するさまが中心に描かれていたのだが、今作では彼女が人を魅了することによってどんどん仲間が増えて行くさまが際立って描かれている。

今回の彼女は京都大学理学部1回生。今回も6つの話が、彼女を取り巻く6人の視点で描かれる。

相変わらずやることが突飛だ。

街のパトロールと琵琶湖観光大使はたゆまず続けている。達磨研究会に入る。京都のガイドブックを制覇することにする。YouTuber のビデオに頻繁に出演して人気を博す。簿記の試験を受ける。大階段駈け上がり大会に出る。献血をする。麻雀大会での優勝を目指す。手話を勉強する。びわこ放送のローカル・ワイド番組に取材される、等々。

「大きなことを百個言って、ひとつ叶えばいい」という彼女の信条は変わらない。「『やりたいと思ったから』としか言いようがない」と言いながら、一つひとつ達成して行く。

そのたびごとに、いろんな人が彼女の魅力に引き付けられ、彼女の仲間になる。こんな変人なのに、彼女の周りには仲間がたくさんいる。なんて素敵なんだろう。

彼女をずっと観察してきた母親の美貴子は彼女の成長をしっかりと感じている。

「絶対に天国からおばあちゃんも見てくれてたわ」
「だといいのだが」
 あかりの受け答えを見て、改めて成長を実感する。もっと前のあかりだったら、「死んだらテレビは見られないだろう」と答えたはずだ。

この辺の描写が面白い。

やっぱりその後の成瀬あかりの話を読みたい。西浦航一郎の彼女に対する思いは成就するのか。そして、あかり自身の恋愛の話は? 京大卒業後はどんな仕事に就くのか。生涯の盟友・島崎みゆきとはどんな関係が続くのか。

興味は尽きない。そういう愛おしい愛おしいキャラクターなのである。

ちなみに前作の書評でこの話を映像化してほしいと書いた。そして、成瀬を演じられるとしたら森七菜くらいかな、とも書いた。作を読み通して、やっぱり森七菜しかないという気になっている。

浜辺美波にも、出口夏希にも、広瀬すずにも、今田美桜にも、清原果耶にも、畑芽育にも、原菜乃華にも、この役は無理だと思う。橋本環奈ならこの役をこなせるかもしれないが、如何せんイメージが違いすぎる気がする。あー、あと、ひょっとしたら髙石あかりはアリかも。

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