【1月10日 記】 映画『架空の犬と嘘をつく猫』を観てきた。森ガキ侑大監督。とても良い話、とても良い映画だった。
初めのほうは登場人物の設定と人間関係が分かりにくいのだが、それがゆっくりゆっくり見えてくる。
羽猫山吹(はねこ・やまぶき。年代順に立花利仁、堀口壱吹、高杉真宙)は3世帯同居の家で育った。
じいちゃんの正吾(柄本明)はいくつかの食べ物屋をやって失敗したあと、遊園地を作るなどと夢みたいなことばかり考えている。
ばあちゃんの澄江(余貴美子)なんだか詐欺まがいの怪しげな商売に手を染めている。
父親の淳吾(安田顕)はスナックの女とできちゃっている。
母親の雪乃(安藤裕子)は明らかに心を病んでいる。どうも山吹の下にもう1人・青磁という男の子がいたらしいのだが何かの事故で死んでしまっていて、でも、雪乃はそれが受け入れられず、青磁はどこかで生きているものとして毎日を送っている。
事実彼女の許には時々青磁からの手紙が届くが、これはもちろん本人からのものではない。誰が書いているのかは終盤まで明かされないが、映画を観ていると自然に想像がつく。
山吹の姉の紅(べに。年代順に藤中璃子、向里祐香)はしっかり者だが、そんな家族にほとほと嫌気が差して、早くに家を出ることばかり考えている。
映画は 1988年から始まって、きっちり5年毎に 2008年まで時計を進めて行く。
ものすごくゆっくりとした、ゆったりとしたリズムで映画は語られる。
カット変わりが遅い。特に各シーンの最後のカットは随分と引っ張ってから漸く次のシーンに移る。風景などのインサートも、多分他の監督ならこの半分の秒数で切るだろうと思うくらい長い。
成長する過程で山吹には2人の女の子が絡んでくる。山吹が通っていた塾の先生の姪で、事情があって先生の家に同居していた1学年上のかな子と、近所に住む幼馴染の(と言っても、とてもシャイで山吹とほとんど喋ったこともない)頼(より)である。それぞれの成長後を深川麻衣と伊藤万理華が演じている。
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