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Thursday, July 31, 2025

ことばというテーマ

【7月31日 記】 僕が最初に自分のホームページを持ったのは 2001年2月である。当初のタイトルは wise  word web だった。後に Wordrobe of Words に改題した。

タイトルから分かるように、それは言葉についてのホームページだった。

インターネットに書くことなんて何もない──とずっと思っていたのだが、ある日「言葉についてなら興味もあるし、それなりの知識もあるので、何か書けるかも」と思ったのが発端だった。

そのホームページの1コーナーであった trivialities から独立したのがこのブログで、それはブログというものが大流行し始めた 2005年5月だった。

そこは映画評と書評中心のもとのなったが、一方で Wordrobe of Words のほうは手書きHTML による運用の限界から 2018年1月で閉鎖を余儀なくされ、以後はこのブログにも時々言葉に関する文章も書いている。

そして、閉鎖によって失われた Wordrobe of Words のコンテンツのいくつかを保存する意味もあって始めたのが note である。それは 2019年の12月ごろだったかなと思う。

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Tuesday, July 29, 2025

Netflix の新作続編

【7月29日 記】  Netflix をつけたら、『ウェンズデー』の続編が 8/6 から始まるとのこと。予告編でジェナ・オルテガの顔を観ただけで season 1 の楽しさが甦ってきて、嬉しくて仕方がない。

season 1 はひとりで観たが、season 2 は一緒に観ようと妻にも言っている。

『クイーンズ・ギャンビット』の続編制作のニュースはガセだったようだが、主演のアニャ・テイラー=ジョイと同じスタッフで別のドラマを撮るとの話もあり、こちらも楽しみ。

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Sunday, July 27, 2025

映画『桐島です』

【7月27日 記】  映画『桐島です』を観てきた。

こういう映画を観ると、良い映画とそうでない映画の分かれ目はどこにあるんだろうと思う。

まるでドキュメンタリみたいな映像で、淡々とありのままを撮っているようで、ここで盛り上げようとか観客をひきつけようとか、そういう作為が全く感じられない。なのに、映画としてはとても良い出来なのである。

東アジア反日武装戦線「さそり」の桐島聡と言えば、僕の記憶にもはっきり残っている名前である。僕らはただただ「間違った思想に取り憑かれた凶悪犯」というイメージでしか捉えていなかったし、ま、それは一面の真理なのかもしれないが、逆に非常に一面的な見方でしかないのも確かである。そういうことを強く感じた。

とりわけ、桐島たちが、一般人を巻き込まないために無人の施設、無人の時間帯を選んで爆弾を仕掛けていたなんてことは全く知らなかった。

しかし、この映画で描かれていることがほんとうの真実であるということでもない。

病床にあった桐島が自らの死の3日前に自分の正体を明かしたニュースの直後に、高橋伴明監督はプロデューサーからこの企画を持ち掛けられ、前作『夜明けまでバス停で』でコンビを組んだ脚本家・梶原阿貴に電話をして、「嘘の部分は俺が責任を取るから、事実の部分を日でまとめてくれ」と言ったという。

逃走中の桐島の情報がかなり少ないなかで、この映画の少なからぬ部分が、監督の言う「嘘の部分」で構成されているのも間違いないだろう。

でも、僕らはそれをいちいち詮索したりはしない。個々の出来事のどれが事実かなんてことは映画を作る上で重要なことではないのだ。ただただ、監督が伝えようとした何かがしっかりと伝わってくる限りは。

そして、僕は全く知らなかったのだが、この脚本家、梶原阿貴の父親は、1971年に起きた新宿クリスマスツリー爆弾事件の実行犯の一人の梶原譲二で、自ら警察に出頭して逮捕されるまで、事件から 14年間、家族3人で逃亡生活を続けていたのだそうだ。

梶原は高橋監督から電話が掛かってくる前に、桐島関係のスクラップ作業を終えていたとのことだ。そして、この映画の中のいろいろなエピソード(例えばクサヤの干物を焼いた悪臭で通報され、逮捕されかねない状況に陥ったことなど)も、彼女自身の経験に基づいているという。

まさにこの脚本家にしてこの企画ありという感じだ。そして、彼女を脚本に指名した高橋伴明について言えば、こういう作品を撮らせると彼に比肩する監督はほとんどいないと言っても良いだろう。

監督の、桐島に対する全く先入観に汚されていないものの見方が、映画全体を包んでいる。

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Friday, July 25, 2025

映画『ファンタスティック4 ファースト・ステップ』

【7月25日 記】  映画『ファンタスティック4 ファースト・ステップ』を観てきた。

『ファンタスティック・フォー』は元々は所謂アメコミで、それがアニメ化され、僕の少年期には日本でも『宇宙忍者ゴームズ』として放送されていた。僕はこのアニメがめちゃくちゃ好きだった。いや、今でも大好きである。

日本で放送するに当たってつけられたタイトル『宇宙忍者』とそれぞれの登場人物名の翻訳が、如何にもあの時代らしくて秀逸である。

  • リーダーである Reed/Mr. Fantastic は、ゴムのように体が伸びるので宇宙忍者ゴームズ(笑)
  • 全身が火の玉となって空を飛ぶ Johnny/Human Torch はファイヤー・ボーイ
  • 全身が岩みたいに固い怪力の持ち主 Ben/The Thing がガンロック(これ、岩+ rock という絶妙なネーミングだw)
  • そして、体を透明にしたりバリアを張ったりできる Sue/Invisible Woman は、うまく訳せなかったんだろう、そのままスージー(スーはスージーの愛称)

となっていた。

僕が知る限り、このアニメが所謂 Live Action Adaptation、つまり実写化されたのは過去に3回あって、僕はそのいずれをも映画館で観ている。そこからも僕がこの企画をどれほど愛しているかが分かるだろう。

ただし、これまでの作品は全て 20世紀FOX など他社によるもので、今回が初めてのマーベル・スタジオ製作ということで、マーベルとしては大変な力の入れようである。

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Wednesday, July 23, 2025

衛星の皿

【7月23日 記】 英語の勉強をしていると時々驚くことがある。そのひとつのパタンは、てっきりネイティブの英語だと思っていたものが和製英語だったりすることである。

昨日も英語の先生と話していて、そんなことがあった。

テレビの衛星放送を受信するための、丸いお皿型のアンテナを何と呼ぶだろう?

僕らはパラボラ・アンテナと呼んできた。それはテレビで衛星放送が始まる直前に突然出てきた器物であり、従ってその名称も突然僕らの前に現れた。まずは放送業界で働いていた僕らが最初に憶えて、一般に広めていった名前である。

衛星放送については日本はアメリカに遅れを取っていたので、これは当然アメリカから直輸入した名称なのだろうと思っていたのだが、そうではなかったのだ。

昨日、テキサス出身のアメリカ人女性に訊いたところ、「私たちは a satellite dish と言う」と言われて驚いた。a parabola antenna じゃないんだ!

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Sunday, July 20, 2025

悲しい野球指標

【7月20日 記】 野球というスポーツには選手の力量を測る指標として打率とか防御率とか、いろんなものがある。

特に今世紀に入ってからはアメリカ大リーグからセイバーメトリクスなどというものがどんどん輸入され、それまで全く聞いたこともなかった OPS や WHIP、QS(率)、K/BB などいろんな数値が日本のプロ野球でも取り沙汰されるようになってきた。

しかし、これらはなんで英語のアクロニムそのままで、日本語に訳されないのだろう?

明治・大正のころには外来語には逐一日本語が充てられてきたものだ。もし適切な日本語が見つからなければ、例えば「哲学」とか「権利」などといったように、新たに造語までして日本語化してきたのだ。

しかし、それは昔の風習であって、昨今では横文字そのままというのが一般的である。だが、おかげで僕らは OPS とか WHIP とかいう文字を見るたびに、「えっと、それは何だっけ?」と考えないと思い出せない状況になっている。

とは言え、訳せば良いというものでもない。

嘘か本当か知らないが、英語が敵性語とされた戦時中には、ストライクを「良し」、ボールを「ダメ」と言ったのだとか。

まあ、それはある種の笑い話として措くとして、しかし、今ごく当たり前に使われている野球用語が分かりやすいかと言えばそうではない。

僕がおかしいなと思うのは「率」の使い方である。

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Thursday, July 17, 2025

無題

【7月17日 記】 ここまで無事に免れてきてたのに、今頃になって新型コロナウィルスに初めて感染した。

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Monday, July 14, 2025

釧路湿原

【7月14日 記】 釧路湿原に行ってきた。

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Wednesday, July 09, 2025

スージー鈴木のレコード研究室Vol.25

【7月9日 記】 スージー鈴木のレコード研究室 Vol.25 『1975年のはっぴいえんどナイト』に行ってきた。このシリーズに行くのも何回目かな?Img_2892

このイベントはスージー鈴木とチカチカ・バンビーナを進行役に、南青山の BAROOM というミュージック・バーのイベント小ホールで、レコードや CD を聴いたり、場合によっては映像を観たりするイベントである。

── と書いてしまうと何だかつまらなそうだが、スージー鈴木の絶妙のおしゃべりと、企画立案の妙、音源の多彩さ、そして、何よりも会場の音響システムの素晴らしさに支えられたイベントである。

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Sunday, July 06, 2025

『4321』ポール・オースター(書評)

【7月6日 記】 電子書籍の困ったところは一見してその本の分量が分からないことである。本屋で紙の本を手に取れば、その分厚さと質量、そして活字の大きさや行間の広さ、そして改行が多いのか少ないのかというようなところから大体の分量は感覚的に掴める。

しかし、電子書籍にはそもそもページ数というものがない。フォントの大きさやレイアウトは読者がカスタマイズできるので、ページ数を表示する意味がない。そのため「何ページ読んだ」「あと何ページぐらい残っている」という感覚が全く掴めないのである。

ただ、全体の何%読み進んだのかという表示は出る。それだけが頼りである。

僕はいつもは Kindle を開くのは電車に乗っている間だけなのだが、この小説をそういう読み方で読んでいると1日に1% 行くか行かないかだった。

それで、一体どのくらいの分厚い本なんだ?と本屋に行って見つけてみると、これがやたら分厚い。ページ数としてはほぼ 900ページ。しかも、段組である。

そこで初めて、こんな読み方をしていると読み終わるのに1年かかると分かって、途中からは家にいるときも読むようになった。それでも結局3か月近くもかかってしまった。長い長い小説である。

で、読み始めると、これがかなり混乱する内容だ。

アーチー・ファーガソンというユダヤ系アメリカ人の一生を描いた小説なのだが、章が改まるたびになんだか分からなくなる。

まず、時代が戻ったりする。それだけではなく、前の章では書かれていなかったエピソードや事件や人間関係が描かれている。次の章ではまた何年も時代が進んでいたりして、まるで前の章と関係ないみたいにストーリーが展開する。

読み進めば読み進むほど、なんか前に書いてあったこととうまく辻褄が合わなくなってくる。しかし、読み進んでしまうと、もうどの部分とどう辻褄が合わないのかさえ分からなくなる。で、全然バラバラかと言えばそうではなく、前に書いてあったこととごく自然に繋がっているところもある。

(この先、ちょっとネタバレを書いています。僕はこのことを読む前に知っていたかったけれど、何も知らずに読みたいという人もいるでしょう。読むか読まないかは各人の判断に任せます)

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Saturday, July 05, 2025

映画『夏の砂の上』

【7月5日 記】  映画『夏の砂の上』を観てきた。

玉田真也監督は既に映画を何本か撮っているが、元々は劇団の人である。僕は演劇界から転じてきた監督とは割合相性が悪くて(まあ、中にはとても好きな監督もいるにはいるのだが)、ちょっと警戒しながら観に行った。

玉田監督は今回脚本も書いているが、原作の戯曲は松田正隆によるもので、玉田監督の劇団「玉田企画」でも上演してきたらしい。

しかし、それにしてもまだそれほど名の売れていない監督の作品にしては「超」がつくほどの豪華キャストである。オダギリジョー、髙石あかり、松たか子、高橋文哉、満島ひかり ── このうちの誰が主演でもおかしくない(そして皆めちゃくちゃ巧い!)。

加えて、脇に光石研や篠原ゆき子がいて、森山直太朗まで出ている(しかも、かなり重要な役で)。

このキャスティング(とりわけ松と満島)には「共同プロデューサー」に名を連ねているオダギリジョーの力(と言うか、ネームバリュー)もかなり効いたようだ。

作品に惚れたオダギリは自ら共同プロデューサーを買って出たばかりか、編集・MA の作業にも加わったらしい。

冒頭は山上からの街の俯瞰。雨が降っている。カメラが街に降りるとかなりの豪雨であることが分かる。川の水かさが増す。そして、平和祈念像が映って、ここが長崎であることを観客に伝えている。

見始めてすぐに思ったのは一つひとつのカットがとても長いということ。

一つひとつのインサートが長い。次のシーンに行く直前のカットを引っ張る。人が歩いて行くシーンにしても、そんなに長くカメラを回す必要はないんじゃないかと思う。台詞と台詞の間が長い。人が喋っていない間がふんだんにある。

「ゆったりとしたリズム」などと言うよりは、僕なんかはむしろ違和感を覚えてしまった。

そして、長回しをものすごく多用している。シーンの途中でカットが変わるほうが珍しいんじゃないかと思うくらい。

── もちろん全部わざとだろう。それらは僕らがもう既に忘れてしまったリズムなのである。

面白いカメラワークも結構あった。

オダギリと松の会話シーンで、オダギリは声だけが聞こえ、オダギリに怒りをぶつける松のアップがずっと映っているという辺りは別に珍しくもないが、髙石とオダギリのシーンで奥にオダギリのフルショットを配し、手前では髙石の首から下だけ映すという撮り方には驚いた(しかも、ここもワンカットでかなり長い)。

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Friday, July 04, 2025

映画『この夏の星を見る 』

【7月4日 記】  映画『この夏の星を見る』を観てきた。いやあ、これは良かったぞ。

ともに劇場長編映画デビューとなった山元環監督と脚本の森野マッシュのコンビに完全脱帽である。ちなみに山元環は大阪芸大卒、森野マッシュは坂元裕二に師事していたらしい。

何に驚いたかって、まず監督の絵心である。こういう映画を任されるだけのことはあると思った。

何と言っても構図がすばらしい。

例えば五島の堤防の上の段で円華(中野有紗)が天を見上げて寝っ転がって泣いているところに野球部の武藤(和田庵)が走ってくる。やがて武藤は去っていくが、ランニングを終えて今度は堤防の下の段に現れ、上の段に寝てぶらぶらしている膝から下しか見えてない円華に、「まだいたのか?」と話しかけるシーン。

ただでさえ海と空を背景にしたきれいなシーンなんだけれど、ここに堤防の上の段と下の段という変化をつけてくるセンスが秀逸だと思った。

それから、亜紗(桜田ひより)と凛久(水沢林太郎)が望遠鏡の部品を段ボールに詰めるシーンでは、蓋が閉じられてガムテープが貼られるまでを、段ボールの内側からカメラに収め、そのシーンのまま今度はガムテープが剥がされて蓋が開くシーンへと繋がるのだが、そこにいるのは茨城からの荷物を東京で受け取った天音(星乃あんな)と真宙(黒川想矢)の中学生2人だという粋な場面転換。

映画冒頭の、早朝の高校の屋上でお互い同時に星を観察しているのに気づいた新入生の亜紗と凛久が、天文部の入部申し込み会場で再会して、廊下を挟んだまま手を伸ばして握手する辺りは、いかにも芝居がかった演出なのだが、これはこれで良い、これこそが青春の躍動感なんだ!と納得させられた。

スターキャッチ説明会での、生徒たちが星に扮した、あのケレン味たっぷりのプレゼン・シーンでも、同じように若々しい力が漲っていた。

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Wednesday, July 02, 2025

Play Log File on my Walkman #159

【7月2日 記】  5/24 以来のプレイログ披露。

これまではランダムに再生している中から5曲選んで披露してきましたが、今回は新しくダウンロードした曲を順番に聴いたので、それをそのままここに載せておきたいと思います。5曲のうち4曲がアニメや映画の主題歌です。

その結果、このシリーズでは 20世紀の作品が含まれていないというだけでも画期的なのに、今回は全部今年の曲という前代未聞の構成になっています(笑) 

  1. プンスカピン(堺正章 & Rockon Social Club)
  2. I hate this love song(ちゃんみな)
  3. ネオラダイト(9Lana)
  4. Plazma(米津玄師)
  5. サマータイムゴースト(水曜日のカンパネラ)

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Tuesday, July 01, 2025

10スキの人”The Man of 10 Likes”

【7月1日 記】 先日 note に「10スキの人 ”The Man of 10 Likes”」という記事を書いた

のだが、もうまさに笑けるぐらいその状態が続いている。

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