古い時代の古い曲と新しい時代の古い曲
【9月19日 記】 人は年を取ってくるとだんだん新しい曲に対する興味や好奇心がなくなってきて、自分が 20 歳前後に聴いていた曲しか聴かなくなる──という説がある。
その背景を含めてもう少し詳しく書くと、音楽を聞いたときに脳内に快楽物質が最も多く分泌されるのが 12~22歳ごろだなのだそうで、それ故それより後で聞いた音楽からはあまり快感を得られないと言うのである。
そう言われると、「いや、40代で初めて聞いた曲でも 50代から聞き始めた曲でも、いまだにめちゃっくちゃ好きでよく聴く曲がありますよ」などとつい反論したくなるのであるが、しかし、上に書いたようなことを完全否定することはできないのも事実で、つまり、100% ではないにしても、大筋の傾向としてはやっぱりそういうことはあるのである。
で、今日書こうとしているのはそれとは別のことである。
時代や年代とは関係がなく、聞き逃してきた曲というのがある。
いや、実際には完全に聞き逃したわけではなく、そこそこ流行っていたわけだから何度かは聞いているのである。でも、何度か聞いてもその時にはそんなにそそられなかった曲というのがある。
そういう曲が年を経て再び注目されたり再評価されたり再販されたりすると俄に気になってくる。それで何十年ぶりかで聞き直してみるのだが、不思議なことに、大抵の場合、やっぱりそういう曲にはピンと来ないのである。
それが 20歳の頃流行っていた曲でも 40歳の頃売れていた曲でも同じである。
「そうか、あの頃はあまりいい歌だとは思わなかったが、こんな素晴らしい作品だったんだ!」と思うようなことがもう少しありそうな気がするのだが、ほぼないのである。
これは何だろうね?
(終わり)


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