表札と登記簿謄本
【5月8日 記】 幼い頃の僕の家もそうでしたが、昔はみんな、門柱とか玄関の入口の上とかに表札を掲げて、場合によってはその表札に居住者/家族全員の名前が列記されていて、ひょっとしたら郵便受けの上には名前だけではなくて住所まで表示してあって、電話帳には必ず自分の家の番号を登録していたものです。
今、ウチではそれは一切やっていません。マンションの集合郵便受けにも部屋の入口にも何も書いていないし、もちろん電話帳にも載せていません(ま、今では一体誰が電話帳で電話番号を調べるんだろうかという疑問がありますし、番号を載せるべき家電も既に処分してしまって持っておりませんが)。
思えばかつてこれらは「ここは俺の家だぞ!」「俺はここにいるぞ!」と世間に向けて声を挙げるためのものでした。それは「知ってもらうため」「見つけてもらうため」の方策だったのです。
ところが、そんなおおらかだった時代が変容を遂げて、今ではその情報を元に詐欺を働くような輩が出てきました。そんなわけで、みんないろんなことを隠し始めたんですよね。
それで思うのは、今の時代、登記簿謄本のあり方も変えるべきなんじゃないかな、と。
登記簿謄本を当たれば、そこの土地や家屋を誰が所有しているかは簡単に分かります。現にそうやって調べたのでしょう、僕のところにもチラシのポスティングではなく、名指しの郵便物でマンションを売らないか/買わないかと言った勧誘が来ます。中には如何にも怪しげなものもあります。
登記簿というものは元々は「ここは俺の土地だぞ!」と宣言して所有権を明確にするためのものであったのでしょうが、そんなあれやこれやを考えると、むしろあまり公開したくない気もするのです。
そんなものを非公開にすると、土地の売り買いをする人が路頭に迷うんじゃないかと言われるかもしれませんが、今やこれだけコンピュータが発達しネットワークが張り巡らされた時代です。所有者が誰なのかは分からないが、その人に何等かの形で連絡することはできる、というようなシステムを構築することは可能なんじゃないかと思うのです。
あるいは、本当にこの土地や家が自分のものであるという証明書は、所有者であれば簡単に申請して取得することができるようにしておいて、所有者は必要な相手にだけその情報を開示するという形にしておけば何の問題もないのではないかという気がするのですが、如何でしょう?
きっちり調べてじっくり考えてから書いているわけではなくて、全くの思いつきで書いているので、どこかに落とし穴があるかもしれませんが、なんかそんな風に変えられる気がするんですよね。
だって、戸籍謄本がまさにそんな形になっているじゃないですか。
親しい人間や必要な相手に「ここは俺の家だぞ!」「俺はここにいるぞ!」と伝える手段は、今や山のようにあるわけですから。


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