社内試写会『キラー・ヴァージンロード』
【8月31日特記】 社内試写会で映画『キラー・ヴァージンロード』を観た。岸谷五朗初監督作品(脚本も岸谷)。
これはもう完全に上野樹里の映画である。上野樹里ファンのための映画である。決して美人ではなくて、なんかちょっと田舎臭い雰囲気もあるのだが、どっか捨て難く可愛い。そう、この映画における上野樹里のなんとキュートなことか!
共演の木村佳乃のほうが上野樹里の10倍ぐらい美人だが、映画の中で魅力的なのは圧倒的に上野樹里のほうである(まあ、趣味の違いというものがあるので、これはあくまで僕の感じ方でしかないんだけどね)。
そして、この映画はその上野樹里の所属事務所「アミューズ」の先輩である岸谷五朗が、可愛い可愛い後輩のために撮った映画なんだ、という強い印象を受けた。
同じくアミューズの寺脇康文や小出恵介が脇を固め、小倉久寛や小松彩夏がチョイ役で顔を出し、そして上野の少女時代を同じくアミューズの若手・清水くるみが演じている。おまけに主題歌は福山雅治である。
そう、これはアミューズ挙げての上野樹里のプロモーション・ビデオという気がしてならない。岸谷の(先輩としての)上野への愛が溢れた作品だと思う。その愛があまりに強すぎて、上野の正面からのアップを撮りすぎたためにちょっと平板な画作りになってしまったのが残念だ。
コメディである。主人公は沼尻ひろ子(上野樹里)。その名前をもじって小さい頃から「どん尻ビリ子」と揶揄されていた。と言っても、単なる「グズ」というよりも「天然」のイメージのほうが強い。
そのひろ子が結婚式前日に自分の部屋で大家さん(寺脇康文)を事故で死なせてしまう。仕方なく大家さんの死体をスーツケースに入れて逃げ出す──という冒頭からすでに筋運びに無理があるのだが、そんなことお構いなしに、死にたいのに死ねない女・小林(木村佳乃)や、逃げる奴を見ると条件反射的に追ってしまう暴走族(中尾明慶ほか)や警官(田中圭)らが絡んでハチャメチャに展開して行く。
あまり日本人が笑える笑いではないかもしれない。ただ、冒頭のミュージカル仕立てなどはいかにも岸谷のキャリアらしい演出で悪くない。隣室に住む大家(寺脇康文)が実はひろ子のストーカだったという設定もなかなか皮肉が利いててよろしい。
小さい頃からただ一人自分を褒めてくれたおじいちゃん(北村総一朗)に自分の花嫁姿を見せたいというひろ子の健気な思い、という設定も僕は悪くないと思う。
ただ、まあ、全体にまとまりに欠けているのでちょっと飽きてくる部分はあるかもしれない。
結局のところこれは、冒頭に述べたように、上野樹里のファンのための映画に他ならないと思う。上野樹里の魅力は全開だと思う。上野樹里ファンは是非とも観るべきだと太鼓判を押そう。
ただ、上野のファンでない人をどれだけ喜ばせることができたかと言うと、ちょっとしんどかったかもしれない。とかくコメディは難しいのである。
画としては意外にCGや特撮の好きな監督なんだなあと驚いた。


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