とっくに融合
【2月19日特記】 昨日、放送批評懇談会主催のシンポジウム[放送2.0宣言]を聞いてきた。
今ここでその総括記事を書こうという気はなくて、ちょっと引っ掛かったこと1点だけ。
(株)サイバーエージェント コミュニケーションディレクターの須田伸さんのプレゼンテーションのレジュメの中にこんなフレーズがあった。
テレビとネットは、生活者の中ではとっくに「融合」しています。
そう、そうなのだ。須田氏は今回の講演の中で別にこの1点を強調した訳でも何でもなくて、ただ、僕がこのフレーズを見つけて引っ掛かったのである。
いや、それを言うなら逆か? 僕はこのフレーズに引っ掛かりを感じない、つまり抵抗を覚えないのである。
かつてのライブドア(対フジテレビ)や楽天(対TBS)の動き以来、民放関係者、特に民放の経営陣の中には「放送と通信の融合」という表現に過敏に反応し、露骨な拒否感を示す人が多い。
当時、ウチの社長は「連携はしても融合はしない」などとよく言っていて、当時はそれなりに説得力もあったのだが、今ではそんなこと言っているようでは箸にも棒にも掛からなくなってきた。
そう、生活者(最近では消費者と言わずに生活者と言う)の中ではとっくに融合しているのである。──それは僕の実感でもある。だから、最近では僕も社内で「連携なんて中途半端なこと言ってる場合じゃない。しっかり融合しよう」と明言している。
必ずしも企業のレベルで融合しなければならないということではない。コンテンツごとでも充分だ。全体でなくて部分でも良い。ただ、肝心なのは溶け合っていること。
いかにシームレスに繋がっているか──それこそがユーザの利便性なのである。そして、ユーザの利便性に思いを馳せることのない企業は亡びるのみである。
別に通信系の企業と合併しようというのではない。ただ、いつまでも通信を毛嫌いしているのではなく、自ら通信に乗り出す、あるいは通信に橋を架ける、いや、形式はどうでも良い。とにかく通信とシームレスに繋がること──それこそがこれからの放送に求められることではないかと、僕は思うのである。
そして、多分通信の側にも同じことを考えている人がいるはずだ。そういう人たちこそが、我々が繋がるべき人なのだろうと思う。


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