愛します?
【11月10日特記】 昨日会社である企業からプレゼンを受けたのだが、その資料の中にアイドマ理論が出てきて驚いた。僕の記憶では遅くとも90年代半ばには既に「アイドマはもう古い」と言われていたはずだ。
ご存じない方のために書くと、AIDMAの法則というのは商品購入に至るまでの消費者の心理的プロセス・モデルである。
AIDMAモデルではそれぞれのイニシャルが、
- A:Attention(注意)
- I:Interest(興味、関心)
- D:Desire(欲求)
- M:Memory(記憶)
- A:Action(行動)
を表わしており、最初のAが認知段階、IDMが感情段階、最後のAが行動段階である。
つまり、消費者はまず広告などに注意を惹かれ、その商品に興味を持ち、やがてその商品をほしいと思うようになり、商品名を憶えてしまい、遂に購買に至る、という分析で、そのそれぞれの段階においてふさわしい働きかけをしなければ実際の購買には繋がらない、という理論である。一時はマーケティングの世界で一世を風靡したと言えるほどの理論であったはずだ。
ところが時代が進むに連れて、「もうAIDMAの5つの要素では説明しきれない」という考え方のほうが主流になってしまったのである。
それで、その後世の中にAIDMAの亜流/改良型の理論が随分あったはずだよなあ、と思ってネット検索してみたら、まあ、出てくるわ出てくるわで驚いてしまった。
まずはAIDAモデル。
- A:Attention(注意)
- I:Interest(興味、関心)
- D:Desire(欲求)
- A:Action(行動)
あれれ、なんでMが落ちちゃったんでしょう。「憶えてなんかなくたって買うものは買うんだよ」っちゅうことか? この辺りは詳しくない。
それからAIDCAモデル。
- A:Attention(注意)
- I:Interest(興味、関心)
- D:Desire(欲求)
- C:Conviction(確信)
- A:Action(行動)
これは「商品名憶えてようがなかろうが、これだ!と確信しなきゃ買わない」っちゅうことか? よく解らん。
次に出てきたのがAIDASモデル。
- A:Attention(注意)
- I:Interest(興味、関心)
- D:Desire(欲求)
- A:Action(行動)
- S:Satisfaction(満足)
なるほど、買った後使ってみて満足感が得られた時に初めて次の購買に繋がる。1回きりの購買分析を継続購買に拡張しましたね。
で、インターネットの時代になるとそれでは説明しきれない、という理屈で出てきたのがAISASモデル。
- A:Attention(注意)
- I:Interest(興味、関心)
- S:Search(検索)
- A:Action(行動)
- S:Share(情報共有)
出ましたね、検索。そして購買行動の後は商品の評価情報をネット上で共有すると来たもんだ。
それを「宣伝会議」が拡張したのがAISCEAS(アイシーズ)モデル。
- A:Attention(注意)
- I:Interest(興味、関心)
- S:Search(検索)
- C:Comparison(比較)
- E:Examination(検討)
- A:Action(行動)
- S:Share(情報共有)
そりゃあ、ネット検索した後は比較検討するでしょうよ。随分当たり前のこと言ってるような気もするんですが・・・。
するってえと今度はみずほコーポレート銀行が「双方向・リアルタイムのコミュニケーション」を打ち出してAICMAS(アイシマス)理論を発表した。
- A:Attention(注意)
- I:Interest(興味、関心)
- C:Confidence(納得)
- M:Motivation(きっかけ)
- A:Action(行動)
- S:Share(情報共有)
ここまで来ると、もう誰だって何だって考えつきそうな気がする。
Web2.0と同じで、ただネーミングの巧さだけで成り立ってる。アイシマスなんて語呂合わせに走り出すと、もう手がつけられない。結局、だから何だ?って気になってしまう。
そんないい加減な理論ばかり見ていると、ロングテールという概念の卓越性を改めて思い知らされた1日だった。


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