Wednesday, August 02, 2023

下手になったベテラン歌手

【8月2日 記】 若かった頃に大好きだった歌手が年老いて下手になった歌を聴くのは大変辛いものだ。最近それを痛感する。

もちろんそういうことは昔から何度も繰り返されてきたことなのだろうけれど、しかし、自分が小さい頃に聞いた年老いた歌手たちについては、例外なく若い頃を全く知らない人たちだったから、何のショックもなかったのである。

ところが、最近「ああ、この人、なんでこんなに歌が下手になっちゃったのかな」と思うのは、自分が若かった頃のスーパースターだったりスーパーアイドルだったりするわけだ。その落差は如実に痛々しい。具体名を何人か挙げれば大いに納得してもらえると思うのだが、もっと悲しい気分になりそうなのでやっぱりやめておく。

現象としては、まずは声量が落ちる。音程が悪くなる。リズム感がなくなる。張りのあるロングトーンがあんなに気持ちよかった人がどうしてこんな発声になってしまうのか、聴いていてこちらが苦しくなってしまう。

昔からあまり巧くなかった人が年のせいでさらに巧くなくなるのはある程度仕方がない。仕方がないとは言え、昔から低かったレベルがさらに低くなると、もはや聴くに耐えなくなる。その点、抜群に巧かった人は少し下手になってもまだ聴けそうなものだが、しかし、昔巧かっただけにそのギャップは印象を膨張させてしまい、こちらのほうがむしろ痛々しく感じてしまうのである。

どうしてこんなに下手糞になってしまったのにまだ歌うのだろう? もちろん生活のためということもあるだろうが、それにしても自分の実力がどれくらい落ちてしまっているのか、この人たちはちゃんと把握できているのだろうか?と不審に思う。

ひょっとしたら自分では気づいていないのかもしれない。年を取れば耳だって悪くなるだろう。日常生活には支障をきたさなくても、プロの歌手として自分の声をモニターしながら音程を維持するには少なからず影響があるのかもしれない。

あるいは自分でも声が出ないなとうっすら気がついてはいるものの、それが一般聴衆の耳にどんな音で届いているかが正確に把握できていないのかもしれない。自分の想像を超えて実力が減衰してしまっているのである。

あるいは、過去の栄光が、現在のそんな自分を認めさせまいとするのかもしれない。

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Saturday, July 22, 2023

嫌いな◯◯

【7月22日 記】 世間では絶大な人気があるのだけれど、自分にはどこがいいのかよく分からないバンドってありますよね(具体名を書いて物議を醸すのは嫌なので書きませんが)。

単に良さが分かる/分からないじゃなくて、結構人気のある歌手やグループでも、自分は嫌いだから聴かないっていうのもあります。

ねえ、皆さんにもありますよね? 最近ちょっと気になるんですよね。え?あんまりない?

そう、どうも僕は嫌いなものが多いみたいなんです。と言うか、他の人はあまりこの人が嫌いとか言っていない気がするんです。

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Thursday, July 13, 2023

風呂の蓋

【7月13日 記】 僕が幼少の頃、我が家の風呂桶は木製だった。総檜みたいな高いものであったはずはないが、あれは一体何の木だったんだろう?

そして、木の風呂桶には木の蓋が2枚載っていた。Photo_20230713092101

その後、多くの家で浴槽は木製ではなくなり、バスタブと呼ばれるようになった。それに伴って、風呂の蓋も簀子状にくるくると巻き上げられる形のものに変わってきた。

そして今では、多くのマンションで、右の写真のように蓋を壁に掛けられるようになった。これ、何でもないように見えて、実は偉大な発明だと僕は思う。

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Thursday, July 06, 2023

ネット検索をめぐる変化と進化の考察

【7月6日 記】 妻が読みかけで開いたまま置いてあった雑誌のページをたまたま見たら、ネット検索の上手なやり方について書かれた記事が載っていた。

曰く、

単語の羅列ではなく「夫婦でゆっくりできる温泉旅館」のようなフレーズで検索したほうが、求めている記事にヒットしやすい

と。

これは確かに僕も実感としては認識していることではある。だが、明文化された知識としては却々すんなりとそこには到達できないのである。何故なら、インターネットが登場して、漸く検索エンジンというものが開発されて使われ始めた頃に、僕らが教わったのは正反対のことだったからだ。

そのときはこんな風に教えられた:

検索したいフレーズをひとつずつ単語に分けて、スペースで区切って検索ボックスに記入すること。

「夫婦でゆっくりできる温泉旅館」みたいなワードで検索すると、サーチ・エンジンは単語も語順もそれと一言一句同じものを探すので、例えば「◯◯温泉ならどの旅館も広々としていて、ご夫婦2人でゆっくり過ごすことができます」みたいな文章は絶対に引っかかってこないから

と。

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Sunday, June 18, 2023

お薬の間隔についての素朴な疑問

【6月18日 記】 小学生のころからずっと疑問に思っていることがある。── 医者からもらう薬は大体毎食後1回ずつだが、あれは等間隔でなくて大丈夫なのだろうか?という疑問、と言うか、それが心配でならないのである。

仮に朝食が 7:30、昼食が 12:00、夕食が 19:00 だとしたら、朝と昼の間隔が 4時間半、昼と夜の間隔が 7時間、夜と翌朝の間隔が 12時間半である。こんなにアンバランスで良いのだろうか?

もし、朝飲んだ薬が昼までしか効かないのであれば、同じ薬を昼食後に飲むわけだから、それは夕食の 2~3時間前に切れているということだ。

それとも逆に昼飲んだ薬が夕食まで効くとしたら、朝も同じ薬を飲んでいるわけだからお昼から 2~3時間は倍の量の薬が効いていることになる。

よく「薬は用法と用量を守って」などという注意書きがあるが、その通りにやっていたらこんな歪なことになってしまう。それで体は大丈夫なんだろうか?

「いやいや、ウチは朝の 6時にはもうご飯を食べ始めてるよ」とか、「会社の近所の飯屋はすぐに満員になるので、昼食はいつも 12:30 を過ぎてからですよ」とか、「毎日残業だから 20時より前に晩飯なんか食ったことないぜ」とか、人それぞれに食事の時間は違うだろうが、それに合せて時間を前後にずらして計算しても、やっぱり朝と昼の間隔が短く、昼と夜の間隔が長くなってしまう人がほとんどではないだろうか?

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Tuesday, May 30, 2023

はてしないトイレ談義(8) ~All-Gender Restroom For Everyone

【5月30日 記】 トイレについてはこのブログにも随分いろいろと書いてきました。ここまで書き連ねてきたものについては『果てしないトイレ談義』という共通タイトルでひとつにまとめて別立てにしてあります。

そして、また久しぶりのトイレ談義です。多機能トイレってあるじゃないですか。少し前までは多目的トイレという言い方もありました。この名前、どう考えてもとても変ですよね?

多機能(あるいは多目的)って、うんことおしっこと、それから何ができるの?──みたいなことを僕は以前の記事に書いています。いや、分かるんですよ、これは障碍のある人のためのトイレだって。でも、それを多機能とか多目的とかマルチユースとか言うかな?って感じです。

おまけに、トイレの前でよく音声ガイドが流れていて、例えば「向かって右が男子トイレ、左が女子トイレ、左奥が多機能トイレです」などと言っているのですが、これが何度聞いても「左奥が滝のおトイレです」に聞こえてしまいます。流そうとしたら頭から水を被るのではないかと心配になります(笑)

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Friday, May 26, 2023

あいみょんとユーミン

【5月26日 記】 もう何ヶ月も前に facebook で読んだ知人の記事がいつまでも心に引っかかっている。

彼はシンガーソングライターのあいみょんが好きらしいのだが、彼女を褒めるだけでは事足りなかったのか、「ユーミンを超えた!」と書いていたのだ。

そんなこと書くか? というより、その2人を比較するか? ──そこがどうしても僕には理解できない。あいみょんと松任谷由実を並べて論じようとする感性が理解できない。音楽性に共通点が少なすぎやしないか?

あいみょんとユーミンはキダ・タローとモーツァルトぐらい違う、とまでは言わない(キダ・タローとモーツァルトでは天と地ほどの隔たりがあるからこそ、キダ・タローが「浪速のモーツアルト」と自称していることがギャグになるのである)。

そこまでかけ離れているとまでは言わないが、逆に彼にとっては並べて比較したくなるほど近いのか? 僕からすると、そこが根本的に解せない。

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Monday, May 22, 2023

友だち論

【5月22日 記】 みんなそうだと思うのだが、我々は長い人生で、恋愛相手も友だちも随分ととっかえひっかえやってきた。

恋愛の相手に関して言えば、好きになって、そのあとうまく行けば恋人になり(結婚する場合もあるが)、そのあと破局を迎えて、暫くして次の恋をする──という割合同じことの繰り返し(うまく行けばどこかでその繰り返しを阻止できる)だが、友だちのほうはもう少しバリエーションがある。

幼い頃からずっと続いている友だちもいれば、最近できた友だちもいる。前から知ってはいたが全然親しくなかったのに急に親しくなった友だちもいる。あれだけ仲が良かったのに些細なことから仲違いしてしまった友だちもいる。長らくの音信不通ののちに復活する友情もある。

そういうことを考えると、なんとなく幼馴染からずっと続いている友人関係が一番素晴らしい、みたいな印象を持ちがちなのだけれど、最近僕はそれは違うんじゃないかという気がしてきた。

その時の自分や自分をとりまく環境、あるいは時代などに相応しい友だちというのがあったのではないだろうか、と。

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Friday, April 21, 2023

ノーベル賞についてふと思う

【4月21日 記】 昨日、とある大学病院に行ったら、「ノーベル賞受賞、本学名誉教授」と書き添えられた学者の写真が飾ってあった。

本来であれば「あ、この人、この大学の卒業生だったのかな」などと思うところだが、僕が思ったのは「ノーベル賞受賞者にこんな人いたっけ?」ということだった。

僕の少年期にはノーベル賞を受賞した日本人は数人しかいなくて、全員の名前を憶えていたものだ。

僕が高校生のときに佐藤栄作がノーベル平和賞を受賞したのだが、受賞決定が報ぜられた翌日の漢文の授業で教師が憮然として、

湯川博士がノーベル賞を受賞したときには小学校の校長先生が朝礼で誇らしげにそのことについて児童たちに語ったものです。果たして佐藤栄作の受賞はそんな風にみんなが祝うことができるものでしょうか?

と言ったのをよく憶えている。ま、そういうことを言い出すと、果たして川端康成は当時の日本を代表する作家だったのだろうか?とかいろいろなことを思う。

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Tuesday, March 07, 2023

成熟を考える

【3月7日 記】 子供の頃は、大人になったら「自分は一人前だ」みたいな感覚を持って、何に対しても自信を持って事に当たることができるんじゃないか、みたいなイメージでいた。

マディ・ウォーターズが言うところの

Man!
I'm a grown-up man.
No B O, child, Y!

みたいな感じね(笑)

でも、大学に入っても、成人になっても、会社に入った後でも、一向に自分が大人になったとか成熟したという感じは持てなかった。

中年になったら、あるいは世にいうところの管理職になったらそういう感覚が出てくるのかなとも思ったが、いくつになっても自分は未熟で未成熟だという思いしかなく、ついにそのまま老境に達してしまった。

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