Monday, September 11, 2023

二流の小説家と一流の脚本家の組合せ

【9月11日 記】  実名を書いてファンに襲われるのも嫌だから書かないが、ミステリ系の作家の中には、奇想天外な設定やストーリーを考えて読者の目を欺くことに汲々として、肝心の人物がさっぱり描けていない人が時々いる(そんな作品がどうしてベストセラーになったりするのか不思議で仕方がないが)。

しかし、そういう作品を腕の立つ脚本家が脚色すると、びっくりするくらい素晴らしいドラマになることがよくある。原作では描けていなかった人物に、しっかりとした骨組みができ、その骨組みに対応した肉付けができているのである。

原作が書けていないほうが脚本家の自由度が上がり、手腕を発揮しやすいからなのかなと思う。

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Thursday, September 07, 2023

coco サービス終了

【9月7日 記】 coco というページがある。twitter でつぶやいた映画のレビューや感想を拾ってまとめてくれるサイトだ。

一応まだ見られるので、僕がやっていたマイページの URL を書いておく(そのうちに見られなくなると思うが):

https://coco.to/author/honane

多分イーロン・マスクが twitter の API の無料提供を突然やめてしまったことが原因なのだろうが、このサイトは4月以降全く更新しなくなった。で、その後はほとんどこのサイトを見ていなかったのだが、今日【cocoをご利用のみなさまへ】という告知が掲載されていることに初めて気づいた。

2023年6月30日(金)をもちまして「coco」のレビュー投稿サービスを終了いたしました。サービス終了に伴い、お客様が投稿されたレビューデータを一括でダウンロードできる機能を提供させていただきます。ダウンロード可能項目は作品名、レビューデータとなります。

ああ、正式に終わってたのね。淋しい限りである。

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Friday, August 25, 2023

【note】 僕が悩む Pokémon GO と陰陽五行、アリストテレス、『マイ・エレメント』

【8月25日 貼】 久しぶりに手抜きをして note に上げた記事を貼っておきます。

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Monday, June 19, 2023

富田望生

【6月19日 記】 富田望生という女優がいる。名前はミウと読む。2000年2月25日生まれ、まだ 23歳だ。

僕が初めて彼女を見たのは映画『ソロモンの偽証』(宮部みゆき原作、成島出監督、2015年)だったが、これがデビュー作とは知らなかった。

ある雪深い朝、主人公の藤野涼子(藤野涼子──彼女もこれがデビュー作で役名をそのまま芸名にした)が同級生の柏木が校舎脇の雪の中で死んでいるのを発見する。それは事故ではなく不良の大出(清水尋也)が殺したのだという嘘の告発状を送ったのが三宅樹里(石井杏奈)と浅井松子で、この松子を演じたのが富田望生だった。

可愛いけれどニキビに悩む樹里や優等生で裕福な家庭の娘である涼子とは違って、松子は極めて庶民的な家庭に育ったちょっと太めの、コンプレックスいっぱいで友だちの少ない女の子である。その役柄は結構強烈だったので印象に残っている。

ちなみに同じ小説が今度は WOWOW で 2021年にドラマ化されたが、ここでも富田望生が同じ松子役を演じたので、その印象はますます強くなった。ちなみにこの時の藤野涼子役は上白石萌歌、三宅樹里役は山本舞香だった。

僕は映画版で富田望生を初めて見た時に、印象は強かったがあくまでこういう特殊な役柄を演じただけであって、そのうちに消えてしまうだろうと思った。

ところがその後、彼女はちょっと太めの女の子役で、次々と映画やテレビに出始めたのである。考えてみればクラスに(あるいは近所に)ひとりぐらいはこういう太めで気立てが良くてちょっとトロい感じの女の子はいるもので、そういう役柄では他に人材がいなかったこともあって引っ張りだこになったと言える。

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Wednesday, June 14, 2023

テレビとネットの統合広告指標と「考える社員」

【6月14日 記】 テレビCM とインターネット広告の統合指標を作る必要があるというような記事を読むと果たしてそうだろうかと思う。

確かにテレビは遅れてきた。世帯視聴率という“目の粗い”単一の指標でいつまでも押しすぎた感が強い。それはひとえに「面倒くさいことはしたくない」という怠惰な思いと「このままでも大丈夫」という勘違いと奢りの裏返しだったと思う。

しかし、それではダメだと漸く気づいて、テレビも遅まきながらデータの拡充を図ってきた。それでインターネット広告にほんの少しだけ近づいたのは確かだ。でも、その2つは統合できるのだろうか?

近年は何かにつけて「万能の解」を求める人が増えているという。僕の周りでも「これだけ読んでおけば良いというオススメの本は?」とか「とにかくこれだけ覚えておけば大丈夫というコツを教えてほしい」みたいなことを言う人が増えていて困っている、というような話を時々聞く。

だが、人生に万能の解などあるはずがない。万能の解を求めるのが人生の目的なのではなく、次から次へと襲いかかってくる多種多様な問題を倦むことなく順に解き続けるのが人生の旅なのだ。

僕らの若い頃だと、一番偉いのは万能の解を知っている奴ではなく(もとよりそんな人はいなかったわけだが)、どんな予想外の事態に面しても個別にちゃんと対処できる人物だった。

もし、インターネットとテレビの統合指標ができれば、マーケターはそりゃあ楽になるだろう。共通のベース上で数字を見比べて、「こっちのほうが高いからこっち」と単純に決めればそれで済むからである。

でも、本当にそれで良いのだろうか? そもそもインターネット広告とテレビCM では広告の質も効果も大いに違うはずである。それぞれの媒体にそれぞれの特性が存在するはずである。それを単純に並べて比較することは、果たして広告(の効果)というものをしっかり把握する助けになるんだろうか?

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Saturday, March 18, 2023

【note】 あなたが泣いた映画は何ですか?

【3月18日 貼】 久しぶりにまた note に上げた記事を貼っておきます。

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Sunday, March 05, 2023

映画の邦題を考える

【3月5日 記】 昨日も少し書きましたが、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』というタイトルはちょっとないよな、と思うのです。

もちろん映画の邦題というものは、どういうタイトルにしたらその映画が当たるかを考えて付けるものだから、そういう観点からはこの邦題が良いと判断したのかもしれません。でも、だからと言って翻訳の努力を放棄しないでよ、と思うのです。

こういう傾向は 20年以上前からあって、当時自分のホームページ(現在は閉鎖)にも書いたのですが、例えば『リバー・ランズ・スルー・イット』(1992年)とか『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002年)とか、原題をカタカナに置き換えただけのものが前世紀の終わりごろから急に横行し始めたのです。

いくら日本人に英語が浸透してきたと言っても、あまりに手抜きじゃないでしょうか? そして、カタカナにすると長すぎやしませんか?

英語の EVERY THING EVERY TIME ALL AT ONCE であれば9音節ですが、日本語カタカナの『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』になると 21音節にもなってしまいます。邦題としてはいくらなんでも長すぎると思うのです。

「いやいや、だから『エブエブ』という略称を前面に出して宣伝を展開していて、その言い方は結構浸透してるし」などと配給会社は言うのでしょうね。はい、配給会社が何も考えていないと言う気はありません。ただ、翻訳するという作業を諦めないでほしいのです。

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Friday, February 17, 2023

【note】テレビが何故こんなに力を失ったかを考える

【2月17日 貼】 あちこちにいろんなこと書いていて、すっかりこのブログのことを忘れていました(笑)

とりあえず、note に上げた記事を貼っておきます。

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Tuesday, January 31, 2023

さん付け記事の定着

【1月31日 記】 雑誌やウェブサイトが映画や番組の紹介記事を書くときに出演者をさん付けにするのが一般的になって来ました。僕はこれが気持ち悪くて仕方がないのです。

あちこちに何度かそんなことを書いていたら、昨日 twitter にこんなリプをしてくれた人がいます:

昔呼び捨てが基本だったのは、出演者側が視聴者に対してへりくだるという意味合いがあってのことでした。

ゆえにこの現象、謙譲の意味がわからない(どの立ち位置であろうが敬称を付ける=立ち位置の関係性すらわからない)人が増えた、そういう世の中になってきているのかなと感じます。

まさにそういうことだと思います。

先日も note に「翻訳というものは時々間違っていることがある」と書いたら、「翻訳家が間違っていると非難するのではなく、相手の立場になって考えたほうがいい」というリプがつきました。これも根っこは同じような気がします。

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Friday, January 13, 2023

ジャニーズ事務所歴代アイドル・グループ・メンバー名ゲーム

【1月13日 記】 あなたはジャニーズ事務所の歴代スーパー・アイドル・グループのメンバーをどれだけ、どの時代まで言えますか?あるいは、名前は思い出せなくても、この人はこのグループのメンバーだと識別できますか?

──これは今となっては完全に高齢者向けのゲームですが、僕はこのゲームを 20代の後半からやってきました。

僕らはジャニーズ事務所ができた頃にはすでにテレビを観ていたので、ジャニーズ、フォーリーブスの時代から知っています。ただ、ジャニーズの頃はまだ小さかったので、飯野おさみと青井輝彦(のちのあおい輝彦)しか憶えていません。

フォーリーブスの4人は当然4人ともフルネームで言えましたし、今も言えます。

そのあと郷ひろみや豊川誕らソロのトップ・アイドルが続きましたが、80年代に入ってまず“たのきんトリオ”が順にデビューします(ただし、これは後付けの愛称であってグループ名ではないですね)。そして、そのあとがシブがき隊、少年隊、男闘呼組と続きます。

僕らはこの頃からこのゲームを始めていました。僕の個人的な経験としては男闘呼組までは全員の名前をすんなり言えたのですが、80年代後半になって光GENJI が出てくると、メンバーが多すぎて7人全員の名前を憶えきることはできませんでした(名前や写真を見たら「あ、そうそう、こいつ」と思うんですけどね)。

でも、その少し前に、会社の同期に「シブがき隊のメンバーを全員言える?」と訊いたら「シブガキタイって何?」と言われて、ああ、20代男性でもすでにこういう人はいるのか!と驚いたのでした。

そう言えば高校時代、郷ひろみの全盛期に郷ひろみを知らなかった同級生がいたのを思い出しました。わりとガリ勉っぽいイメージの男子だったのですが、「え、郷ひろみ知らんの?」「テレビ見ぃひんの?」などと周りからワーワー言われて、彼は「そんなもん知らなくて何が悪い」と開き直るのではなく、顔を真っ赤にして恥ずかしがっていたのをよく憶えています。

そう言えばもうひとり同じような奴がクラスにいたのを思い出しました。同級生2人が天地真理が可愛いか可愛くないかをめぐって激論しているところを通りがかって、そのうちの1人から「なあ、天地真理可愛いよな?」と訊かれ、彼は「え、何組の子?」と訊き返したのでした(笑)

でも、そんなもん知らなくても何の問題もありません。はい、知らなくても立派に生きて行けます。ただ、僕が驚いたのは、放送局に勤めていてシブがき隊を知らない 20代男性がいるという事実でした。

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