Thursday, May 27, 2021

恋以外の歌

【5月27日 記】 大雑把に言って平成以降、ヒット曲に占める恋の歌の割合がかなり高くなってきたように思う。Recordplayer1149385_640

『万葉集』や『百人一首』を引き合いに出すまでもなく、大昔から恋が歌にうたわれてきたのは事実だ。1962年の畠山みどりのヒット曲にも『恋は神代の昔から』というのがあるくらいである(笑)

恋は多くの人が経験するものだし、精神的な高揚感が非常に高い経験だから、自然と歌になるのは分かる。

特に聴いている人たちは、「君が好きだ 君は可愛い もう君のことしか考えられない」などと歌われると、自分がそう言われているような気になって酔うのだろう(男女が逆の場合も然り)。

でも、そればかりというのもどうだろうとも思う。

僕は同じ恋の歌であっても、ただただ「好きだ好きだ」あるいは逆に「こんなに愛しているのに私を棄てるのね」みたいな歌ではなく、例えば、「あんなに好きだった僕の気持ちが離れて行く」ことの切なさを歌うような歌が好きだ。

──これはオフコースの『秋の気配』(1977年、詞・曲:小田和正)を念頭に置いて書いた。

あるいは、詩人の血の『きれいだネ』(1990年、詞:辻睦詞/曲:渡辺善太郎)みたいに、「君は喋らなきゃきれいだね」と、揶揄してるのかと思ったら、「君の髪も好き、足も好き でも、馬鹿」というえげつない一節で終わる歌も大好きだ。

つまり、僕はパタン化を嫌い、パタン化を外れた歌を好むのかもしれない。そういう意味でも巷に恋の歌ばかりが溢れるのは面白くないのである。

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Tuesday, September 15, 2020

Angelheaded Hipster

【9月15日 記】 最近は音楽CD をめったに買わなくなったし、買ってもここに記事を上げたりすることも少なくなったが、久しぶりに上げてみる。

今日届いたばかりの CD。今まさに聴きながら書いている。

Angelheaded Hipster: The Songs Of Marc Bolan & T. Rex (Various Artist)

所謂トリビュート・アルバムである。2枚組26曲入り。トリビュートの対象は、タイトルにあるように T.Rex、あるいはマーク・ボランである。

T.Rex は僕が人生で最初に熱狂したアーティストだった。グラム・ロックの旗手として彼らが華々しくデビューした時、僕は中学生だった。

僕が T.Rex が好きだと言うと、ロック好きのクラスメイトは「あんなギターは二流、三流どころか五流や」と馬鹿にした。

確かに、ハードロックのリード・ギタリストと比べると動きの少ないプレイだ(笑) でも、あの少ない音で豊かなサウンドを構成して行く能力はすごいと僕は思っていた。もちろんトニー・ヴィスコンティの技量に負うところも多かったのだけれど。

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Tuesday, December 25, 2018

『昭和元禄落語心中』

【12月25日 記】 評判になって賞もいくつか獲ったらしい原作漫画のことは例によって何も知らずに、最初は MBS のアニメイズム枠でアニメになった第1期13話と第2期“助六再び編”12話を観て、物語の中心を貫く深い思想性に惹き込まれた。

画の素晴らしさもある。そして、稀代の名人とも言える八雲と助六という2人の落語家の対照の妙。それぞれの名跡の2代(あるいは3代)にわたる因縁めいた展開。恋と友情、孤独、そして落語への偏愛。その研ぎ澄まされた、完成度高く構築された物語世界に圧倒され、舌を巻いた。

そして、それを NHK が全10回のテレビドラマにした。録画したままかなり遅れて少しずつ観ていたのだが、この3連休でやっと最後まで追いつき、やっぱりこの見事な物語空間に取り込まれて何とも言えぬ感動に包まれた。

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Wednesday, November 21, 2018

元号の理屈

【11月21日 記】 僕は元号をできるだけ使わずに西暦で書くようにしている。

別にイデオロギー的な反発があるわけでもなかったのだが、元号が法制化されたときの理屈づけにカチンと来たからである。

あのとき政府は元号を法制化するに際して、日本人の87.5%だか何だかが元号を使用しているという事実を根拠にした。──それはおかしな話である。もしも既に国民生活に充分浸透していると言うのであれば何ら法制化する必要などないはずではないか。

現状の利用率が何%であったにせよ、政府としてはそれに満足できず、もっと強制力を以て元号を浸透させたいからこそ法律を作るのである。

僕はその欺瞞的な論理を耳にして怒り心頭に発した。だから、それ以降、できるだけ元号は使わないようにしている。

とは言っても、自分の生活から元号を排除しようというほどのものではない。単に自分からはあまり元号を使わないようにしているという程度のものだ。でも、結局そのほうが、元号が2つにまたがったときの計算がやりやすいということもある。

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Monday, September 03, 2018

日本ポップス史をめぐる“家宝”

【9月3日 記】 全284ページにぎっしりコンテンツが詰め込まれた『昭和歌謡職業作曲家ガイド』を、1字たりとも読み飛ばさず、一日で一気に読んでしまった。

別に昭和歌謡が好きだというわけではない。つまり、明治・大正の音楽はどれも好きになれないとか、平成の音楽には悉くついて行けないとか、そんな風に昭和と他の時代の音楽を切り分ける気は全くない。

ただ、僕の青春期がすっぽりと昭和という時代に収まっているというだけのことだ。青春とは何歳までを言うのか知らないが、一番音楽を聴いていた、結婚する少し前までの時期がすっぽり昭和に嵌っているというだけのこと。

そして、それがたまたま広い意味での歌謡曲の黄金期でもあったというだけのこと。

つまり、僕は昭和に興味があるわけではなく、日本のポップスの変遷に興味があるのである。一時ホームページのほうにも掲載していたが、僕の卒論のタイトルは『ニュー・ミュージックの新展開』である。

今回買ったこの本は、そんな流れの中で、僕にとっての“家宝”となった。

さて、以下に今までに手に入れた“家宝”を並べてみる。まずは書籍(一部の雑誌の特集号などを含む。単体の楽譜は除く)。

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Thursday, April 26, 2018

進歩の担い手

【4月25日 記】 今夜出席した某セミナーで僕が一番感銘を受けたのは、登壇者の日大藝術学部・木村学部長が紹介した英国の劇作家ジョージ・バーナード・ショーの言葉。

格言・名言として世界的に有名なフレーズらしいのですが、僕は初めて聞きました。

理性的な人間は自分自身を世界に適応させる。非理性的な人間は世界を自分自身に適応させようと固執する。それゆえに、すべての進歩は非理性的な人間のおかげである。

原文では、

The reasonable man adapts himself to the world; the unreasonable one persists in trying to adapt the world to himself. Therefore all progress depends on the unreasonable man.

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Tuesday, April 10, 2018

読書を巡るあれこれ

【4月10日 記】 近年、本を読む量がめっきり減った。読書のスピードが落ちたのではない。読む時間が減ったから読む量が減ったという当たり前の現象である。

僕はもう何年も通勤電車の中でしか本を読まない(本と言っても基本は Kindle なのだが)。それも帰りの電車だけである。行きは新聞を読んでいる(新聞と言っても電子版なのだが)。

で、今の家に変わってから電車に乗っている時間が短くなった。読める時間は1日約20分である。

とは言え、今までに住んでいた家と比べて激減したわけではないし、今の家に変わってから一気に読む量が減ったわけでもない。読もうと思えば他で読む時間を作れないわけでもないわけだし。

でも、他人事みたいに言うと、要するに読むがなくなったのだな、とも思う。でも、全く読まなくなったわけではなく、読むという行為は不断に続けているので、結局のところ読みたい本が減ったのかな、とも思う。

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Thursday, April 05, 2018

名にし負はば

【4月5日 記】 妻が長命寺の桜餅を買ってきたのだが、その包の中にあった解説を読んでいてはたと気づいた。

そうか、言問橋、業平橋という名前を何度も聞きながら、僕の頭の中では今の今まで「名にし負はばいざこと問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと」という歌と、作者である「在原業平」という名前に結びついていなかったのだ。

これは古典文学の中でも僕が大好きな『伊勢物語』に出てくる歌で、もちろん歌も暗記しているし話の内容も憶えている。それでも「言問」が「いざ言問はむ」と結びつかなかった。痛恨の極みである。

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Monday, November 13, 2017

実話とドラマ

【11月13日特記】 僕は実話に基づくドラマというものにあまり心惹かれることはない。もうちょっと丁寧に言うと、実話が嫌いなのじゃなくて、実話であることを売りにしている作品に反感を覚えるのである。

そもそも実話に基づくと言っても、小説やドラマにしようとした瞬間に、すでにそれは実話ではないのである。

──なんてことを言い出すと、そもそも実話とは何か、事実とは何かという宗教論争みたいなややこしい世界に入ってしまうのであんまり深入りする気はないのだが、とは言え、今見せられているドラマが 100%の事実そのものであるはずがない、ということには誰もが納得するのではないだろうか?

確固たる実話というものがあるとすれば、それは誰も反論できない要約の形でしかないのではないだろうか?

例えば、その時の機長の判断が100人の乗客の命を救った、とか、わずかな水と食糧だけで1ヶ月間生き抜いた、とか。

それをドラマらしく肉付けしようとすると、どうしても必ずしも事実であったかどうか定かでない描写を付け加えることになる。それが歴史小説や実録ドラマであった場合、下手すると読者や観客が一番感動した台詞が実は作者の創作であったりするのである。

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Thursday, May 11, 2017

UDP経営

【5月11日特記】 今日、Akamai のセミナーを聴講していて面白いなと思ったのは、UDP というプロトコルを改良してパケットを漏れなく伝送できるようにしたのが TCP ではなく、TCP のほうが先で、それを改良したのが UDP だという話。

それを聞いていて、

白河の清きに魚も住みかねて もとの濁りの田沼恋しき

という狂歌を思い出した。それはちょっと違うと言われるかな(笑)

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