Tuesday, July 23, 2024

サブスクリプションに思う

【7月23日 記】  有料コンテンツが次第に増えている気がする。

例えば note なんかでも、最初は無料記事を書いていた人が、読者が増えてくると有料に変えたりすることもある。そして、その多くはバラ売りではなくサブスクリプションである。

「1本100円くらいだったら出してくれるだろう。月額500円くらいならそんなに負担にはならないだろう。だったら有料にしても良いかな」みたいに謙虚に考えて始める人もいるだろう(もちろん、不遜にも「俺様ぐらいになると、ほんとはもっと払ってもらって当然だ」と思ってやっている人もいるのだろうが)。

確かに、1本1本は大した額ではない。しかし、前にどこかに書いたかもしれないが、収入の乏しい年寄りになってしまうと、「毎月定額いくら」というのは却々きついのである。もし来年死んでしまうのであれば余裕で払えるのだが、100歳まで生きるかもしれないと考えると途端に心細くなる。

一月500円でも仮に合計5つのサブスクリプションに支払うと一月2,500円、年間3万円である。もしも一月1,000円なら6万円だ。これを 30年続けると 180万円になる。

大した額じゃないじゃないかと思われるかも知れないが、読みたいなと思うコンテンツは軽く 10 を超えている。だから、やっぱり厳選しないと危ないのである。収入が乏しいだけに払い続けることには不安感が伴うのである。

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Friday, March 22, 2024

【note】オープン・エンディングを糾弾するよりも大切なこと

【3月22日 貼】 久しぶりに note の記事を貼り付けておきます。

note には週1以上のペースで書いているので、その記事へのリンクをいちいちここに載せているわけではありません。

かと言って、note に書いた記事を厳選しているわけでもなくて、たまに思い出したらここにもリンクを張る程度です。

もしも気が向いてお読みいただいた節には、いや、お読みいただいてお気に召した場合は、非会員でも♡は押せますので、よろしくお願いいたします。

今回は映画のエンディングについての note です:

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Wednesday, January 31, 2024

三宅香帆の記憶力

【1月31日 記】 最近僕は三宅香帆のことばかり書いているが、また彼女の記事を読んで感心してしまった。

先日読んだのは note で『ゴールデンカムイ』(原作漫画と実写映画)を夏目漱石の『こころ』と対比して、いずれも「生き残った者の罪悪感を描いた物語」であると総括した記事(有料)である。

この読解力、分析力はすごいと思う。

その読み込む力をすごいと思うのも確かだが、しかし、僕にはできないなと思う一番の理由は、度々書いているように、僕は読んだもの、観たものをいつまでもはっきりと憶えていないということだ。

『ゴールデンカムイ』はさすがに映画を見た直後だからまだいろんなことを思い出せるが、例えば『こころ』となると(僕は少なくとも2回読んでいるはずだが)非常に心許ない。

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Monday, December 18, 2023

批評の時代から、考察の時代へ

【12月18日 記】  最近、三宅香帆の書いたものをよく読んでいて、それで僕のブログや note にもよく彼女の名前が出てくるのだが、さっき読んだ彼女の note (有料)は「批評の時代から、考察の時代へ」という内容だった。

どういう違いかと言うと、

考察 → 作者が提示する謎を解くこと

批評 → 作者も把握していない謎を解くこと

で、最近は考察的な文章のほうが人気があると言うのだ。

彼女は書いている:

なぜなら正解かどうかわからない解釈なんて、知っても面白くないからだ。製作者(※ママ)が忍ばせた、ひそかな真実を知ることが、考察の楽しみ方なのだろう。

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Sunday, November 19, 2023

三宅香帆と映画『ゴジラ -1.0』の追々々記

【11月19日 記】  このところ僕のブログと note は、三宅香帆の記事と映画『ゴジラ -1.0』の記事が非常に多くなっているのだが、三宅香帆が映画『ゴジラ -1.0』について note に書いた記事を読んでこの2つが繋がってしまい、また書かざるを得ない気分になった。

この三宅香帆の分析がまたしても見事なのである。

有料記事なのであまり内容を書きすぎてもいけないのだが、彼女は「戦後」がファンタジーの舞台になってしまっていると指摘しているのである。同じような例として、福原遥が扮した女子高生が戦時中にタイムスリップして特攻隊員と恋をする映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』を挙げている。

「ファンタジーとして機能している」とはどういうことかと言えば、第二次世界大戦が遠い昔の歴史物語として扱われているということだ。

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Saturday, September 30, 2023

人物が描けない作家

【9月30日 記】  後には大作家と呼ばれる人でもデビュー時には結構酷評されていたりするものだ。

例えば、もうあまりはっきりした記憶はないのだが、村上龍が『限りなく透明に近いブルー』で芥川賞の受賞が決まった際には、確か怒って選考委員を辞めた人がいたのではなかったか。

もっともっと前の石原慎太郎のときも確か同じような物議を醸したはずだ。

今日は緒真坂さんという人の講演を聴きに行ったのだが、その中で、後の大作家が直木賞を受賞した際、あるいは受賞を逃した際の審査員の講評をいくつか紹介していて面白かった。

結構多くの作家が先輩の作家である選考委員にボロカスに言われているのである。

例えば源氏鶏太あたりが「大変面白かったが、直木賞の品格には値しない」みたいなことを言っているのは、直木賞というものを何だかものすごく身勝手に解釈しているような感じがあって見苦しい気もするのだが、でも、いろんな選考委員の酷評ぶりを聞くと、まあ、何が言いたいのか分からんでもないという面もある。

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Monday, September 11, 2023

二流の小説家と一流の脚本家の組合せ

【9月11日 記】  実名を書いてファンに襲われるのも嫌だから書かないが、ミステリ系の作家の中には、奇想天外な設定やストーリーを考えて読者の目を欺くことに汲々として、肝心の人物がさっぱり描けていない人が時々いる(そんな作品がどうしてベストセラーになったりするのか不思議で仕方がないが)。

しかし、そういう作品を腕の立つ脚本家が脚色すると、びっくりするくらい素晴らしいドラマになることがよくある。原作では描けていなかった人物に、しっかりとした骨組みができ、その骨組みに対応した肉付けができているのである。

原作が書けていないほうが脚本家の自由度が上がり、手腕を発揮しやすいからなのかなと思う。

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Friday, August 25, 2023

【note】 僕が悩む Pokémon GO と陰陽五行、アリストテレス、『マイ・エレメント』

【8月25日 貼】 久しぶりに手抜きをして note に上げた記事を貼っておきます。

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Sunday, May 07, 2023

私の本棚

【5月7日 記】 かつてやっていた個人ホームページ wise word web はもう閉じてしまったので、今ではネット上のどこにも存在しないのだが、かつてそこに連載していた本のコラムに、僕は

他人の本棚やCDラックを見るのはとても楽しい。
その人の嗜好や人格のルーツを覗き見たような気になってしまう。

と書いた。それは他人の本棚やCDラックだけではなく、自分の棚やラックでも同じである。そこにあるのはあの頃の自分なのだ。

ところが僕はある時期から本はできるだけ電子書籍で読むようにして、かさばる紙の本をどんどん処分し始めた(ほとんどは book off などに売った)。だから、「あの頃の僕」を知る材料はほとんどなくなってしまったのである。

しかし、気づいたことがある。本を処分したと言っても全部を捨てたわけではない。そこには残した本もあるのである。

たとえば僕はクレイグ・ライスの本は全部残してある。それは、彼女の著作を得るのは、紙であれ電子であれ、今後容易ではないだろうと踏んでいるからだ。

たとえば僕は、何度か書いているように、村上春樹のファンで、彼の長編は全部読んでいる。短編集も結構読んだ。そして、彼の本は売れているので、今後紙であれ電子であれ、もう一度手に入れることは容易だろう。だから、その多くを気軽に処分した気がする。

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Thursday, January 05, 2023

人生初歌舞伎-追記

【1月5日 追記】 昨日生まれて初めて歌舞伎を見に歌舞伎座に行って、気づいたことをいくつか。

ひとつめは、初めて観る人に対して親切だな、ということ。

ホームページの記事でも歌舞伎座内のアナウンスや掲示でもいろいろなことを教えてくれています。

普段の服装で見に来て構わないとか、座席で食事をしても良いが黙って食べろとか(笑)

確かに僕も最初は、せめてブレザーぐらいは着て行かなければならないかな、と考えたくらいです(結局はセーター着て行きましたが)。冷静に考えたら、晴れ着や正装でないと見せてくれないなんてはずはないのですが、歌舞伎というと何となくそんなイメージがありました。

それから席で食事して良いのかどうか、持ち込みはアリなのかどうか、今回の公演がちょうどお昼時にかかる時間帯だったので、これはかなり心配しました。でも、ちゃんと事前に教えてくれました。

みんなフツーに食べてますね。ま、どうやら幕間に食べるのが礼儀で、公演の最中に弁当食ってる人はいませんでしたが(そこまでは教えてくれませんでしたw)。

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