Sunday, September 08, 2024

力の指輪と残り時間

【9月8日 記】  配信が再開したので『力の指輪』の season 2 を見始めたのだが、聞けば Amazon のこのシリーズは season 5 まであるとのことだ。そうなると、「生きている間に最後まで見られるかな?」という問題が出てくる。

若い人には実感がないだろうが、年を取るに従ってそんなことが頭にちらつくようになる。

2020年の(実際には 2021年になったが)東京オリンピックの開催が決まったとき、「その頃にはまだ元気で生きているだろうから、1種目でも良いから競技場で見たいな」と思った(が、実際は見られなかった)。

2025年の大阪万博を見たいとは別に思わないが、あれが決まったときも「多分まだ生きているな」と思った。

しかし、このドラマの season 5 までの全episodes が完結するまでとなると、何年かかるのか?

そもそも season 1 と 2 のインターバルが 2年近くあったではないか。season 5 までなら 10年かかってもちっともおかしくないし、途中で何か障害があったりするともっと時間を要する可能性もある。

そして、原作の長さを考えると、時代を行ったり来たりして、もっと多くの seasons が企画されるかもしれない。

そもそもこの『力の指輪』の後日譚である映画版の『ロード・オブ・ザ・リング』が最初に映画館で上映されたのが 2001年、3部作全てが上映されるまでに要した期間が約2年、その後、その前日譚である『ホビット』3部作がその約10年後にやはり約2年かけて上映されている。

なんという大作か! そしてなんという長い物語か!

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Friday, September 06, 2024

本を売る #11

【9月6日 記】 7年2か月1週間ぶりに蔵書を売った。前回はイーブックオフだったが、今回はネットオフに戻った。

今は可能な限り Kindle で読むようにしているので、紙の本は増えていない。従って今回売ったのもわずかに 23冊である。

合計で 1,000円ぐらいにはなるかなと思ったのだが甘かった。たった 895円、それもキャンペーンによる増額 275円を含めての金額である。

23冊のうち値段がついたのが 15冊で合計 612円、平均 40.8円。残り 8冊は例によって資源ごみ扱いで 1冊 1円。23冊トータルとしての平均は 38.9円となり、それでも 2015年以降では3番目の高値である。

生涯トータルでは 775冊で 29,335円、平均 37.9円+Amazonポイント 500円分。値段のついた冊数だけで割ると平均 54.8円、Amazonポイント込みで計算すると 55.8円。

まあ、こんなものなのかな。

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Tuesday, July 23, 2024

サブスクリプションに思う

【7月23日 記】  有料コンテンツが次第に増えている気がする。

例えば note なんかでも、最初は無料記事を書いていた人が、読者が増えてくると有料に変えたりすることもある。そして、その多くはバラ売りではなくサブスクリプションである。

「1本100円くらいだったら出してくれるだろう。月額500円くらいならそんなに負担にはならないだろう。だったら有料にしても良いかな」みたいに謙虚に考えて始める人もいるだろう(もちろん、不遜にも「俺様ぐらいになると、ほんとはもっと払ってもらって当然だ」と思ってやっている人もいるのだろうが)。

確かに、1本1本は大した額ではない。しかし、前にどこかに書いたかもしれないが、収入の乏しい年寄りになってしまうと、「毎月定額いくら」というのは却々きついのである。もし来年死んでしまうのであれば余裕で払えるのだが、100歳まで生きるかもしれないと考えると途端に心細くなる。

一月500円でも仮に合計5つのサブスクリプションに支払うと一月2,500円、年間3万円である。もしも一月1,000円なら6万円だ。これを 30年続けると 180万円になる。

大した額じゃないじゃないかと思われるかも知れないが、読みたいなと思うコンテンツは軽く 10 を超えている。だから、やっぱり厳選しないと危ないのである。収入が乏しいだけに払い続けることには不安感が伴うのである。

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Wednesday, June 26, 2024

『ザ・ビートルズ 全曲バイブル 公式録音全213曲完全ガイド』大人のロック!編(読んでいないので書評ではない)

【6月26日 記】 自分の経験ではまず滅多にないことなのだが、この本を買ったのは失敗だった。まるで読む気にならない。

7,150円もした。もったいないことをしてしまった。

買った本を読まずに放っておくということも、僕の場合はまずないことなのだが、この本はそうならざるを得ない。と言うか、読まずに捨てるか売るかする。

この本、ほとんどが録音の解説なのである。どんな機材をどんな風に繋いでどんな録音をしたか。あとはミックスのバージョンによる違いなど。

「楽曲解説」に書かれているのは、誰がいつどこで作曲したかとか、いつ発売されたかとか、ちょっとした裏話とかで、「サウンド解説」に書かれているのは楽器や録音機材の構成の話がほとんどである。

何より、楽譜もコード譜も全く出てこない。波形のグラフなどはふんだんに出てくるのに。

こんなのが好きな人もひょっとしたらいるのかもしれないけれど、僕はげっそり。こういうのが「大人のロック!」なのか?

この本は大失敗。

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Monday, April 29, 2024

久しぶりのアフィリエイト収入

【4月29日 記】 アフィリエイトという手法がもう流行らなくなっているということと、僕のサイトに魅力がないということの恐らく両方なのだろうが、最近 Amazon アフィリエイトでのコミッション収入がほとんどゼロである。いや、収入どころか、ほとんどクリックされていない。

Amazon から最後の支払いを受けたのは2年前の今日、597円であった。

それが、今日届いたレポートによると、今年2月に久々のコミッション収入が立ったとのこと。

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Saturday, October 14, 2023

『ヒトラーはなぜ戦争を始めることができたのか』刊行記念トークショー

【10月14日 記】  清澄白河の Books & Café ドレッドノートで『ヒトラーはなぜ戦争を始めることができたのか』刊行記念トークショーを聴いてきた。

ベンジャミン・カーター・ヘットによるこの本の翻訳者が、僕の勤めていた放送局の同期入社で、今は翻訳家になっている寺西のぶ子さんだという繋がりである。彼女の翻訳を読むのは大ヒットした『英国一家、日本を食べる』以来2冊目である。

登壇したのは彼女の他に、この本の監修を務めた神戸大学大学院の衣笠太朗氏と出版社である亜紀書房の担当者・西山大悟氏である。

のぶ子さんに「どうしてこの店を選んだの?」と訊いたら、この店のほうからオファーがあったとのことで、どうやらこの店ではこういうイベントをよくやっているようだ。

その際の司会はいつも店主(名前は憶えていない)が務めるようなのだが、このおっさんが、どうも最初は戦車マニアみたいなところから始まって、次第に戦争に、そして歴史全体にと興味を広げていった人のようだ(「ドレッドノート」という本屋らしくない店名と置いてある蔵書のラインナップがそれを物語っている)。

これが却々押しの強い、思い込みも激しそうな、めちゃくちゃねちっこいおっさんで、最初はそれが少し気に障ってどうなることかと気を揉んだが、進むに連れて皆少しなごんできた。

この著者によるこのシリーズは『ドイツ人はなぜヒトラーを選んだのか』(これも寺西のぶ子・訳)に続く2冊目で、3冊目は鋭意執筆中とのこと。

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Wednesday, May 17, 2023

記事「乱丁・落丁本」へのコメント

【5月17日 記】 インターネットというのは恐ろしいところで、書いたことを本人が完全に忘れている何年も前の記事にコメントやリプが付いたりする。

このブログに凡そ8年半前(2014/10/15)に書いた記事「落丁・乱丁本」に昨日突然コメントが付いた。

その記事の内容を要約すると、

僕が買った本の中に、折り畳まれたまま裁断されてその上に印字されたみたいな箇所があり、本には「落丁・乱丁本はお取り替えいたします」と書いてあるが、申し出れば果たして本当に替えてくれるんだろうか?

みたいな感じだ。

それに対して昨日いただいたコメントは、

これは乱丁とは言いません。
印刷機に入る時に紙が折れていて
そのまま印刷してしまった、と言う現象です。

というものだった。

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Sunday, May 07, 2023

私の本棚

【5月7日 記】 かつてやっていた個人ホームページ wise word web はもう閉じてしまったので、今ではネット上のどこにも存在しないのだが、かつてそこに連載していた本のコラムに、僕は

他人の本棚やCDラックを見るのはとても楽しい。
その人の嗜好や人格のルーツを覗き見たような気になってしまう。

と書いた。それは他人の本棚やCDラックだけではなく、自分の棚やラックでも同じである。そこにあるのはあの頃の自分なのだ。

ところが僕はある時期から本はできるだけ電子書籍で読むようにして、かさばる紙の本をどんどん処分し始めた(ほとんどは book off などに売った)。だから、「あの頃の僕」を知る材料はほとんどなくなってしまったのである。

しかし、気づいたことがある。本を処分したと言っても全部を捨てたわけではない。そこには残した本もあるのである。

たとえば僕はクレイグ・ライスの本は全部残してある。それは、彼女の著作を得るのは、紙であれ電子であれ、今後容易ではないだろうと踏んでいるからだ。

たとえば僕は、何度か書いているように、村上春樹のファンで、彼の長編は全部読んでいる。短編集も結構読んだ。そして、彼の本は売れているので、今後紙であれ電子であれ、もう一度手に入れることは容易だろう。だから、その多くを気軽に処分した気がする。

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Saturday, November 05, 2022

Kindle のマーカー(ハイライト)に思う

【11月5日 記】 Kindle で読書していると、本文中の気になるところにマーカーを引くことができる(Kindle での正式名称は「ハイライト」)。

僕もその機能を使っている。これは主に後に書評を書く時に引用するかもしれないところを記録しておくためである。紙ではなく電子デバイスを利用する最大の利点は検索可能性である。マーカーを引いておけば、後から探し出すのはなおのこと楽になる。

そして、Kindle では他の人がラインを引いたところも分かる。もちろん全部ではないだろう。多くの人(というのがどれくらいのところを基準にしているのか分からないのだが)がマークした箇所に(自分がマークした塗りつぶしではなく)点線の傍線が引かれ、そこに「○人がハイライトしました」みたいな註釈がついている。

これを見るといつもびっくりするのである。

僕がマーカーを引く箇所とはほとんど一致することがない。はぁ~、君らはこういうところに何かを感じたのか!と心底驚く。

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Monday, August 08, 2022

名前考

【8月8日 記】 一概にキラキラネームが悪いと言う気はないのだが、でも、やっぱり最近の若い(あるいは幼い)人たちの名前を見ると、いろいろ考えることがある。

一番思うのは、読みにくい、どう読むのか分かりにくい名前が随分増えたということ。

太郎とか花子とか、そこまで極端な例でなくても、僕らの世代周辺によく見られた名前、例えば健一とか克彦とか雅弘とか、優子とか真由美とか薫とか、そういう名前は大抵の人が間違わずに読めたものだ。

ところが最近では本人に確かめないことには本当にそう読むのかどうか確信が持てない名前が多いし、同じ漢字の組み合わせでも読み方がたくさんあったりする。

例えば男の子の名前によく使われる「翔」という字だが、これは音読みのショウが採用されることもあるし、「かける」と読ませることもあるし、「と」と読ませることもある。例えば 2021年に生まれた男の子の名前で多かった第2位は「陽翔」(はると)なのだそうだ。

「と」は「翔ぶ」から来ているのだが、本来この漢字に「とぶ」という読みはなく、これは司馬遼太郎が『翔ぶが如く』を書いて以来定着したと言われていたりする。

しかし、僕らの世代はなんとなくこの字が「と」と読まれることに抵抗感がある。その感じをうまく説明できないなと思っていたら、先日読んだ平山瑞穂の『ドクダミと桜』の中に見事に説明し切った箇所があったので、少々長くなるが引用してみようと思う。

これは主人公の咲良(さくら)が中学時代の同級生である多実に 19年ぶりに再会するストーリーなのだが、以下に引用したのはシングルマザーになっていた多実の娘の萌愛(もあ)が咲良に対して、自分にこんな名前をつけた母親のひどさを語るシーンである。

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