Saturday, May 28, 2022

童謡

【5月28日 記】 童謡・唱歌の歌詞について時々考える。何故こんなに怖い歌詞なんだろう、と。

最初に思ったのは、もう何十年も前。ヒカシューのボーカリスト・巻上公一が、ソロで出したカバー・アルバムで『赤い靴』(野口雨情・詞、本居長世・曲)を歌っているのを聴いたときだ。

そう、この野口雨情のように、明治~大正に作られた童謡・唱歌の類には錚々たる詩人が歌詞を提供しているのだ(ちなみにその時期に書かれた詞は全てパブリック・ドメインになっている)。

この歌の恐ろしいのは3番である。1番と2番で、赤い靴を履いていた女の子が「異人さん」に連れられて横浜港から外国に渡るところが描かれるのだが、3番はこうだ:

今では青い目になっちゃって
異人さんのお国にいるんだろう

これ、ほとんどホラーではないか! そして、4番では:

赤い靴見るたび考える
異人さんに逢うたび考える

と言う。考えるたびに恐ろしくなる。

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Wednesday, March 23, 2022

楳図かずお大美術展

【3月23日 記】 会社を休んで夫婦で楳図かずお大美術展(於:東京シティビュー、3/25まで)を観に行ってきた。2_20220323213501

前半はほとんど写真撮影OKだったので、珍しくいくつか写真もアップしてみる。

楳図かずおという漫画家は、人間や化け物の表情がとても怖くて、そこに焦点が当たることが多い恐怖漫画家だが、それ以外にも風の描写がとても独創的で怖い。

そして、今回この大美術展を観て改めて痛感したのは構図の凄さである。

圧倒的な構図。そう、圧倒的に怖い構図。

たくさんの絵を見て回ると、何故この範囲を、この角度で、この距離から描いているのかが如実に解る。それが怖い構図だからなのだ。3

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Friday, December 24, 2021

文化としての東急ハンズ

【12月24日 転載】 東急ハンズがホームセンター大手のカインズに買収されたというニュースを聞いて少なからずショックを受けた。なんかひとつの時代が終わってしまったような気分になった。

関西にいた頃にしょっちゅう行っていた三宮店が閉店すると聞いて悲しい気持ちになったのが去年の年末である。

そして、先月、ついでに東急ハンズで買い物してから帰ろうと思って、わざわざ池袋に映画を見に行った際に、池袋店が10月末で閉店になっていたのを初めて知り、店舗跡の前で呆然と立ち尽くしてしまった。

閉めるなら他の支店じゃないのか、例えばもっと小さな店舗、例えば大丸の上の東京店とか、あるいはもっと郊外の店とか、と思った。

江坂店ができたのは僕が東京転勤したすぐ後だったのですぐには見に行けなかったのだが、東京・渋谷で初めてのハンズ体験をした。へえ、こんな商売があるんだと感心した。関西に戻ってからは主に三宮に通った。

そして、二度目、三度目の東京生活では、さらにいろんな支店を覗いてみた。最近では銀座店によく行っている。

誰でも知っていることだが、他の店でも簡単に手に入る商材、例えば洗剤とかシャンプーとかだったら、ハンズで買うより他所で買うほうが断然安い。

それでも買ってしまうのは、もちろん何でも揃っているから他のものを買ったついでにということもあるが、意識の流れとしてはもっと根本的なものがあると思う。

それはあそこで買い物するのが楽しいからである。

値引きのない定価販売であっても買っていたのはそこに文化を感じ取っていたからだと僕は思うのである。ハンズに行くのはある種、いろんな文化とのめぐりあいだったんじゃないだろうか。

売る側の立場としては、それを文化と呼ぶのではなく、コンセプトと言うべきなのかもしれない。僕らはそれに乗せられて、と言うか、心地よくそれを受け入れて買い物をしていたのではないだろうか。

それは他にも例えば、僕にとっては、MUJI や UNIQLO でも同じだと思う。

UNIQLO は言ってみれば東急ハンズとは逆に安売り店ではあるが、創設当初の安かろう悪かろうのイメージをある時期に完全に払拭して、安くてもファッションという側面を押し出して行った。

変な表現だが、大金持ちでも恥ずかしく思わずに買えるし、実際大金持ちも買うブランドになったのである。それも文化ではないだろうか。

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Sunday, November 28, 2021

成田山新勝寺

【11月28日 記】 成田山新勝寺に行ってきた。初詣ならぬラス詣と言うところか(笑)202111284

東京に出てきた時に行ってみたいところが3つあった。

ひとつは熱海。関西からはあまり行く人がいない、有名な観光地である。昔ほどの賑わいはないとも聞いていた。貫一がお宮を蹴飛ばしたという『金色夜叉』の舞台だ。どんなところか一回見てみたかった。

そんなこともあって、結婚してから一度旅行に行った。よくある温泉街だった。悪くない。そして、本当に「お宮の松」があったことに驚いた。

それからアメ横。年末のテレビ中継で必ず紹介されていた。僕はてっきりアメリカ横丁だと思っていた。米軍放出の物資を売っていた闇市だったところだと思いこんでいた。

しかし、実際にはアメヤ横丁だと聞いて、これは本当にびっくりした。上京してすぐに行ってみたりはしなかった(まずは渋谷とか六本木とか銀座とかだ)が、東京に住んでいたらすぐに行けるところなので、何年目かに行ってみた。市場だった。

昔はもっと生鮮食料品や乾物が多かったと聞いたが、今ではいろんな店がある。

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Monday, November 15, 2021

大阪観光 | 細野観光

【11月15日 記】 細野晴臣デビュー50周年記念展「細野観光」を観に行ってきた。Img_1026

東京で開催していたのを全く知らなかったのだが、今大阪で開催していると聞いて、大阪出張のついでに行ってきた。グランフロント大阪北館B1 のナレッジキャピタル・イベントラボ。

展示会だからそれほど派手なものではない。細野さんの小さい頃からの写真や年譜、自分で描いた漫画や、音楽的な資料や、使ってきた様々な楽器などが展示されているだけ。とは言え、ファンにとっては却々のものである。

展示されている楽器は多くがギターであり、あるいはシンセサイザー系の電子楽器や世界各国の珍しい弦楽器や打楽器などで、ベースがほとんどなかった(ひょっとしたら全くなかったかも)のが意外だった。ま、結局のところベーシストに留まる人ではなかったということだけれど。

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Sunday, November 07, 2021

風街オデッセイ2021追記

【11月7日 追記】 昨夜『風街オデッセイ2021』に行ってきて、その記事を書いたが、僕自身は松本隆のことを、無論優れた作詞家だとは思っているが、好きで好きでたまらないというわけではない。202111061

作詞家としては、岩谷時子や安井かずみ、有馬三恵子、阿木燿子、男性なら橋本淳やなかにし礼、千家和也のほうが切れる言葉の使い手だと思う。

僕にとって松本隆は、はっぴいえんど時代は非凡な作詞家だったが、作詞家専業になってからは巧い作詞家になったような気がする。うまく言えないが、僕の中では阿久悠に対比する位置にあって、つまり尊敬するヒット・メーカーという感じだ。

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Saturday, November 06, 2021

風街オデッセイ2021

【11月6日 記】 松本隆作詞活動50周年記念オフィシャル・プロジェクト!『風街オデッセイ2021』に行ってきた。於:日本武道館。2時間半の予定がほぼ3時間半やった。Img_1021

まず、何と言っても音が悪い。全体的に割れるし、ドラムスとベースの音ばかりバカでかく響いて他の音がよく聞こえない。ギターは時々聞こえる。キーボードは鳴っているのは分かるが個別の音が聴き分けられない。

そう、一つひとつの楽器の音が聴き分けられないのである。ブラス・セクションはたまにしか聞こえない。コーラスはほとんど聞こえない。ストリングスはほぼ聞こえてこない。

でも、帰り道で隣を歩いていた女性2人組は「音も良かったしね」「そう、クリアに聞こえたね」などと言っていた。僕の座った席が悪かったのか? しかし、座る席によって音が悪いようでは良い会場とは言えない。僕の耳が完璧にぶっ壊れているなら話は別だが。

2日間連続の開催だったが、僕が今日の第2夜を選んだのは、今日の出演者のほうが僕好みだったからであり、出演者から予測される選曲も多分僕好みだろうと思ったからだ。そして、その予想はある程度当たっていた。

しかし、これだけ音響が悪いと、知っている曲なら頭の中の記憶がハーモニーを補うから良いのだが、聞いたことがない曲の場合はメロディしか解らなくて曲想が掴めない。困ったものである。

出だしが小編成だったりすると割合聞きやすいのだが、サビで全楽器が乗っかって来ると途端にただやかましいだけになってしまう。

それでも終盤になってくると、ひょっとしたら僕の耳が漸く慣れてきたのかもしれないが、少し聞きやすくなってきた。終盤のほうが独自のアレンジが多くて面白かったのは確か。ちなみに音楽監督(兼キーボード)は井上鑑。

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Saturday, June 13, 2020

Thanks Theater

【6月13日 記】 先日、motion gallery というクラウド・ファンディングのサイトからメールが来て、映画を4本選んでくれと言われた。

最初は「何だっけそれ?」と思ったのだが、思い出してみると、「未来へつなごう!!多様な映画文化を育んできた全国のミニシアターをみんなで応援ミニシアター・エイド(Mini-Theater AID)基金」というのを支援したのだった。

金額もリターン内容もすっかり忘れてしまっていたのだが、サイトに行って確かめたら、僕が支援したのは「未来チケットコース」5,000円で、リターンは、

  • 希望する映画館の未来チケット1枚 (2022年内有効)
  • サンクス・シアターの映画作品リストから選んで、4本分をストリーミング再生(1年間)

だった。

それで、今度は Thanks Theater というサイトに行って、候補作品16本の中から僕が選んだのが、

  1. 『14の夜』(足立紳監督、114分、2016年)
  2. 『火星の人』(池田千尋監督、31分、2019年)
  3. 『此の糸』(今泉力哉監督、35分、2005年)
  4. 『微温』(今泉力哉監督、44分、2007年)

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Sunday, May 24, 2020

無題

【5月24日 記】 時々世の中はいつのまに、どうしてこんなに変わってしまったのか?と思うことがあります。

僕らが大学生になったころ、政治について語れないことはある種の恥でした。最高学府で学ぶ知識人の端くれとして、僕らは政治からエンタテインメントまで、すべてについてなにがしかを語れることが求められました。

教養課程の授業に赤いヘルメットの上級生たちが乱入してきて、「クラス討論会」と称して政治論議をふっかけてきたときに、僕らは一人ひとりがそれにどう答えるかによって、ひとりの人間としての価値を試されている気がしました。

高校時代には政治のことなんて考えたこともなかった僕らは、必死で情報を収集して、必死で考え、必死で議論に参加し、必死で自分の考えをまとめたものです。

それが今ではタレントが「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグでツイートすると、「今までファンだったのに、急に政治のことなんかツイートして失望した」などというリプがつきます。「今まで政治的な発言なんかしたことがなかったのに、違和感がある」などと言われます。

今まで政治的発言をしたことがなかったタレントが初めて政治的発言をしたことは本来祝福すべきことである、と僕は思います。

中には、一旦ツイートしながら削除してしまったタレントもいました。それは炎上したからではなく、自分のタイムラインで賛成派のファンと反対派のファンが言い合いになっているのを見ているのが哀しいから、というまことに情緒的な反応でした。こういうのはとても残念です。

小泉今日子は、今まで選挙には行くけど政治的発言はしないという主義で生きてきたけれど、そんな自分が今の政治を作ってしまった、と毅然と抗議を続けました。井浦新もその先陣を切りました。

結果、法案の国会提出は延期されました。これは8年前の「アラブの春」をめぐって津田大介が名付けた「動員の革命」ではないでしょうか。

一方で、あのときの「動員の革命」に対する絶望感が考察の出発点となっていると受け取れるのが宇野常寛の『遅いインターネット』です。宇野は今回の事態をどう見ているのでしょう? 今回の国会提出延期は、宇野が唱える遅いインターネットでは多分実現しなかった姿だと思います。

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Saturday, October 27, 2018

teamLab☆Planets Tokyo

Oct272018teamlab

【10月27日 記】 DMM.com が豊洲で開催している teamLab☆Planets Tokyo に行ってきた。数日前まで天気予報は悪かったが、今日も妻と一緒なので絶対に晴れると確信していたら、やっぱりその通り、見事な晴天になった。

ネタバレ防止のために、僕はここには建物外観の写真しか上げないが、「何それ? それでは何のことだかさっぱり分からない」と言う人はこちらを見てほしい

光と闇、色彩、音、香り──それら全てを動員して僕らの五感に浸透してくる。美しいし、何よりも予想したより遥かにコンテンツが豊富で飽きなかった。

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