Saturday, March 15, 2025

日本アカデミー賞

【3月15日 記】  いつ決まったのかは知らないのだが、日本アカデミー賞の発表があったらしい。知人の facebook 投稿で知った。

このブログにも何度も書いているが、僕はこの賞をあまり当てにしていない。

信頼感がないと言うと反感を買うかも知れないのでもう少し違う言い方をすると、僕とは趣味趣向が全く異なるので、そういう意味で当てにしていないのである。

今回は僕が、

僕の知人は「文句なしに今年一番の映画」みたいな書き方をしていたが、僕はそこまで称賛はしない。

と書いた『侍タイムスリッパー』が最優秀作品賞だそうな。

それから、僕が、

最後に、なんか、日本アカデミー賞あたりがうっかり作品賞か何かを与えてしまいそうな映画だったと言っておこう。

と書いた『正体』は、最優秀は逃したがきっちり優秀作品賞には選ばれており、最優秀監督賞と最優秀主演男優賞、最優秀助演女優賞を獲っている。

やっぱりね、という感じ。

Continue reading "日本アカデミー賞"

| | Comments (0)

Sunday, February 09, 2025

「キネマ旬報」2月号増刊(2)

【2月9日 記】 今年もまた毎年やっているキネマ旬報ベストテンの得票分析をしてみます。

キネマ旬報ベストテンは、審査員がそれぞれ合計 55点を持って、1位には 10点、2位には 9点、…、10位には1点と入れて行き、その合計得点で順位が決められています。今回 2024年第98回の審査員は、前回と同じく「本誌編集部」を含めて 60名でした。

で、僕が何をやっているかと言うと、それぞれの映画の得点を、「合計点=点を入れた審査員の人数×平均得点」という形に分解してみるのです。

例えば同じ 150点獲得の映画でも、一方は

(a)合計150点=30人×平均5.00点

他方は

(b)合計150点=20人×平均7.50点

だったとすると、(a) は多くの人に広く受けた映画、(b) は特定の人の心に深く刺さった映画と言えるのではないか、ということです。

これは統計学的には必ずしも正しい手法とは言えないのでしょうが、1~10位くらいまでに絞ってやってみると、それなりに審査員たちの評価の傾向が見えてくる気がして、それが面白くて毎年やっています。

さて、2024年の結果は:

Continue reading "「キネマ旬報」2月号増刊(2)"

| | Comments (0)

Wednesday, February 05, 2025

掘り出しモノ賞

【2月5日 記】 昨年末に 2024年の掘り出しモノ賞を選ぶのをすっかり忘れていた。『チャチャ』か『アット・ザ・ベンチ』かのいずれかかなと思ったのだが、『アット・ザ・ベンチ』を選んでおきたい。

存在さえ知らなかった映画で、会社員時代の映画好きの先輩に教えられて見に行っただけに、これこそ“ほんまもん”の掘り出しモノという気がする。

奥山由之という、映画の世界ではまだあまり実績のなかった監督だが、CM界では有名な人らしく、この小さなオムニバス作品に有名な俳優たちが集まった。

よく書けた脚本で、画作りも、役者たちの演技も非常に良かった。次回作が楽しみな監督である。

ちなみに、僕がこれまでに選んできた作品のリストは下記の通りである:

Continue reading "掘り出しモノ賞"

| | Comments (0)

「キネマ旬報」2月号増刊(1)

【2月5日 記】 今年もまた『キネマ旬報』2月号増刊が届いたので、僕が年末に書いた「『キネマ旬報』ベストテンの20位以内に入ってほしい邦画10本」とつきあわせてみたい。

まず、僕が選んだ 10本を改めて挙げておく:

  • デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章/後章
  • 青春18×2 君へと続く道
  • ミッシング
  • あんのこと
  • 違国日記
  • 劇場版モノノ怪 唐傘
  • ナミビアの砂漠
  • 八犬伝
  • 本心
  • 雨の中の慾情

毎回書いている通り、これは、

他の映画賞ではなく「キネ旬の」
10位以内ではなく「20位以内に」
「入るだろう」ではなく「入ってほしい」

10本である。そして、上記は僕が観た順番であって評価の高い順ではない。

さて、まずは 2024年キネマ旬報日本映画部門の1位から20位(4位、14位、19位は同点で複数作品)までを提示する:

  1. 夜明けのすべて
  2. ナミビアの砂漠
  3. 悪は存在しない
  4. Cloud クラウド
  5. ぼくのお日さま
  6. ぼくが生きてる、ふたつの世界
  7. ルックバック
  8. 青春ジャック 止められるか、俺たちを2
  9. ラストマイル
  10. あんのこと
  11. 箱男
  12. 基盤斬り
  13. 侍タイムスリッパー
  14. 一月の声に歓びを刻め
  15. 正体
  16. ゴールド・ボーイ
  17. 十一人の賊軍
  18. 違国日記
  19. 辰巳
  20. ミッシング

Continue reading "「キネマ旬報」2月号増刊(1)"

| | Comments (0)

Friday, January 03, 2025

『脳内ポイズンベリー』

【1月3日 記】 WOWOW で録画しておいた『脳内ポイズンベリー』があまりに面白かったのでひとこと書いておきたい。

佐藤祐市監督は初めて観た『キサラギ』でげっそりして、それ以来観ていない監督だ。そんなこともあって、上映時にはこの映画を見る気は全く起こらなかった。

内容的にも、主人公いちこ(真木よう子)の頭の中でいろんな感情が交錯するさまを擬人化した単なるコメディだと思っていたのだが、そもそもその認識が間違っていた。

脳内にいる5人 ── 優柔不断な議長の吉田(西島秀俊)、ポジティブ思考の石橋(神木隆之介)、ネガティブ思考の池田(吉田羊)、その時その時の一瞬の感情であるハトコ(桜田ひより)、記憶の岸(浅野和之) ── によるやり取りが面白いのだが、それだけの映画ではなかった。

Continue reading "『脳内ポイズンベリー』"

| | Comments (0)

Sunday, December 29, 2024

WOWOW『ジョン・レノン&ポール・マッカートニー ソングブック』(視聴完了)

【12月29日 記】 『ジョン・レノン&ポール・マッカートニー ソングブック』を見終わった。

見始めた時点の記事はここ

いやはや、合計で8時間半もかけたわけだが、さすがにこれだけのボリュームを割いただけの意味はあると思わせる力作だった。

それぞれの曲が書かれた時代背景や環境、そしてその時のメンバー同士、とりわけジョンとポールの関係を描くというだけではなく、曲を一つひとつ解説し、しかもその解説は決して印象的な評価に留まらず、その曲が作られる上で影響を与えたと思われる要素を列挙し、それぞれの曲についてしっかりと音楽的な構成や理論を明らかにしてくれている。

曲の評価については売上枚数やランキングだけで語るのではなく、評論家やメディアがどのように受け止めてどのように評論したかも紹介されており、しかも、複数の関係者や評論家にインタビューすることによって、同じ曲に対して賛否両方の感じ方や解釈が紹介されており、とてもフェアである。

音楽ドキュメンタリたるもの、こうでなければならないと思った。

Continue reading "WOWOW『ジョン・レノン&ポール・マッカートニー ソングブック』(視聴完了)"

| | Comments (0)

Friday, December 27, 2024

テレビや配信ドラマ/アニメの完結編としての映画という戦略

【12月27日 記】 僕の会社員時代の 10年先輩に、テレビドラマやアニメは見ずにその完結編となる映画だけを観て「よく分からなかった」とか「評価できない」みたいなことを時々書いて人がいる(誤解のないように最初に書いておくと、この文章はその人を貶めるために書いているのではない)。

今年になってからだと、アニメ版第3期の2話だけを観て、今泉力哉監督のテレビドラマ8話は一切観ずにその続編である映画版『からかい上手の高木さん』だけを観たり、テレビアニメとして4期続いた『進撃の巨人』をろくに観ないまま『進撃の巨人 ファイナル THE LAST ATTACK 』だけを観たり、 Amazon Prime Video で配信した【推しの子】8話を全く観ずにその最終完結編である映画【推しの子】 -The Final Act- だけを観たり…。

僕からしたら、そもそも『進撃の巨人』なんて、あれだけ長い長い物語で、あれだけ複雑に入り組んだ展開で、あれだけ大勢の登場人物が出てくるアニメを最後の1作だけ観ても理解できるはずがない、と不思議に思う。

それまでの回を全部観ていてさえ、自分の頭の中でこんがらがったり、ちゃんと思い出せなかったりして、分からない部分が残ると言うのに。

でも、まあ、それにもかかわらず映画だけを観てしまう気持ちが分からないでもない。と言うか、もちろんこれは僕の勝手な想像、勝手な解釈でしかないのだが、そういうことなのかな?と思うところはある。

中には完結編を総集編だと勘違いして観てしまったみたいなこともあるんだろうけれど、それ以前に、彼らの世代からしたら、「テレビでの放送を観ていなかったら理解できない映画なんてあり得ない」という気持ちがあるんじゃないだろうか?

「映画界が映画ファンに対してそんな不親切なことをするはずがない」という信頼感が抜けないのではないだろうかと思うのである。

たしかにかつて映画が、そんなテレビ番組のおまけや続編みたいな作り方がされることはなかったのだろう。映画はあくまで独立した、それだけで完璧に自己完結した作品であったはずだ。

だが、今ではそんなことはない。何故ならそのほうが客足が見込めるからである。

Continue reading "テレビや配信ドラマ/アニメの完結編としての映画という戦略"

| | Comments (0)

Thursday, December 26, 2024

回顧:2024年鑑賞邦画

【12月26日 記】多分昨日観た【推しの子】 -The Final Act- が今年最後に観た映画になるだろうから、今年も恒例の

『キネマ旬報ベストテン』の 20位以内に入ってほしい邦画 10本

を選んでみた。今回で 19回目である。

毎年書いているように、これは僕が選ぶ今年のベストテンはない。

決して「映画賞の上位に入るであろう邦画 10本」の予想でもない。

あくまで僕が応援する 10本である。

そして、これは他の映画賞ではなく「キネ旬の」、10位以内ではなく「20位以内に」、「入るだろう」ではなく「入ってほしい」 10本である。

だから、どんなに良い映画であっても、僕としてそれより他に推したい作品があれば、迷わずそちらを選ぶことにしている。放っておいても間違いなくキネ旬ベストテンに選ばれるだろうと思う映画は外したりもしている。

さて、今年は映画館で 59本の邦画を観た。奇しくも去年と全く同数である(しかも、外国映画は 4本で、これも去年と全く同数である)。今年はこの 59本の中から選ぶことになった。

まずは例年通り、本数を考えずに年初から観た順番に考察し、選んで行った。すると残ったのは、(『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』の前後章を一作と数えると)以下の 16作になった。

さて、どれを削るか?

Continue reading "回顧:2024年鑑賞邦画"

| | Comments (0)

Wednesday, December 25, 2024

映画【推しの子】 -The Final Act-

【12月25日 記】 映画【推しの子】 -The Final Act- を観てきた。Amazon Prime Video で配信した全8話に続く、これが最終話である。

どうやって繋ぐのかと思っていたら、配信版では始まってすぐ、アイ(齋藤飛鳥)が子どもたちと新居に引っ越してすぐにストーカーに刺されて死んでしまうが、映画版は入院中のさりな(稲垣来泉)と雨宮医師(成田凌)のところから説き起こして一気にアイの死までを綴り、そこから配信ドラマで描いた部分を全部すっ飛ばして終盤に持って行っている。

当然のことながら、総分数で6~7時間に及ぶ配信版を観ていることが前提となっており、それを観ていない人にはさっぱり分からないだろう。

さて、原作やアニメのファンは別として、それらを全く知らない人(僕もそんな人のひとりだった)は、とかくこの手のストーリーを「茶番だ」みたいなことを言いがちだが、僕は決してそんな風には思わなかった。

むしろ、原作が大ヒットしたのもむべなるかな、という感じである。

Continue reading "映画【推しの子】 -The Final Act-"

| | Comments (0)

Sunday, December 22, 2024

WOWOW『ジョン・レノン&ポール・マッカートニー ソングブック』(1本目のみ)

【12月22日 記】 WOWOW で録画しておいた『ジョン・レノン&ポール・マッカートニー ソングブック』を見始めた。

1.5~2.5h 規模 ×4本という長いシリーズで、まだ最初の『1957-1965』を見終わったばかりである。

時系列に並んでいるとは言え、2本目は『1966-1970』、3本目は『1967-1972』と変な被り方をしている。この辺はどういうまとめ方になっているのか、見てみないことには分からない。

ちなみに最後の4本目は『1973-1980』と、ビートルズ解散後についても長い期間を設けている。

僕は遅れてきたビートルズ世代で、社会現象としてのビートルズは見聞きしていたものの、実際に彼らの音楽を聴くようになったのは、ビートルズ解散の年からであり、そこから遡って聴き始めたのである。

初めて買ったアルバムは『アビイ・ロード』、2枚目は確か『ラバー・ソウル』だったと思う。

だから、この番組で扱われたさまざまな事象は僕にとっては全くリアルタイム体験ではなく、その分知らない話が多く、結構驚いた。

とりわけ、ビートルズの初期において、ボブ・ディランの影響がそんなに大きかったとは知らなかった。

あと、もうひとつ、とても驚いたのは『ミッシェル』が当時一部のファンの間では「軽すぎる」などと批判を浴びたということだ。そんなことがあったとは全く知らなかった。

Continue reading "WOWOW『ジョン・レノン&ポール・マッカートニー ソングブック』(1本目のみ)"

| | Comments (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

iPhone おすすめサイト ことば アニメ・コミック ウェブログ・ココログ関連 ギャンブル グルメ・クッキング ゲーム サイト更新情報 スポーツ ニュース パソコン・インターネット ファッション・アクセサリ プレイログ ペット 今日のBGM 仕事 住まい・インテリア 学問・資格 心と体 心に移りゆくよしなし事 恋愛 携帯・デジカメ 文化・芸術 文学・歴史 旅行・地域 日記・コラム・つぶやき 映画・テレビ考 映画・テレビ評(05) 映画・テレビ評(06) 映画・テレビ評(07) 映画・テレビ評(08) 映画・テレビ評(09) 映画・テレビ評(10) 映画・テレビ評(11) 映画・テレビ評(12) 映画・テレビ評(13) 映画・テレビ評(14) 映画・テレビ評(15) 映画・テレビ評(16) 映画・テレビ評(17) 映画・テレビ評(18) 映画・テレビ評(19) 映画・テレビ評(20) 映画・テレビ評(21) 映画・テレビ評(22) 映画・テレビ評(23) 映画・テレビ評(24) 映画・テレビ評(25) 書籍・雑誌 書評 書評(02) 書評(03) 書評(04) 書評(05) 書評(06) 書評(07) 書評(08) 書評(09) 書評(10) 書評(11) 書評(12) 書評(13) 書評(14) 書評(15) 書評(16) 書評(17) 書評(18) 書評(19) 書評(20) 書評(21) 書評(22) 書評(23) 書評(24) 書評(25) 経済・政治・国際 美容・コスメ 育児 舞台 芸能・アイドル 趣味 関西・関西人 音楽 音楽追悼文