「キネマ旬報」2月下旬号(2)
【2月13日 記】 今年は前の記事から少し間が空いてしまいましたが、例年通りキネマ旬報2月下旬号で発表された2021年邦画ベストテンのデータ分析記事を書きました。
毎年同じ説明をしていますが、今回も一応手法を解説しておきます:
キネマ旬報ベストテンは、審査員がそれぞれ合計55点を持って、1位には 10点、2位には 9点、…、10位には1点と入れて行き、その合計得点で順位が決められています。今回の審査員は「本誌編集部」を含めて 62名とやや多めです。
それぞれの映画の得点を、僕は「合計点=点を入れた審査員の人数×平均得点」という形に分解してみるのです。
例えば同じ 150点獲得の映画でも、一方は
- 合計150点=30人×平均5.00点
他方は
- 合計150点=20人×平均7.50点
だったりします。その場合、(a) は多くの人に広く受けた映画、(b) は特定の人の心に深く刺さった映画と言えるのではないか、ということです。
これは統計学的には必ずしも正しい手法ではありませんが、投票結果の上位 10本ぐらいに絞ってやっている限りは映画の傾向をうまく捉えているのではないかと思っています。
さて、2021年の結果は:
- ドライブ・マイ・カー
299点=39人×8.31点 - 茜色に焼かれる
190点=30人×6.33点 - 偶然と想像
181点=23人×7.87点 - すばらしき世界
178点=25人×7.12点 - 水俣曼荼羅
167点=23人×7.26点 - あのこは貴族
153点=26人×5.88点 - 空白
149点=24人×6.21点 - 由宇子の天秤
142点=25人×5.68点 - いとみち
124点=22人×5.64点 - 花束みたいな恋をした
97点=18人×5.39点
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