Tuesday, May 19, 2020

YouTube『きょうのできごと a day in the home』

【5月19日 記】 昨夜、行定勲監督の『きょうのできごと a day in the home』を観た。2004年公開の映画『きょうのできごと a day on the planet』ではない。そのタイトルをもじった 40分強の中編作品で、4/24 から YouTube で公開されている。

ちなみに in the home という表現には違和感がある。at home か in the house ではないか?(笑) いずれにしてもこのタイトルは昨今のコロナ禍による外出自粛を踏まえたものだ。

だから、当然“三密”を避けた撮影をしており、5人の青年たち(最後は6人になる)が zoom飲み会をしている設定だ。場面はそこから変わらない。それぞれの俳優の zoom画面のワンショット×5~6のワイプ合成になっている。

こういう状況になってこういう手法のドラマが随分増えてきた。

例えば『カメラを止めるな! リモート大作戦』『12人の優しい日本人を読む会』『今だから、新作ドラマ作ってみました』といろいろ観てきて、やっぱり力量とセンスのある人が撮ると、どんな障害や制約があってもそれなりに面白いものが撮れるのだという実感だった。

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Friday, May 15, 2020

NHK『今だから、新作ドラマ作ってみました』

【5月15日 記】 YouTube の『12人の優しい日本人を読む会』の記事でもちょっと触れたが、NHKが“テレワークドラマ”と称して『今だから、新作ドラマ作ってみました』という企画を3本作って放送した。

その第一夜を見たのだが、ちょっと期待はずれ。やっぱりワンショットの切り返しやワイプ合成だけという単調な構図だと飽きてしまう、というのがそのとき書いたことだ。

矢島弘一が脚本を書いた第一夜は、遠距離恋愛カップルの満島真之介と前田亜季が、本来だったら今日ハワイで結婚式を挙げているはずだったが、コロナ騒動で家から出ることさえできず、チャットで話しているというシチュエーションだ。

男と女の感性の違いみたいなものもテーマの1つになっていて、途中ちょっと険悪な会話になったりもするのだが、そういう物語を、如何にも自分のスマホや PC で撮りましたみたいな構図で(実はテレビカメラがちゃんと入って撮っていることは明らかなのだが、そういう見せ方をしている)延々と見せられると気分が塞いでくる。

やっぱりこういうのはしんどいな、と思ったのが第一夜だった。

その第一夜があまりに面白くなかったので第二夜は見なかった。ちなみに、ちょっと予告編を見た限りでは、小日向文世の PC に、小日向の妻で先日亡くなったはずの竹下景子からビデオメッセージが来るという話のようだった。これも直感的に画変わりがしんどそうだ。

ただ、このドラマを観ようと思ったのは、単にテレワークドラマという果敢な取り組みに惹かれたからではなく、第三夜の脚本が森下佳子だったからだ。

で、森下佳子の第三夜を観てみたら、さすがに森下佳子が書くと面白いのである。

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Saturday, May 09, 2020

YouTube 『12人の優しい日本人を読む会』

【5月9日 記】 YouTube で『12人の優しい日本人を読む会』を観た。そもそもは生配信されたものだが、5月一杯はアーカイブされている。

これは、言うまでもなく、三谷幸喜・作、東京サンシャインボーイズの舞台であり、映画化もされたあの『12人の優しい日本人』を、コロナ禍のこのご時世に合わせて、zoom を使ってリモートで演じた、と言うか、読み合わせみたいなものである。

僕は舞台は観ていないが、中原俊監督の映画版は結婚した年に妻と2人で観た。めちゃくちゃ面白かった。「実は弁護士なんだ」と名乗る男に豊川悦司が扮していたのをよく憶えている。相島一之という名前はこの映画で憶えた。

この YouTube版では、4回の舞台と映画版にゆかりの出演者が、その多くはかつて演じた役柄で集まっている。──甲本雅裕、相島一之、小林隆、阿南健治、近藤芳正、梶原善、西村まさ彦、宮地雅子、野仲イサオ、小原雅人。多くはサンシャインボーイズの(元)劇団員である。

そして、今回はそこに吉田羊と妻鹿ありかが加わっている。映画と共通のキャストは相島と梶原。映画ではピザ屋の役だった近藤が今回は舞台でも演じた陪審員6号の役である。ほかに原作者の三谷幸喜も登場する(今回の演出は他の人だ)。

当たり前だがみんな年を取った。当時は新進気鋭の、どちらかと言えばアングラ系の役者だったのが、今はみんなテレビや映画でよく見る味のある脇役になった。

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Sunday, May 03, 2020

YouTube 『カメラを止めるな! リモート大作戦』

【5月3日 記】 YouTube で『カメラを止めるな! リモート大作戦』を観た。

いやあ、上田慎一郎という人はなかなかしたたか、いや、たくましい人だ。もしもあなたが『カメラを止めるな!』を観たのであれば、僕なんぞがとやかく言うことではないので、まずはこれを観てほしい。30分弱の小品なのですぐに見られる。

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Sunday, April 26, 2020

『翔んで埼玉』を家でもう一度観てみて

【4月25日 記】 『翔んで埼玉』を妻に見せた。『カメラを止めるな!』に続いて、これも僕は映画館で観たのだが、面白かったので WOWOW で放送したときに録画しておいたのだ。

で、これも『カメラを止めるな!』同様、家で観るとそれほど面白くない。2度目ということもあるが、それにしても面白くない(笑)

妻は時々笑い転げてみていたけれど、見終わってから笑顔で「なにこれ、つまんないじゃない」と言った。笑顔で言うくらいだから、面白くなかったと怒っているわけではないのだが、ま、その程度だということだ。

やっぱり映画館で観ることによる効果というものはあるようだ。あるいは、家で観るときには面白さを減少させる何かがあるのだ。

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Sunday, April 19, 2020

『カメラを止めるな!』を家でもう一度観てみて

【4月19日 記】 コロナでずっと家にいる。とは言え、平日は在宅勤務だし、妻もいろいろとやることがあるので、夫婦一緒に何かをしている時間は、食事を除くと極めて少ない。

そんな中で、夜、2人の都合が合ったので、録り溜めたビデオを見ることにした。選んだのは『カメラを止めるな!』。僕は映画館で観たが、妻に見せてやろうと録画してあったのだ。

しかし、あんなに面白かった映画が、家で見るとあんまり面白くない。妻はどんな顔で見ているかと気になって横目で見ると、前半はまあ間違いなく退屈なのを辛抱して観ている感じ。後半は、そこまでではないにしても、そんなに面白そうではない。

見終わって「面白かった?」と訊いてみたら、「半分くらい」との返事。

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Sunday, April 05, 2020

連続ドラマW『有村架純の撮休』(第2話まで)

【4月5日 記】 テレビドラマやアニメの記事はそんなに書いていないが観ていないわけではない。1月クールだと湯浅政明が監督した NHK のアニメ『映像研には手を出すな!』と大石静脚本の NTV 『知らなくていいコト』が出色の出来だったと思うが、それも最終回を迎え、今は端境期。

おまけに新型コロナウィルスの影響で4月クールのドラマのスタートが軒並み遅れそうな状況で、本来なら観るものがなくなるところだったのだが、先日から録り溜め始めていた WOWOW『有村架純の撮休』があった。で、これを見始めたのだが、これが面白いのだ。

オムニバスの全8話のうち、放送が終わったのが第3回までかな。監督・脚本は毎回変わるが、複数回やる人もいる。初回の是枝裕和監督の分だけ55分で、あとは30分(だと思う)。

文字通り、有村架純が女優・有村架純の役で、その有村架純の撮休を描いている。どうやら毎回冒頭は、有村のマネージャー役の野間口徹が調子こいた感じのプロデューサー・黒田大輔から突然明日撮休になったと言われ、それを有村の楽屋に伝えに来るシーンのようだ。

もちろん有村が有村の役をやるので、有村の実家に『ビリギャル』のポスターが貼ってあったりするようなところもあるのだが、設定を借りているのは売れっ子の女優という公的な部分、しかも大枠だけであって、有村の実生活についてはもちろんフィクションである。

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Friday, March 27, 2020

映画『三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実』

【3月27日 記】 映画『三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実』を観てきた。僕はドキュメンタリを普段見つけないので、ドキュメンタリとしての作りの巧拙を語る気はないけれど、逆にそんなことに全く気を取られることなく、めちゃくちゃ面白く観た。

1969年5月13日、東大駒場キャンパス900番教室で、1,000人を超える全共闘の学生と三島由紀夫の討論会が催された。その模様をTBSが取材した映像がまるまる残っており、それを編集して、間に様々な人のインタビューを挟んだドキュメンタリだ。

このインタビューの人選がまことに適切だ。いや、人選も適切なのだが、彼らの振り返りや解説、解釈が適切で、それがあるおかげで、僕らは議論の進み行きを整理しながら見届けることができるのだ。

インタビューされている人たちの何人かはその時その場にいた人たちだ。つまり、当時の東大全共闘の学生だった人。今ではみんな70歳過ぎの爺さんだが、それぞれ演出家であったり学者であったりする。そして、取材に入っていたTBSの記者と新潮社のスチル・カメラマン。

さらには三島が率いていた盾の会のメンバー。三島と親交のあった瀬戸内寂聴、三島を取材した『平凡パンチ』の記者(三島が『平凡パンチ』で扱われるような、言わば“スター”であったことを今日初めて知った)。

さらに、純粋に第三者的な立場から、平野啓一郎、内田樹(彼はこの翌年に東大に入学した)、小熊英二がキャスティングされているのだが、彼らの(とりわけ内田の)見立てや理解に説得力がある。

妻も観たいと言うので一緒に観たのだが、僕らのように、三島が自衛隊のどこかを占拠して演説の末自決した事件をリアルタイムで見聞きはしていながら、年齢的にその意味を解釈することがまるでできなかった世代にとっては、やっぱりとても気になる映画だった。

そして、僕らの疑問にいろんな意味で答えを出してくれる映画だった。

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Saturday, March 21, 2020

映画『Cats』

【3月21日 記】 映画『Cats』を観てきた。

ミュージカル『Cats』を初めて観たのは1983年12月10日(日)、新宿西口のキャッツ・シアターでの劇団四季創立30周年記念公演だった。その後、劇団四季のミュージカルは何度か観ているが悉くがっかりさせられた。

今日まで観た四季の公演でがっかりしなかったのは、生まれて初めて観た『エクウス』(1978年3月4日(土)サンケイホール)だけで、これは市村正親がまだ若手だった頃の公演で、ミュージカルではなかった。

四季のミュージカルが何故そんなに肩透かしかと言うと、歌やダンスがどれだけ素晴らしくとも、ストーリーがあまりにつまらないからである。彼らも当然世界の名作ミュージカルを選んで上演しているわけだから、あくまでミュージカルというものは圧倒的な歌唱力とダンス・パフォーマンスで魅せるものであって、所詮いずれのストーリーもチャチなのかもしれない。

ところが今回は根本的に違う。それはカメラが入るからだ。

観劇というのは観客席からの定点観測だが、カメラが入ることによって、その視点は縦横無尽に動かすことができる。あたかも観客が上手から下手まで走りながら観るみたいに。

横移動だけではない。視点は上にも下にも、人間の身長の限度を超えて動かすことができる。それどころか真上からの映像も、真下からの映像も可能になる。

そして、圧巻はまさに踊っている最中のダンサーたちの内側に入って行けることだ。入っていって、動いているダンサーを上から下から横から斜めから、カメラ自身も動きながらダンサーのダイナミックな動きを捉えることができる。

それどころか、舞台という場所の制約がないから、場面によっては劇場の外へ出て100mぐらい後退し、劇場の屋根も壁も爆破しないと見えないような、思いっきり引いた構図の素晴らしい画も見られる。

そんな画期的な映像の予告編を見て、僕も妻もいっぺんに観たくなった。そして、アメリカ本国ではめちゃくちゃに酷評されているというニュースを聞いて、これは何が何でも観ないわけには行かなくなった。

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Friday, March 20, 2020

映画『初恋』

【3月20日 記】 映画『初恋』を観てきた。

少なからぬ人が異口同音に言うように、三池崇史監督の作品には当たり外れがある。それは僕もそう思う。ただし、どれが当たりでどれが外れかとなると、観る人によって微妙に違っていたりもする。

だから、誰かが貶していたからと言って外れかなと思うのは早計である。現にこの映画も、僕の周りには「自己満足に過ぎない」と酷評する人と「今年一番のお気に入り」と激賞する人の両方がいた。

三池監督一流の悪い冗談なんだろうけれど、『初恋』というタイトルにしておくと間違えて見に来てくれる客がいるかもしれないと考えたという話を聞いて少し嫌な予感がしていたのだが、しかし、観てみた結果、この映画は僕にとっては外れではなかった。

まずはオリジナル脚本というのが偉いではないか(脚本は中村雅)。

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