すぎやまこういちの訃報に触れて
【10月7日 記】 すぎやまこういちが亡くなった。しかし、どの訃報を見てもほとんど『ドラゴンクエスト』のことしか書いていない。Wikipedia でさえ、ドラゴンクエスト関係にかなりのスペースを割いている割には、まともな楽曲作品リストさせ載せていない。
これは僕にとってはとても残念なことだ。
僕にとってのすぎやまこういちは、さすがにザ・ピーナッツの『恋のフーガ』のときには認知していなかったけれど、ザ・タイガースの初期の作品を書いた人というイメージがとても強い。
『僕のマリー』
『シーサイド・バウンド』
『モナリザの微笑』
『君だけに愛を』
『花の首飾り』
『銀河のロマンス』
僕はザ・タイガースのこれらの曲を通じて作曲家・すぎやまこういちと作詞家・橋本淳の名前を憶えた。同じグループサウンズではヴィレッジ・シンガーズの『亜麻色の髪の乙女』もこのコンビだ。
それからガロだ。『学生街の喫茶店』は自作のフォークで全然売れなかった彼らが歌謡曲の大御所の作品を押し付けられたという風に語られているが、結果的には彼らの初めてのヒット、しかもとてつもない大ヒットになった。
その次の『君の誕生日』もすぎやまこういちだ。大体大ヒットのあとは前作の曲調をまるっきり踏襲したりするものだが、そういう露骨な二番煎じをせずにちゃんとヒットさせたすぎやまこういちは偉いなと当時思った記憶がある。
よく聴けば華麗なメロディなのだけれど、身体にスーッと入ってきて、仕掛けめいたものを感じさせない、非常に自然な音符運びで、天性のメロディ・メーカーだと思う。
そういうあたりの、歌謡曲の大御所としての記事をまず読みたかったのである。
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