鍋と爪と口笛
【2月21日 記】 ラーメンを作った妻が面倒くさがって鍋のまま食べながら、
鍋からラーメン食べたら結婚式に雨が降るからやめなさい
ってよくお母さんに言われた、と言う。
それは一度も聞いたことないな。全く記憶にない。
そしたら、(自分たちの結婚式の日に)本当に雨が降ったよね
とも言う。ついでにそれも全く記憶にない(笑)
ま、でも、確かに子どもの頃にそんなフレーズをたくさん聞かされた記憶はある。
食べてすぐ横になると牛になる
なんてのも同じで、要するに親がいくら「行儀が悪いからやめなさい」って言ったところで、行儀なんてものは子どもにとっては何の説得力もないから言うことを聞かない。それで、いろいろ不吉な予言を吹き込んで子どもを不安にさせて抑え込もうという魂胆だ。
夜に爪を切るのは「世を詰める」と言って不吉だ
なんてのもあったな。それは祖母から聞いたんだったか。
夜に爪を切ると親不孝になる
という言い方もあった。
しかし、いずれにしても、これは行儀が良いとか悪いとかとは関係がなさそうだ(昼なら良いが夜切るのは行儀が悪いという理屈は納得が行かない)。では、なんでそんな言い伝えができたんだろう?
ちなみに吉田拓郎は『爪』という曲で
夜爪切ると不幸になると 旧い言わざ 聞いたことある
と歌っていた。こっちは親不孝ではなくて、自分が不幸になるのか。こっちのほうが抑止力が強いな。
妻によると、
夜に笛を吹くと蛇が来る
とも言われたとのこと。うーむ、それも微妙に違う。ただ、夜に口笛を吹くなと言われた記憶はある。
突然思い出したが、中学生の時に、掃除の時間に誰かが口笛を吹いていたら、通りがかった家庭科の先生に、
口笛やめなさい! 下品な
と叱られたことがあった。別に吹いていた曲が下品だったわけではなく、その場にいた皆が口笛のどこが下品なのか首を傾げた。
それはあくまで個人の感想である。安物の宣伝みたいに「※ 個人の感想です」と添えておいてほしいものだ。
いずれにしても個人の感想で禁止されてはたまったものではない。
なんだかよく解らない、納得の行かない理由で何かを禁じられるのは”思春期あるある”である。
あのとき納得が行っていなかったから、今は平気で鍋からラーメンを食べ、夜に足の爪を切っている。
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