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Sunday, December 29, 2024

WOWOW『ジョン・レノン&ポール・マッカートニー ソングブック』(視聴完了)

【12月29日 記】 『ジョン・レノン&ポール・マッカートニー ソングブック』を見終わった。

見始めた時点の記事はここ

いやはや、合計で8時間半もかけたわけだが、さすがにこれだけのボリュームを割いただけの意味はあると思わせる力作だった。

それぞれの曲が書かれた時代背景や環境、そしてその時のメンバー同士、とりわけジョンとポールの関係を描くというだけではなく、曲を一つひとつ解説し、しかもその解説は決して印象的な評価に留まらず、その曲が作られる上で影響を与えたと思われる要素を列挙し、それぞれの曲についてしっかりと音楽的な構成や理論を明らかにしてくれている。

曲の評価については売上枚数やランキングだけで語るのではなく、評論家やメディアがどのように受け止めてどのように評論したかも紹介されており、しかも、複数の関係者や評論家にインタビューすることによって、同じ曲に対して賛否両方の感じ方や解釈が紹介されており、とてもフェアである。

音楽ドキュメンタリたるもの、こうでなければならないと思った。

それにしても、僕はウィングス時代とソロ時代のポールのさまざまな曲の変化に全く気づかずに聴いていたのだということを、このドキュメンタリを見て嫌と言うほど認識させられた。

ビートルズ解散後のポールはこんなにも変遷していたのである。そして、ジョンの孤独も身にしみて感じた。

それにしてもやはり彼らは偉大だ。あとジョージのドキュメンタリも観たくなった(確か録画してディスクに落としてあるはずだが、まだ観ていない)。

何人かのインタビューを聞いていて特に感じたのはクラウス・ヴーアマン(番組の字幕では「クラウス・フォアマン」)の誠実さだった。

僕が生まれて初めて買った LPアルバム『バングラデッシュのコンサート』では、「誰もが名前を知っているが実際には見たことがない」幻のベーシストみたいな紹介がされていて、一体どういう人なんだろうと思っていたのだが、プラスティック・オノ・バンドにいた人だったのだと初めて知った。

ジョンとヨーコの側に長らく寄り添っていた存在なのだが、ジョンに対してはもちろん、やや皮肉っぽい見方も時々交えながらではあるがヨーコに対しても極めてフェアで、音楽に対しても人に対しても非常に冷静な目で見守っているところに大きな共感を覚えた。

ウィングスにおけるデニー・レインもそうなのだが、やはりこういう人の存在があってこそ、天才たちの才能が支えられるのだと思った。

非常に深く、見ごたえのある音楽ドキュメンタリだった。

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