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Tuesday, October 29, 2024

正しい翻訳

【10月29日 記】 長年使っているアメリカ製のヨガのアプリが、多分アップデートをきっかけにだと思うのだが、アナウンスが突然英語に変わってしまった。

設定を確かめると、「言語」はちゃんと「日本語」になっているが、流れてくるのは英語のインストラクションなのだ。念のため一度他の言語に変更してから日本語に再設定してみたが、やはり英語しか流れてこない(ちなみに、文字の表示は全て日本語だったが)。

それで「フィードバック」用のフォームから現象を説明して対応を促した。

そうしたら、その翌日、こんなメールが返ってきた。

こんにちは、私たちは現在、すべての練習タイプをすべてのサポートされている言語に対応させるために取り組んでいます。これを実現するためにご辛抱いただき、ありがとうございます!

僕は最初うまく意味が掴めなかった。はぐらかされたのかと思った。しかし、よく読むとこれは、

今対応しているのでもう少し待ってくれ

という趣旨のメールのようだ。

元の英語はおそらく

Hi, we are currently working on making all practice types compatible with all supported languages. Thank you for your patience!

みたいな感じなのだろう(日本語の翻訳文からすると、多分 patience の後にもう少し何か続いていたのだろうけれど)。

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Monday, October 28, 2024

部活の略称

【10月28日 記】 最近テレビや映画を観ていると、僕が去年までは一度も聞いたことがなかったジョバスという言い方が何度も出てくる。

直近で言うと、アニメ『アオのハコ』の千夏先輩が女バスだし、映画『ゼンブ・オブ・トーキョー』では、「ちょっと、そんなとこで女バスの技使わないでよ」という台詞があった。

これは一体いつごろから使われているのか?と思い、Facebook のタイムラインに投げかけてみたところ、意外にも「中学時代からフツーに使っていた」みたいな答えが複数。しかも、そう返してくれたのは僕よりかなり年下の人たちというわけでもない。

そうだったのか、と素直に驚いた。

確かに、Facebook に投稿するときに、キーボードを叩いていたら「だんばす」はそのままちゃんと「男バス」に変換したし、「じょばれ」に対しては「女ヴァレ」という変換候補も出てきた。

ということは、これ、全部の部活動に適用されるのか? ──男バス、女バレ、男バド、女ハン、男陸、女水、男体、女卓、男柔、女剣、男野、女ソフ、男弓、女テニ、男サッ、女ダン、男ラグ…?

あ、男子しかない野球部やラグビー部とか女子しかないソフトボール部やダンス部(今は男女ともある?)には適用されないのか?

あと、文化系のクラブは?

あ、文化系は男女で分けていないから、多分そんな言い方はないのか?

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Saturday, October 26, 2024

映画『八犬伝』

【10月26日 記】 映画『八犬伝』を観てきた。これは相当面白かったぞ。Photo_20241026162001

曽利文彦監督には 2002年の『ピンポン』で度肝を抜かれ、以来ずっと追いかけているのだが、如何せん世間の評判が上がってこない。

いつまで経っても「ただの CG屋さん」みたいな捉えられ方をしている。僕から見たら同じような CG屋さんでしかなかった山崎貴がアカデミー賞を受賞したりして、なんだか随分差がついたみたいで悔しい。

しかし、曽利文彦はやっぱり映像技術から映画製作に入って行った人だから、画作りは飛び抜けて巧いのである。

この映画でも VFX をフルに使った屋根瓦上での派手な決闘シーンはもとより、橋の真上から撮ったり、人物をシルエットにしてみたり、それぞれのカットに工夫があって面白い。

鶴屋南北が終始逆さまになってぶらさがっているという構図も秀逸だったし、八犬士が揃った画では最初はシルエットにしておいて、8人が一斉に走り出したところで炎のような淡い光を当ててくる画作りも渋かった。

この映画のミソは『南総里見八犬伝』をそのまま映画化するのではなく、八犬伝を作中作としながら、それを書いている滝沢馬琴を描いたことである(これは曽利監督の発案ではなく山田風太郎の原作自体がそうなっているのだそうだ)。

映画にすると尺に限界があるので、中で描かれる八犬伝のほうは当然切れ切れのダイジェスト版にならざるを得ない。でも、それで充分面白いのである。

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Friday, October 25, 2024

映画『ゼンブ・オブ・トーキョー』

【10月25日 記】 映画『ゼンブ・オブ・トーキョー』を観てきた。Zot

「人気アイドルグループ日向坂46 の4期生メンバー全員が出演する青春群像劇」という謳い文句の映画を、そのメンバーを一人も知らない奴が観るとは、映画を作った人たちはよもや想定していないだろうが、僕の場合はあり得るのだ。

何故なら、僕は監督で選んでいるから。

熊切和嘉監督は、たまに『#マンホール』みたいな失敗作もあるが、『私の男』を筆頭に、良い映画をたくさん撮っている。

唯一心配だったのは、群像劇だけに、メンバーを知らない僕が見ると誰が誰だか分からなくなるのではないか、ということだった。

だが、映画はそれぞれのキャラをよく描き分けていたので、映画を見ていてこんがらがることはまるでなかった。パンフを読むと、事前にメンバーにインタビューして、それぞれの個性を役柄に織り込んであるのだそうだ。

この映画を見てまず驚いたのは、よくもまあここまで touristy な場所ばかりを選んでロケができたものだ、ということ。僕は一人も知らなかったが、それぞれのメンバーを推すファンが相当数いるはずだ。よくも騒ぎにならなかったものだ。

物語は長野県の高校の東京への修学旅行を描いたもの。女子校という設定にはしていないので、多少男子も絡むストーリーになっている。

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Wednesday, October 23, 2024

クライマックス・シリーズを考える2

【10月23日 追記】 昨日書いた記事の続き。

クライマックス・シリーズのどこに違和感があるかと言えば、それは6球団のうちの第3位のチームが最後まで勝ち進んでしまう可能性があるからだ。

これが8球団でリーグ戦を争ってきたというのであればこの違和感はかなり払拭されると思う。何故なら8球団で3位になるためにはそこそこの勝率が必要だからである。

ところが6球団の3位となると、下手すると勝率が5割未満のケースがあるのだ。調べれば過去何度か実例が出てくるだろう。

それってまるで、相撲で言うなら7勝8敗の力士が優勝決定戦に出るようなものではないか?

勝率4割台ではないにしても、今年のセ・リーグの DeNA みたいに2つしか勝ち越していないようなケースもある。それってあんまりじゃないだろうか?

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Tuesday, October 22, 2024

クライマックス・シリーズを考える1

【10月22日 記】 プロ野球の話。

パ・リーグのソフトバンクは良いのだけれど、今年のセ・リーグみたいにリーグ戦3位だった(しかも2つしか勝ち越していない) DeNA が日本シリーズ進出を決めたりすると、やっぱりクライマックス・シリーズって一体何なんだ、と言うか、逆か、リーグ戦って一体何だったんだ、という気になる。

「だって、公式戦で一番勝ったのは俺らなんだぜ」と巨人の選手は思ってるだろうし、DeNA だってまともな選手・コーチ・監督なら「来年こそはリーグ戦を制覇した上で日本シリーズに行きたい」と願っているはずだ。

そういうのをチャラ、と言うか、なんかなしくずしにしてしまうのがクライマックス・シリーズなのだ。

それだったら、昔パ・リーグで何年か実施した前後期制のほうがまだ納得感がある。

だって、日本シリーズに行く球団は少なくとも前期か後期かどちらかのリーグ戦で優勝しているのだから。

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Monday, October 21, 2024

相性の不思議

【10月21日 記】 みんなが敬遠して陰で結構ボロカスに言っているような人と、自分は別に全く嫌な気分になることもなくつきあえてしまうってことあります? 僕はわりとあるんです。

あれはどうしてなんでしょう?

一体なんでみんなそんなに嫌うのか分からない、というわけではありません。きっとああいうところが嫌われるんだろうな、というのは割合明確に分かるんです。でも、何故だか自分との関係の中では大問題とも思えないし、それが障害になってこないのです。

それは僕が大人物だからというわけではないのは言うまでもありません。

これって相性と言うしかないものなんでしょうか? なんだか不思議で仕方がありません。

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Saturday, October 19, 2024

【note】自分の「死」を少し意識し始めて

【10月19日 埋】 しばらくやっていなかったので、久しぶりに note へのリンクを貼っておきます。

note のほうの記事は大体週1ペースで何か新しいものを上げています。

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Wednesday, October 16, 2024

映画『ふれる。』

【10月16日 記】 映画『ふれる。』を観てきた。長井龍雪監督、岡田麿里脚本、田中将賀キャラクターデザイン/総作画監督。Photo_20241016192401

僕はこのトリオの「青春三部作」では『心が叫びたがってるんだ。』しか観ていないが、岡田自身が監督を務めた『アリスとテレスのまぼろし工場』は観ている。アニメ以外で彼女が脚本を担当した映画も 2~3本。

そんなに刺激的ではないが良い話を書く人だと思っている。これもそんなアニメだった。

「島」で生まれ育った秋、諒、優太の3人。諒と優太は早くから友だちだったが、秋は言いたいことをほとんど口にせず、腹が立つとすぐに暴力を振う手のつけられない存在だった。

その秋が海で伝説の小動物“ふれる”を拾った。ふれるに触れることによって何も言わなくても気持ちが通じるという魔法のような効果のおかげで3人は親友になる。

そこまでの展開が速いのなんの。静止画を多用しながら大胆に省略して時間を飛ばす。

物語はこの3人が上京して一軒家を借りて共同生活を始めるところから本格的に始まる。全員が 20 歳になっている。

制作チームと同じく同い年のトリオである。

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Monday, October 14, 2024

Netflix & Amazon Prime 鑑賞記録

【10月14日 記】 Netflix で『地面師たち』と『アンブレラ・アカデミー』を見終わった後、同じく Netflix で『極悪女王』を、Amazon Prime Video で『不都合な記憶』を観たので、リストを更新しました。

『地面師たち』を見終わった後、次はどうしようかと妻と言っていたのですが、まずは妻が観る気がないと言っていた『極悪女王』をひとりで全話見ました。この番組の感想は前に書いた通り。

で、その次はいよいよ WOWOW で始まった『ゴールデンカムイ』かな、と言って見始めたのですが、これが映画ほどは面白くなくてちょっと残念。

WOWOW としては初回を無料放送にして新加入者獲得を目論んだのでしょうが、映画に続く第1話としてあのエピソードを持ってきたのはプロモーション的には失敗だったのではないかなと思います。良い話なんだけど、ちょっと地味でしたよね。

原作通りに筋を進めているのかもしれませんが、やっぱり初回から鶴見篤四郎(玉木宏)や土方歳三(舘ひろし)、尾形百之助(眞栄田郷敦)らが派手に絡んだアクション大作にするべきだったのではないかと…。

それで、第2話を観るのは少し延ばして、先に Amazon で『不都合な記憶』を観ました。

石川慶監督ということで随分期待したのですが、期待が大きすぎたのか、いや、ちっとも悪くはないんですが、今ひとつという感じは残りました。途中ちょっと中だるみしましたしね。最初から2時間の作品にしようとするのではなく、もう少しだけテンポアップしたほうが良かったのかもしれません。

ということで更新したリストを載せておきます:

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Sunday, October 13, 2024

『砂嵐に星屑』一穂ミチ(書評)

【10月12日 記】 元同僚(と言っても今は取締役だが)が facebook で褒めていたのを読んでこの本を読みたくなった。

ちなみにその元同僚は社員のひとりに教えてもらって読んだらしいのだが、その社員が多分巻末に解説を書いている山内健太郎である。

僕は彼とは一言二言しか喋ったことがなくてよく知らないのだが、社内では結構評価されている社員なのではないだろうか。彼が書いている note なども面白い。

一穂ミチは今年直木賞を獲った作家で、会社員を続けながら小説を書いていると言う。その会社というのが在阪の放送局らしい。

作品に出てくるのがナニワTV で、その所在地からして朝日放送(ABC)をモデルにしているようだが、ということはこの人も ABC の人なんだろうか。

この短編集は5つの作品から成っている。舞台は全てナニワTV だが、それぞれ主人公は異なっていて、いくつかの作品に重複して現れる共通の登場人物もいる。

で、僕もかつて放送局に勤務していたのだが、この小説、ほんとに「テレビ局あるある」なのである。もう「あるある」の連続で、一般の読者にはそういうのが分からないだろうから残念で仕方がない。

例えばタイトルにある「砂嵐」が何のことなのか、一般の人には分からないだろうが、僕らにはそのひと言だけで通じる。

そういう事物の名前だけではない。とにかく僕らはそこで起こるひとつひとつの事象や習慣の「あるある」具合に驚き、そして、それを楽しむのである。

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Saturday, October 12, 2024

映画『チャチャ』

【10月12日 記】 映画『チャチャ』を観てきた。Photo_20241012204501

僕は酒井麻衣監督の大ファンだが、『はらはらなのか』を観ていないので、オリジナル脚本作品は今回が初めてということになる。

はぁ、なるほど、これが酒井麻衣監督なのか!という驚きの作品だった。

世間的には評価はどうなんだろう? 「ワケ分からん」と言う人もいるだろうなと思う。事実途中で席を立って帰った観客もいたし…。

主人公のチャチャ(伊藤万理華)はデザイン事務所で働くイラストレータ。ちょっと不思議ちゃんで、男子は構いたくなるが女子には嫌われる典型的なタイプ。しかも社長(藤井隆)がある日突然連れてきて社員にしたこともあって、多くの女性社員の反感を買う。

その中でも凛(藤間爽子)は、自分が妻子ある社長に片思いしていることもあって、チャチャと社長の仲を勘繰り、挙句の果てにチャチャを尾行したりもするが、やがて、社内では唯一のチャチャの同性の友だちとなる。

そのチャチャが、ビルの屋上の喫煙所で、同じく休憩に来ていた1階のレストランで働いている樂(中川大志)が落としていった鍵を拾って届けたところから、(お互いに結構ひねくれた2人なので一気には進まないが)2人は親密になり、やがてチャチャは樂の家に押しかけて同棲してしまう。

というような恋愛物語かと思っていたら、途中からほんとにとんでもない、恐ろしい展開になる。そのネタバレはもちろんここには書かないが、その急展開ぶりに僕は吉田恵輔監督を思い出した。

しかし、この作品は凄惨なまま終わったりはせず、また元の日常っぽいところに戻って来る。そこがミソのような気もする。

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Thursday, October 10, 2024

分かりやすすぎる詐欺メール

【10月10日 記】  詐欺メールを中心とする迷惑メールは毎日必ず複数届くけれど、最近はひと目見ただけでインチキだと分かるメールが結構あって、逆に気にかかる。

カードが使えなくなったとか不正利用があったので確かめたいとかいう類のメールの中には、自分が全く使っていない金融機関のものが結構あって、そんなものは一発で偽物と分かるのだが、これはまあ、送るほうもそんなことは先刻承知で、バレる相手にはバレても構わないので、そのうちの何通かが本当の利用者に当たって、そのうちの何人かが騙されることを狙ってのべつ幕なしに送るのだろう。

そういうのは前からあったのだが、ここのところ、例えば「母ちゃんだよ」とか「じいちゃんじゃよ」とかいうタイトルのメールが何通か来ている。

これはさすがにバレバレである。

僕の場合、母も祖父も亡くなっているということもあるが、そうでなくても例えば母親のことを「母ちゃん」とは呼んでいない人も多いだろうし、今どき「ナントカじゃよ」みたいなしゃべり方をする(しかもメールにもそう書いてくる)年寄りも少ないだろうし、母親や祖父が全くメールなんか使えない人である可能性もある(じいちゃんからのメールに「この URL をクリックしてくれ」と書いてあったのは噴飯ものであった)。

こんなに命中率が低いのに送ってくるとは、一体何を考えているのだろう?

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Monday, October 07, 2024

銀行と映画館にて

【10月7日 記】  銀行の ATM で延々と振込の作業をしている人がいる。背後からだとよく見えないので、ひょっとしたら振込だけじゃないのかもしれないが、なんであれ、僕にはあれがよく分からない。

僕は現金を引き出す以外の目的で ATM を利用することはほとんどない。だからいつも一瞬で終わる。

そんな僕からしたら、あんなに長い時間 ATM を占拠して作業をするくらいなら、PC でやれば良いのにと思ってしまう。

もちろん、何等かの理由で ATM でやらなければならない事情の人もいるだろう。しかし、PC でできるのにしない人もまたいるのだろう。

僕にはそこが分からない。

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Sunday, October 06, 2024

10月アニメ3本初回

【10月6日 記】  アニメ『アオのハコ』、『ダンダダン』、『チ。』の初回を観た感想を X に投稿したのだが、(あくまで僕の場合だが)今回はそれぞれ WOWOWオンデマンド、TVer、Netflix からシェアしなければならず、面倒くさいことこの上ない。

全部 TVer になってくれると楽なのだが、ま、そういうわけに行かないのも解る。

『アオのハコ』は TBS の作品なんだから TVer で配信してくれても良さそうなものだが、WOWOW は恐らくこの作品にに出資をして配信権を獲得したのだろう。実のところ WOWOW は 10年以上前からアニメにかなり力を入れているし。

WOWOW が有料放送である限り、ADVOD の TVer で配信するわけには行かない。正面から競合してしまうだろう。そもそもそういう事情で自社でオンデマンドを持つに至ったのだろうし…。

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Friday, October 04, 2024

映画『ビートルジュース ビートルジュース』

【10月4日 記】 映画『ビートルジュース ビートルジュース』を観てきた。Img_2416

9/27 に公開したばかりなのに今日から上映回数がかなり減っている。全米では興行収入1位だが、この手のものは日本ではあまり受けないのかもしれない。

めちゃくちゃ面白いのにね。

こんなお馬鹿なギャグをこんなに大真面目に、大規模に、華麗に、そして CG は使わないというマニアックなこだわりを見せながら作ったスタッフには本当に頭が下がる(ブルースクリーンも2つのセットでしか使っていないとのこと)。

うん、ドリフターズなんかより遥かに面白い。ドリフターズと同じようなベタなギャグもあるが、根本的に違うのは、この映画はポップでダークでゴシックであるというところだと思う。

僕は旧作『ビートルジュース』の大ファンだというわけではない(と言うか、映画館では観ていないし、テレビで観たのか観ていないのかも記憶がはっきりしない)。

ティム・バートン監督についてはそこそこファンであるが、僕がこの映画を「観たい!」と思ったのは、予告編でジェナ・オルテガの姿を認めたからだ。同じくバートンが監督した Netflix の『ウェンズデー』で彼女を知り(と言うか、それしか観ていない)、完璧に魅了されてしまったからだ。

この映画のスタッフは『ウェンズデー』のスタッフと同じらしい。

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Wednesday, October 02, 2024

Netflix『極悪女王』

【10月2日 記】  Netflix の『極悪女王』全5話を見終わった。日本ではトップ独走の大ヒットらしいが、海外ではあまり振るわないようだ。

当然である。

外国の視聴者はビューティ・ペアもクラッシュ・ギャルズも全く知らないわけだ。まずなんでプロレスラーがリング上で歌を歌っているのか見当もつかないだろう(その点では、当時の僕も全く理解に苦しんだがw)。

その上ゆりやんレトリィバァさえ見たことないわけで、「なんだ、このデブ、こいつ女優なのか???」ぐらいにしか思わないはずだ。

でも、リアルタイムで全日本女子プロレスを見てきた我々(と言っても、僕はそんなにいっぱいは見ていないが)にとっては、これはなんかこみ上げてくるものがあるドラマなのだ。

この企画の成功のポイントはドキュメンタリではなくドラマにしたことだと思う。

プロレスの映像は多分結構残っているだろう。そして、関係者もほとんど存命だから、いろんな人から取ろうと思えばインタビューも取れたはずだ。

しかし、ドキュメンタリにしてしまうと女子プロに郷愁を感じる人しか見ないだろう。

それをドラマにしたことによって、(もちろんドラマにしたことによって虚構を交えることができたからということもあるだろうが)、しっかりとプロレスを知らない人たちの心にも刺さる作品になったのではないだろうか。

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Tuesday, October 01, 2024

映画『Cloud クラウド』

【10月1日 記】 映画『Cloud クラウド』を観てきた。Photo_20241001204101

黒沢清監督は、近年の作品では僕の好みから少し外れてきた気がしていたのだが、この作品はまさに往年の黒沢ワールドで久しぶりに満喫した。

もうとにかく怖いのなんのって。

この映画をホラー映画という括りにしてしまって良いものかどうかは別として、一般的なホラー映画だと、突然大きな音がして恐ろしい姿のものが画面いっぱいに襲ってくるといった怖さで攻めてくるが、そういうのとは全然違うのである。

語られる台詞、そしてその言い方、表情、動き、そしてそれらを捉えるカメラの微妙な動きなどがいちいち怖いのである。でも、大抵は何も起こらない。ただの停電だ。締まりの悪いドアが少し開いただけだ。

しかし、何も起こらないと次のシーンが、次の展開が一層怖くなる。緊張感が漲ってくる。

そして、一般的なボラー映画だと、主人公とその家族や恋人や仲間たちがいて、彼らを脅かし襲ってくるものが恐ろしいのだが、この映画はもう菅田将暉が演じた主人公の吉井良介からして、ちょっと何を考えているか分からなくて怖い。

その恋人の秋子(古川琴音)にも良介に甘える可愛い姿の裏側に得体の知れないものが感じられて怖い。良介の先輩の村岡(窪田正孝)も、果たして良介をどう思っているのか、如何にも信用できない感じで胡散臭い。

そして、良介が勤めていた会社の上司・滝本も勝手な思い込みが強すぎて怖い。何と言っても滝本を演じた荒川良々のこんなに抑えた芝居は見たことがなく、空恐ろしい感じがした。

チョイ役の警官(矢柴俊博)まで含めて、出てくる人物全員が、怖いか、胡散臭いか、あるいはその両方だ。

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