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Sunday, September 08, 2024

力の指輪と残り時間

【9月8日 記】  配信が再開したので『力の指輪』の season 2 を見始めたのだが、聞けば Amazon のこのシリーズは season 5 まであるとのことだ。そうなると、「生きている間に最後まで見られるかな?」という問題が出てくる。

若い人には実感がないだろうが、年を取るに従ってそんなことが頭にちらつくようになる。

2020年の(実際には 2021年になったが)東京オリンピックの開催が決まったとき、「その頃にはまだ元気で生きているだろうから、1種目でも良いから競技場で見たいな」と思った(が、実際は見られなかった)。

2025年の大阪万博を見たいとは別に思わないが、あれが決まったときも「多分まだ生きているな」と思った。

しかし、このドラマの season 5 までの全episodes が完結するまでとなると、何年かかるのか?

そもそも season 1 と 2 のインターバルが 2年近くあったではないか。season 5 までなら 10年かかってもちっともおかしくないし、途中で何か障害があったりするともっと時間を要する可能性もある。

そして、原作の長さを考えると、時代を行ったり来たりして、もっと多くの seasons が企画されるかもしれない。

そもそもこの『力の指輪』の後日譚である映画版の『ロード・オブ・ザ・リング』が最初に映画館で上映されたのが 2001年、3部作全てが上映されるまでに要した期間が約2年、その後、その前日譚である『ホビット』3部作がその約10年後にやはり約2年かけて上映されている。

なんという大作か! そしてなんという長い物語か!

これは『スター・ウォーズ』9部作に匹敵するものである。

そして、その『スター・ウォーズ』の最初の作品である episode 4 が公開されたのが 1977年、その後 episode 6 まで行ってから遡って episode 1 が作られ、最終の episode 9 が公開されたのが 2019年である。

40年以上かかっているではないか!

そんなことを考えると、『力の指輪』を本当に生きている間に全部見られるかどうか心配になるもの無理はないと分かってくれるだろう。

事実、『スター・ウォーズ』のときも、最終第9作まで自分が生きながらえているかどうか、随分本気で心配していたのだから。

五木寛之の長編小説『青春の門』は 1969年に連載を開始してからいまだに完結していない。

僕は筑豊篇、自立篇、放浪篇、堕落編、望郷篇、再起篇、挑戦篇、風雲篇、漂流篇と読んできたが、いつ終わるのか見当もつかない。これも生きているうちに読み終えることができるのかどうか予断を許さない。

と言うか、この場合は僕よりも五木寛之のほうが先に死ぬのが順当だから、僕が死ぬまでに読みきれるかどうかと言うよりも、五木寛之が死ぬまでに書ききれるかどうかという問題であるような気もする。

とにかく、老人には残り時間が少ない上に、それがどれくらい残っているのかが皆目分からないというのが最大の問題なのである。

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