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Sunday, June 30, 2024

映画『言えない秘密』

【6月29日 記】 映画『言えない秘密』を観てきた。

大体は監督で映画を選んでいる僕だが、河合勇人監督には別に何の思い入れもない。今回は完全に古川琴音目当てである。

「京本大我の映画初単独主演」と銘打たれていて、STARTO ENTERTAINMENT としては大々的にそういう打ち出し方をしたかったのだろうけれど、僕からしたら、悪いがこれは完全に古川琴音の映画になっていた。

僕が彼女の名前を憶えたのは 2019年の映画『チワワちゃん』で、その時は「ちょっといいなあ」ぐらいだったのだが、2021年の NHK BS のドラマ『流行感冒』で彼女に釘付けになってしまい、以来全く目が離せない存在になってしまった。

とにかく可愛いのだ。そんなに整った目鼻立ちではないのだが、昔で言うファニー・フェイスで、表情がいちいち素敵なこともあって、なんとも言えず愛らしい。

そして、声が良い。喋り方にも独特の魅力がある。

いい歳をして何を言っているのか、みたいなことを言う人もいるかもしれないが、女の子を可愛いと思う心に年齢など関係がないと僕は思っている。

今回の映画では着る服、着る服がいずれもめちゃくちゃ似合っていて、ほとんど奇跡のように可愛い。長めのスカートやパンツ・ルックが多かった中で、クリスマスの夜に着ていた膝頭が少し覗くぐらいの丈のスカートがとりわけ可愛かった。

映画において主演女優をきれいに、あるいは可愛く撮るということはとても大切なことだと普段から僕は考えているのだが、そういう意味ではこの映画は満点である。

さて、予告編を観ただけでも、古川琴音が演ずる雪乃が実はすでに死んでいるということは暗示されている。

よく「死亡フラグが立つ」という表現が使われるが、ここではこれから死んでしまうフラグではなく、すでに死んでしまっている(ということを後の場面で明かす)というフラグが立っているのである。

音大を舞台とした話である。原作となったのは、日本では 2008年に公開された同名の台湾映画で、日本でも大ヒットしたのだそうだ。今回は高校生を大学生に変えてのリメイクである。

ヨーロッパ留学で挫折して日本の青葉音大に戻ってきた湊人(京本大我)は、もうピアノはやめようかと思っていた。そんなある日、旧校舎の一室で、湊人が知らない曲をピアノで弾いていた雪乃(古川琴音)を見つける。とても変わった、ミステリアスな感じのする娘である。

湊人はひと目で恋に堕ちるが、雪乃は暫くは名前も教えてくれないし、スマホも持っていないので連絡の取りようがない。ただ、あの旧校舎の中庭に行けば会えるかもと思って湊人は何度もそこを訪れる。

やがて2人は自転車に2人乗りして出かけたり、ピアノの連弾を楽しんだりするようになる。

ジャニーズ系のタレントって、昔は映画の中でキスなんかしようものならえらいことになる(キスした女優のほうに脅迫状が山のように届いたりする)ので、あまりキス・シーンなんかなかったような気がするが、今回はそれがある。

それどころか、京本大我は幼馴染で音大の同級生であるひかり役の横田真悠ともキスする。

なんと羨ましい!(笑) 横田真悠もものすごくきれいになったね。

ある種の音楽映画だから、ピアノ演奏のシーンが嘘くさいと台無しになるが、本人が弾いていると分かる構図は必要最小限ではあったが、ほとんど違和感がなかった。もちろんかなりの特訓をしたらしいが、2人ともピアノの経験はそれなりにあったと知って納得した。

京本大我は、初めて写真を見たときにはお父さんそっくりだなと思ったが、デビューから年月が過ぎ、動いているところを今日見た感じでは、全く父親のイメージはなかった。ああいう外連味は全くない。ものすごくフツーっぽくて、今回の役柄ではそれがとても良かったと思う。

2人とも若々しくて、京本大我が今年で 30 歳、古川琴音も今年で 28歳と言われても俄に信じがたい。

さて、既に死んでいる雪乃と何故湊人は知り合えたのか、という謎解きが終盤の山になるが、この設定はちょっと予想できなかった。却々よく考えられたスジ運びである。

脚本は松田沙也、撮影は足立真仁という、僕にはあまり馴染みのないスタッフだったが、台詞も映像も卒なくまとまっていた。最後はショットのアップの長回しで、ベタな悲劇を見せてもらったが、あれはあれで良いんじゃないかな。

とにかく古川琴音の魅力爆発だった。それだけで充分おつりの来る映画だった。

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