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Sunday, May 26, 2024

映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章』

【5月26日 記】 映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章』を観てきた(前章の記事はここ)。まさに興奮冷めやらないとはこのことである。Photo_20240526175001

まず思うのはよくもこんな設定、こんなストーリー、こんな世界観を描いたもんだということ。

ラストが原作とは違うということを知って、ますます原作が読みたくなった。全7巻(元のコミックスは 12巻らしいが)の超豪華永久保存版が発売されるらしいが、49,800円もする。

それから絵の魅力。所謂美少女的なキャラがひとりも出てこないところがリアルで、かつ魅力だ。

男性も同じ。門出が好きな恩師・小山は冴えないおじさんだし、カッコよかった凰蘭の兄も引きこもりになった今はチョデブだ。アイドル・グループの元メンバーの大葉がかろうじてちょっとイケメンっぽいぐらい。

小中高大にわたる学生時代が描かれる主人公の2人の、成長に合わせた描き分けもあるが、基本的にひょろっとして手足や首が細くて長く、関節の反対側にもわりと曲がったりするところが如何にもその年代の女の子っぽい。

そのキャラにキャスティングした幾田りらとあのの声が、喋りが、びっくりするほどマッチしている。

そして、そんな典型的に漫画チックな次元の人物の背景 ── 極めて写実的で、精巧で、あるときは自然の美しさを、またあるときには人工物の完成度を、時には静かに美しく佇まい、時には劇的/破壊的に炸裂する画力がすごい。

3DCG を駆使しているのだが、CGディレクターの稲見叡は、「アニメの中で 3D の質感が浮かないように注意した」と言っており、まさにその調和度が絶妙である。

そして、何よりもこの展開!(前章だけではワケ分からなかった部分も後章を見るとしっかり理解できた) なんという壮大な設定! なんという切ない、なんという愛しい物語!

もっともっと書き連ねたいのだが、あまりに感動して言葉にできない。

この作品はなんとしてももう一度通して観たいと思う。まぎれもない大傑作である。

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