« March 2024 | Main | May 2024 »

Tuesday, April 30, 2024

宇多田ヒカルSCIENCE FICTION

【4月30日 記】  宇多田ヒカル初のベストアルバム SCIENCE FICTION を買った。

僕が持っている彼女の音源は CD で買った SINGLE COLLECTION VOL. 1 に収められた 15曲とネットからダウンロードした 4曲だけだ。

まあ、今はみんなストリーミングで聴くんだろうから、持っている音源の数で好きの度合いを測るものではないとは思うが、まあ所詮その程度のファンなのだ。熱狂的というところまでは至っていない。

でも、初めて Automatic を聴いた時の衝撃は今だに明確に思い出せるし、それ以来いつも「タダモノではない」と思いながら聴いてきた。

今回このアルバムを買ったのは、最初に音楽ジャーナリストの柴那典氏(いろんなところで時々記事を拝読している)が note に書いていた「宇多田ヒカル『Electricity』の神秘」を読んだからだ:

Continue reading "宇多田ヒカルSCIENCE FICTION"

| | Comments (0)

Monday, April 29, 2024

久しぶりのアフィリエイト収入

【4月29日 記】 アフィリエイトという手法がもう流行らなくなっているということと、僕のサイトに魅力がないということの恐らく両方なのだろうが、最近 Amazon アフィリエイトでのコミッション収入がほとんどゼロである。いや、収入どころか、ほとんどクリックされていない。

Amazon から最後の支払いを受けたのは2年前の今日、597円であった。

それが、今日届いたレポートによると、今年2月に久々のコミッション収入が立ったとのこと。

Continue reading "久しぶりのアフィリエイト収入"

| | Comments (0)

Sunday, April 28, 2024

SHOGUN やーめた

【4月28日 記】 4月15日の記事で Disney+ の『SHOGUN 将軍』を見始めたと書いたが、結局第1話だけでやめることにした。どうにも第2話以降を見る気にならないのだ。

歴史を知っているからかもしれない。歴史を知っているからこそ面白いという人もいるだろう。また、当然歴史のとおりではないところが面白いという人もいるだろう。しかし、どっちにしても、僕はどうにも続きを見る気が起きなかった。

これは必ずしも第1話の出来がひどかったという話ではない。ただ、なーんか見る気が起こらない。妻に訊いてみたら、妻も同じ気持ちでいたようだ。それでやめることにした。

評判の高い作品なので、最後まで見て「面白かった、感動した」と言う人もいるだろう。そして、そういう人の中には必ず、「えー? あんなに面白いのに、1話だけでやめるなんてもったいない!」などとわざわざ言って来る人がいる。

そういうことを言う人の気持ちが僕は分からない。「あんなに面白い」のは「あなたが」であって「僕が」ではない。あなたが面白いと思うものを僕が面白いと思わないことはごく当たり前にあることである。

Continue reading "SHOGUN やーめた"

| | Comments (0)

Thursday, April 25, 2024

「いいね!」対策

【4月25日 記】 このひとつ前の記事とほぼ同じものを facebook にも上げました。いや、正確に言うと、先に facebook に書いて、それに少し手を入れてこのブログにも載せたのでした。

僕の書いたものにしては珍しく、今回はそこそこ多くの「いいね!」の類が集まりました。──などと書くと、こういう題材は facebook で「いいね!」を集めやすいのかと思われるかもしれません。

ま、確かにそういう面もあるのかもしれませんが、今回それだけの数の印が集まったのは、実は最初から公開範囲を広げたからだと思います。

僕は facebook での公開範囲をかなり細かく変えています。

誰でも読める「公開」で公開することも全くないわけではないですが、めったにありません。今までで一番公開範囲を絞ったのは、自分以外のたったひとりの人に向けて書いた文章です。

そして、最初に上げた時点での公開範囲を、その後結構頻繁に変更しています。ま、大体は少しずつ公開範囲を広げて行く形です。

世の中には(本人は何等かの好意の表明のつもりかもしれませんが)なんでもかんでも片っ端から「いいね!」をする奴がいます。僕はあれが嫌いなのです。

「ここに僕が書いたことに、お前は微塵も興味がないはずだし、そもそもここに書いてあることの半分も意味が分かっていないじゃないの?」と問い質したくなります。

それに、そんなに「いいね!」を安売りしていると、いざ本当に良いと思ってクリック/タップをした時も、「あ、こいつは何でもいいね!する奴だから」と思われて終わりになるんじゃないでしょうか。

Continue reading "「いいね!」対策"

| | Comments (0)

Tuesday, April 23, 2024

英会話学校でのアニメ談義

【4月23日 記】 英会話学校の今日の担当だったカナダ人の先生は日本のアニメにとても詳しい人で、今日の授業時間のほとんどをアニメ談義に費やしてしまいました。

授業の冒頭は「最近どんなことがあった?」と聞かれることから始まるのですが、その中で僕が

「WOWOW の視聴者プレゼントで Disney+ の3か月無料視聴権が当たったので『将軍 SHOGUN』を見始めました」

と言ったところ、彼は

「ああ、Disney+ には良いアニメが結構たくさんあるんだよ。前回の授業で君は僕に『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』を教えてくれたけど、あの作品が好きならきっと気に入ると思う作品があるよ」

と言って推薦してくれたのが、なんと『天国大魔境』だったので、びっくり。僕が

「あ、それはもうテレビで全話観ました。しかも、それは僕が元いた会社が製作に参加した作品です」

と言ったら大変喜んでくれました。

そこから、彼が今配信で見始めている『超時空要塞マクロス』から、ガンダム・シリーズ、富野由悠季、『鬼滅の刃』、『呪術廻戦』、『交響詩篇エウレカセブン』、『AKIRA』、手塚治虫、Production I.G、『怪獣8号』、『葬送のフリーレン』等々、話は延々と続いたのですが、彼が単にたくさんのアニメ作品を知っているだけではなく、彼独自の視点と尺度を持っていて、大ヒットしていない作品でもしっかりと評価していることに驚きました。

Continue reading "英会話学校でのアニメ談義"

| | Comments (0)

Sunday, April 21, 2024

映画『陰陽師0』

【4月21日 記】 映画『陰陽師0』を観てきた。0_20240422190601

佐藤嗣麻子監督の作品を初めて観たのは 2008年の『K-20 怪人二十面相・伝』で、僕はこの映画における監督の手腕をとても高く評価していた。

女性でこういう SF やアクション映画に志向性を持っていて、しかもこんなに個性と才能を感じさせる人は貴重だなと思ったのである。

その後の『アンフェア』の劇場版3作などはいずれも観ていないのだが、夫である山崎貴が監督して佐藤嗣麻子が脚本を書いた『SPACE BATTLESHIP ヤマト』は観ていて、これはあまり評判の芳しくない映画であったが、自分のブログを読み返すとやっぱり僕は彼女の脚本を褒めていた。

そういうわけで、今回の作品は 100%監督・脚本目当てだったのである。

僕が安倍晴明について詳しく知ったのは確か荒俣宏の著作からだったと思うのだが、この『陰陽師』シリーズには夢枕獏による大ヒット連載小説の原作があったのだそうだ(全然知らなかった)。

そして、その原作の中で安倍晴明と源博雅が組んで事件を解決するというパタンが描かれたとのことで、この映画の中でも当然この人のバディ感がしっかりと前面に押し出されている。

晴明を演じたのが山﨑賢人、博雅を演じたのが染谷将太である。

ただし、原作の安倍晴明は 40 歳前後という年齢設定になっていて、この映画が描いている、まだ陰陽師になるどころか陰陽師の一歩手前の得業生(とくごうしょう)にもなっていない、学生(がくしょう)の時代の晴明というのは完全に佐藤嗣麻子のオリジナルである。

Continue reading "映画『陰陽師0』"

| | Comments (0)

Saturday, April 20, 2024

ドーム球場めぐり

【4月20日 記】 僕が世代的にプロ野球ファンだということもあるが、日本の全ドーム球場を回ってみたいというのが僕の夢である。

しかし、調べてみると意外にたくさんあるようなので、せめてプロ野球チームの本拠地となっているドーム球場だけでも見てみたいと思っている。

今までに行ったことがあるのは東京ドーム、大阪ドーム、札幌ドームの3つだけである。

Continue reading "ドーム球場めぐり"

| | Comments (0)

Friday, April 19, 2024

映画『あまろっく』

419日 記】 映画『あまろっく』を観てきた。

これは僕が働いていた放送局の子会社が企画制作して、親会社である局が出資して成立した映画である。僕のいた局が出資するのは珍しいことでも何でもないが、その 100%子会社が制作主体であるところがミソである。

舞台は兵庫県尼崎市。僕も 20年以上兵庫県に住んでいたが、「尼ロック」なるものの存在は知らなかった。

あと、尼崎城なんて、そんなものあったかな?と思ったのだが、これは僕が最後に関西を離れた後に再建されたものだそうで、知らなくても仕方がない。

で、最初に書いておくと、この映画の出演者のほぼ全員が関西出身者なのである。

関西人は間違ったアクセントの似非関西弁に非常に敏感で、かつそれを毛嫌いする傾向が強いのだが、そういう意味ではこの映画は安心して見られる。

そして何よりもそこで語られる関西弁のテンポと間の良さ、そして、その微妙なニュアンスが、まさに関西弁でしか出せないものになっていて、この面白さを関西出身者は満喫するだろうが、逆に他府県出身者には 100% 伝えられないのかと思うと残念でならない。

Continue reading "映画『あまろっく』"

| | Comments (0)

Monday, April 15, 2024

Disney+ 『SHOGUN 将軍』#1

【4月15日 記】 2月24日に WOWOW の視聴者プレゼントでディズニープラスの3か月分の無料視聴権が当たった。お金にすると 3960円相当。ま、当たった人は 10万人もいるので、そんなにすごいことではないかもしれないが。

で、なんで今ごろそんなことを書いているかと言えば、漸く見始めたからである。

僕は Disney映画は今までどれを観ても子供騙しに思えたので、この先ほとんど観る気はないし、ま、Pixar に対しても同じような印象を持っている。

MARVEL のシリーズの中には何本か観たものもあって、それなりに面白かったが、かと言って、全作を網羅して観てみたいと思うほどの意欲もない。

STAR WARS は一応9本とも観てはいるが、これをもう一度観ようとは思わないし、あまたあるスピンアウト作品を虱潰しに観る気もない。

──というわけで、ディズニープラスに加入する気は全くなかったのである。

しかし、せっかく当たったから、まあ、昨今人気の高い『SHOGUN 将軍』だけでも観てみようかと思ったのである。

で、妻に訊くと妻も観たいと言うものの、今は仕事が立て込んでいて観る余裕がないと言うので、妻の手が少しすくのを待って、漸く昨夜入会して『SHOGUN 将軍』の初回を観たという次第である。

しかし、僕が時代劇をあまり好まないということもあって、評判が高い割にはそれほどすんばらしい作品とも思わなかった。まあ、まだ #1 だけだけどね。ただ、浅野忠信はやっぱり良いね。

しかし、1H規模かと思ったら随分長かった。何分あったのだろう?

Continue reading "Disney+ 『SHOGUN 将軍』#1"

| | Comments (0)

Saturday, April 13, 2024

アイドル二代、三代

【4月13日 記】 昨日、映画『変な家』を観ていてふと思ったのである。

川栄李奈の母親役で斉藤由貴が出ていたけれど、僕にとっては川栄李奈も斉藤由貴もアイドルなんだと。

いつの間にか、かつてのアイドルが母親役を演じるようになっているのである。でも、僕にとってはかつてのアイドルと言うよりも、いまだにアイドルに思える。

昨日、この夏に公開される映画『ラストマイル』の記事を読んだ。

この映画は塚原あゆ子監督と脚本の野木亜紀子が以前手掛けたドラマ『アンナチュラル』を踏まえていて、その出演者が同じ役柄で多数登場するのだが、その中に石原さとみがいて、彼女の母親役で薬師丸ひろ子が出ている。

この記事を読んでふと思ったのである。僕にとっては石原さとみも薬師丸ひろ子もアイドルなんだと。

Continue reading "アイドル二代、三代"

| | Comments (0)

Friday, April 12, 2024

映画『変な家』

【4月12日 記】 映画『変な家』を観てきた。興行成績では上位につけているが、あまり良い評判を聞かない映画。原作と変えようとしたのが失敗だったと書いている人もいるが、その辺のところは僕には分からない。Weirdhouse

監督は石川淳一。僕は『ミックス。』しか観ていないが、これはわりと良かった。脚本は丑尾健太郎という、テレビドラマでも映画でも実績のある人なのだが、その割には設定も展開もかなり荒っぽい。

ある種のホラーである。最初は Web上の架空記事から始まって、それが YouTube の動画になり、その後書籍化もされたものが、今回初めてオリジナルの作者以外の手で映画化されたとのこと。

主人公の売れない YouTeber 雨宮(間宮祥太朗)に、YouTuber のマネジメントをしている会社の柳岡(Creepy Nuts の DJ松永)が、自分が買おうとしている家の間取り図を見せたところから物語が始まる。それは変なところが何箇所もある間取りだった。

そして、それを雨宮がミステリ好きの建築士・栗原(佐藤二朗)に見せて相談し、動画にしたところそれを見て心当たりがあると柚希(川栄李奈)が訪ねてきて、この3人組による謎の解明が始まる。

ストーリーは田舎の狂った習俗に操られた凄惨な事件を描いていて、結構怖い映画なのである。この手のホラーでは、一般的には観客に「来るぞ、来るぞ」と怖がらせておいてドーン!と来るのが定番の手法なのだが、この映画はほとんどそういう予感を与えないまま藪から棒に大きな音が鳴ったり、おぞましい顔のドアップが来たりする。

中には認知症を患っている老婆が何の脈略もなく突然奇声を発するなんてのもあって、おいおい、とにかく驚かせたらいいってもんじゃないぞ、と思ってしまう。

Continue reading "映画『変な家』"

| | Comments (0)

Thursday, April 11, 2024

賞味期限(開封前)と消費期限

【4月11日 記】 多くの食品には「賞味期限」の表示がある。

「消費期限」は「◯月◯日までに食べろ。それを過ぎたら食べないほうが良い」ということなんだろうだが、「賞味期限」は「◯月◯日までなら美味しくいただけます」との意味で、こちらの表示のほうが圧倒的に多い。

で、「賞味期限」には、よく見ると「(開封前)」との註記がついていることがある。つまり、「まだ開封していなければ、◯月◯日までは美味しくいただけます」との意味なんだろうが、しかし、開封後はいつまでだったら美味しくいただけるのだろう?

その期限の日に初めて開封した場合は、その日のうちに食べ尽くしたほうが良いのだろうか? しかし、例えば1リットルの牛乳パックをその日のうちに飲み尽くすのは却々しんどい。

そもそも開封しないと食べられないわけだから、開封前の期限よりも開封後の期限を書いておくことのほうが肝要であると思うのだが?

Continue reading "賞味期限(開封前)と消費期限"

| | Comments (0)

Monday, April 08, 2024

ムーンライダーズ49年

【4月8日 記】  ムーンライダーズというバンドがある。「日本最古の活動中のロック・バンド」などと称されることもあるが、鈴木慶一本人が認めているように、実はセンチメンタル・シティ・ロマンスのほうが結成は古い。

ただ、センチは相次ぐメンバー・チェンジによって結成時のメンバーがほとんど残っていないのに対して、ライダーズのほうはかしぶち哲郎と岡田徹が鬼籍に入ってしまったとは言え、それ以外のメンバーはほぼ不動であり、健在である。

デビュー間もない頃にギタリストの椎名和夫が抜けて(今は諸権利団体のお偉方になっている)、後釜に白井良明を迎えて以降メンバー・チェンジはない。かしぶちの死後は夏秋文尚が後任のドラマーとして参加していたが、いつの間にか正式メンバーとして認められているようだ。

結成が 1975年だから来年は結成 50年を迎えることになる。

僕は彼らの音楽をデビュー間もない頃から、僕自身が高校生の終わりごろから聴いていて、スタジオ録音のオリジナル・フル・アルバムは 23枚に及ぶ。それ以外にもミニ・アルバムやライブ・アルバム、それに各メンバーのソロ・アルバムや別ユニット名義での作品なども入れると、僕は彼らの関連アルバムを 70枚以上持っている。

しかし、それだけの作品を世に出していても、彼らにヒット曲はなかったのである。

まあ、そんなにシングルを出していないということもあるのだが、僕が 2005年分まで保持しているオリコンのチャート・ブックを見る限り、トップ100にチャート・インしたのは1曲だけ、しかも1週のみである。その後のデータは持ち合わせていないのだが、それでも大ヒットがないことだけは間違いない。

Continue reading "ムーンライダーズ49年"

| | Comments (0)

Sunday, April 07, 2024

花見

【4月7日 記】3日の日にごく近しい友人たちと少人数で花見の予定が入っていたのだが、僕が風邪を引いたので中止になってしまった。

残ったメンバーで行けば良いようなものだが、「いやいや、また日を改めてみんなで行きましょう。年寄りは何より健康第一ですから」という訳の分からない理由で中止になってしまった。

で、残念かと言えば、皆と会えなかったのは残念だが、桜を観られなかったことについてはさほど残念ではない。

まあ、観桜自体を大きな楽しみにしている人もいるのだろうけれど、僕らの場合は花見というのは単に会うための口実でしかないということかな。

Continue reading "花見"

| | Comments (0)

Friday, April 05, 2024

ヴェポラッブ

【4月5日 記】 ヴェポラッブをご存じだろうか? VICKS の軟膏で、子供が風邪を引いて咳が出たりするときに胸に塗ってやるとすっとするやつ。Vaporub

子供の頃に母親に塗ってもらった記憶があるのだが、実はいまだにこれを愛用している。非常によく効くのである(少なくとも僕には)。

のどぬ~るスプレーやトローチなんかより遥かに効く気がする。風邪薬と併用するのが良い。

それで、今でも喉系の風邪を引くと寝る前などにべっとりと塗っている。べっとりと塗るからすぐになくなってしまう。

あくまで子供用の薬品だと思われがちだが、【用法・用量】欄には「12才以上:6~10g 1日3回」とある。僕も随分昔に12才の誕生日を迎えたから正当な対象者というわけだ。

発売元の大正製薬のページを見るとちゃんと「生後 6ヵ月以上の赤ちゃんからお年寄りまで幅広くお使いいただけます」と書いてある。使ってはいけないのは 6か月未満の乳児だけなのだ。

Continue reading "ヴェポラッブ"

| | Comments (0)

Monday, April 01, 2024

【4月1日 記】 僕は「ことばのWeb」というのをやっていたくらいで、言葉に対して強い興味関心があります。と言っても、多少とも知っているのは日本語と英語だけなので、対象はおのずからその2つの言語に限られるのですが…。

そんな中で最近よく考えるのが日本語の「生(なま)」という言葉の多様性です。

まず誰でも思いつくのが、「生野菜」「生肉」「生魚」でしょう。これらの単語における「生」は「調理/加工されていない」という意味です。

「生ジュース」というのもそれに近いですね。端的には生の果物を絞ったジュースということで、ある意味「調理はされているけれど、加工はされていない」と言えるかもしれません。ただ、それよりもここでは「フレッシュな」という意味合いが強いのではないかと僕は考えています。

じゃあ、「生ビール」って何でしょう? これは製造過程で熱処理されていないビールのことです。僕はこのことを知るまで、ビールが熱処理されているなんて知りませんでした。ビールを鍋でぐつぐつ煮るイメージで捉えていたので、そんなことしたらビールじゃなくなるんじゃないかと心配したのでした。

でも、調べてみると熱処理と言っても低温で短時間なのだそうです。今では居酒屋で出てくるビールだけではなく、缶ビールも含めて多くのビールが熱処理をしていない生ビールなのだそうですが、熱処理をしたビールもしっかり残っていて、それがラガービールです。

要するにビールの「生」は「熱処理されていない」という意味だったんですね。

ちなみに「生水」というのも沸かしていない(= 熱処理されていない)水という意味です。

じゃあ、「生ハム」とか「生チョコ」は? ハムやチョコレートもやはり製造過程で熱処理しているのでしょうか?

「生ハム」は決して「生肉」ではありません。調理加工された豚肉です。ただ、一般的にはやはり加工の途中に熱処理(蒸したり茹でたり)があるらしく、それをしていないのが「生ハム」とのこと。これも調べてみるまで知りませんでした。

じゃあ、「生チョコ」は? いくらなんでも途中で加熱したら元のドロドロに戻ってしまうんじゃない?

調べてみて驚いたのは、「生チョコ」というのはどうやら日本だけでの呼称のようで、何でも神奈川県の洋菓子店主が命名したとか。なんだかほとんど雰囲気で名前をつけちゃったような気もしないではありません。

「生」という言葉を使っているのはどうやら「柔らかい」というイメージから来ているようです。

じゃあ、何故柔らかいかと言うと、一般的なチョコレートは水分量が 3%以下でパリッと堅いものですが、生チョコは水分量が 10%以上で柔らかい食感なのだそうです。

じゃあ、どうやって柔らかくしているかと言うと、生クリームや洋酒を加えるとのこと。

ちょっと待った! 「生クリーム」って何でしょう?

「生クリーム」とは「生乳」のみで作られたクリームだそうです。生乳は分かりますよね。生の乳ですね。いや、人間のおっぱいじゃなくて牛の乳。

ちなみに牛から絞ったそのままが「生乳」、それを加熱殺菌して売られているのが「牛乳」、さらにいろんなものを加えて作ったのが「加工乳」とのこと。

で、その生乳から遠心分離で脂肪分を取り出して濃縮したものが生クリームで、脂肪分が 18%以上でないと生クリームとは呼べないのだそうです。

「生クリーム」の「生」は多分原材料の「生乳」から引き継がれた命名だったんですね。そして、多分原材料の「生クリーム」から「生」を引き継いだのが「生チョコ」。

Continue reading "生"

| | Comments (0)

« March 2024 | Main | May 2024 »