血中酸素濃度 [酸素飽和度] と(相対)湿度
【2月12日 記】 「血中酸素濃度が 95% を切るとヤバい」という話はよく聞く。
実際コロナに罹った人の話を聞いたり読んだりすると 80%台に落ちたからと言ってすぐに死んだりするわけではないらしいが、しかし、正常値がそんなに高いのってなんか違和感があって、「一体何に対しての 100% なんだろう?」とずっと思ってきた。
そもそも僕は、コロナ前までは血中酸素濃度なんて言葉は聞いたことがなくて、でも、家庭でもパルスオキシメータを買っておいたほうが良いと言われて調べたら、あの測定器事態は見たことがあった(それで我が家でも買って時々測っている)。
で、話は元に戻るが、血中酸素濃度って一体何なのか?
まさか、「血液中に占める酸素の割合」ではないだろう。もしそうなら血液のほとんどは酸素でできていることになって、そうなると血液はもはや液体ではないだろう。
幸いにして今の世の中はネットで調べると大抵のことは分かるので、もっと早く調べれば良かったのだが、昨日初めて Wikipedia などで調べてみた(以下、引用は全て Wikipediaから)。
それで分かったのだが、そもそも「血中酸素濃度」という言い方が不正確なのであって、「(血中)酸素飽和度」と言うのが正しいらしい。即ち、酸素飽和度とは「ヘモグロビンと結合し得る最大の酸素量に対する、実際にヘモグロビンと結合していた酸素量の割合」である。
なるほど、それなら分かる。
つまり、血液中ではほとんどの酸素がヘモグロビンと(いや、「ほとんどのヘモグロビンが酸素と」と言うべきなのか? よう分からんがどっちにしても)結合していないといけない、ということだね?
しかし、そんなもんがどうしてあのパルスオキシメータで測れるのかが今度は疑問になる。
それも Wiki には記述があって、「動脈血の拍動成分と非拍動成分の吸光度の比を利用している」のだそうだ。細かいメカニズムは分からないが、だから指先を透過するぐらいの光を当てて計測するわけだ。
◇
で、これを調べていて思い出したのだが、僕にはもうひとつ、似たような件で長年疑問に思っていることがある。
湿度って何だろう?
まさか空気中に占める水分の割合ではないだろう。それなら湿度 100% は水中にいるのと同じことになる。
日本では湿度の年間平均は 60 ~ 70% で、冬場は 50% を下回ったり、夏場はたまに 80% を超えたりもする。それを考えると、空気中の水分の量の割合でないことは自明である。
では、何なんだろう?
これも Wiki で調べてみた。こちらも厳密には相対湿度と言うのが正しいそうで、「飽和水蒸気量(水蒸気として存在可能な最大の水蒸気量)に対する、実際の水蒸気量の比率」なのだそうだ。
なるほど、それなら分かる。
では、水蒸気がもっと増えて飽和点を超えたらどうなるのか?
その場合は、水蒸気は凝集して液体となって結露を生じるのだそうだ。
なるほど、それもよく分かる。
ちなみに、「飽和水蒸気量は気温が高くなるほど大きくなり、1度あたりの増加量も拡大する。このため、相対湿度が同じでも、気温が高いほど空気中の実際の水蒸気量は多い」のだそうだ。
つまり、水蒸気量を比較すると、夏場の「湿度80%」は冬場の「湿度40%」の倍どころではないということか。
◇ ◇
血中酸素濃度も湿度も、単純な物質の含有率ではなく、理論上の飽和状態を 100 とした指標なのであった。
2つ調べて合点が行った。便利な世の中になったもんだ。
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