NHK『アイドル誕生 輝け昭和歌謡』
【1月3日 記】 NHK『アイドル誕生 輝け昭和歌謡』を観た。地上波でも放送していたが、僕は BS4K から録画しておいたのである。とても面白かった。
都倉俊一役の宮沢氷魚はともかくとして、阿久悠役が宇野祥平、酒井政利役が三浦誠己というめちゃくちゃ地味なキャスティングでこんな企画が通るのはさすがに NHK である。
しかも、宇野翔平も三浦誠己も宮沢氷魚も、人相骨格的には違うのだけれど、どことなく本人の雰囲気があるのだ。
そして、時代のアイドルを演じている若い女優たちもそうだ。
山口百恵役の吉柳咲良、ピンク・レディ役の山谷花純(ミイ)と中川紅葉(ケイ)、桜田淳子役の山口まゆ──みんな造形的にはそれほど似ていないのだが、彼女たちアイドルの魅力のあり方を上手に再現している。
歌手だけではない、裏方では久世光彦役が谷田歩、飯田久彦役が田村健太郎、有馬三恵子役が安藤玉恵と結構シブいところを揃えてある。一番笑ったのは土居甫役で長いもみあげをつけた迫田孝也だ。
ドラマでは、酒井を毛嫌いしたり、どこまでも新しさに執着したりする阿久悠のネガティブな面をあぶり出していて面白かった。そして、あの当時のスタッフや歌手の強い思いがよく現れていた。人を描くことによってあの時代の様相も丁寧に描かれていた。
僕らは阿久悠、都倉俊一、酒井政利、有馬三恵子、久世光彦、飯田久彦、土居甫らの名前と、彼らの手掛けた作品がしっかり記憶に刻まれている世代である。良いものを見せてもらった。
ちなみに、山口百恵を演じた吉柳咲良(きりゅうさくら)はホリプロ所属(つまり、百恵ちゃんの事務所の後輩である)で、第41回タレントスカウトキャラバン「PURE GIRL 2016」グランプリ受賞者なのだそうだ。
ミュージカル『ピーターパン』の主役も務めていたとのこと(つまり、こちらは同じホリプロの榊原郁恵の後継ということになる)。
2016年の受賞時はまだ12歳、今年の4月で二十歳とまだまだ若い。これからもっともっと伸びそうな気がする。この名前を憶えておこう。
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