あいみょんとユーミン
【5月26日 記】 もう何ヶ月も前に facebook で読んだ知人の記事がいつまでも心に引っかかっている。
彼はシンガーソングライターのあいみょんが好きらしいのだが、彼女を褒めるだけでは事足りなかったのか、「ユーミンを超えた!」と書いていたのだ。
そんなこと書くか? というより、その2人を比較するか? ──そこがどうしても僕には理解できない。あいみょんと松任谷由実を並べて論じようとする感性が理解できない。音楽性に共通点が少なすぎやしないか?
あいみょんとユーミンはキダ・タローとモーツァルトぐらい違う、とまでは言わない(キダ・タローとモーツァルトでは天と地ほどの隔たりがあるからこそ、キダ・タローが「浪速のモーツアルト」と自称していることがギャグになるのである)。
そこまでかけ離れているとまでは言わないが、逆に彼にとっては並べて比較したくなるほど近いのか? 僕からすると、そこが根本的に解せない。
かなり例は古くなるが、例えば「尾崎亜美は松任谷由実を超えた」とか、「倉木麻衣は宇多田ヒカルを超えた」と言うのであればまだそれは分からないでもない(ただし、いずれも超えてはいないと僕は思うけど)。
ジョン・デイヴィソンはジョン・アンダーソンを超えたと言うのであれば分かる(いずれもイエスのボーカリストだから。ただ、これも超えているはずがないと僕は思う)。
宇多田ヒカルは藤圭子を超えたと言うのであれば分かる(ジャンルは全く違うけれど母娘だから)。
──比較したくなるのはそういうケースじゃないだろうか?
松田聖子は山口百恵を超えたと言うのであれば、ま、比較したくなる気持ちは分からないでもないが、すでにしてこのレベルで、この2人を比較してしまうことの正しさを僕は疑ってしまう。
彼はユーミンもあいみょんも両方とも好きだからそんな書き方になってしまったのかも、と最初は思ったのだが、両方とも好きならなおさらこんな書き方はしない気がする。例えば僕は「MOONRIDERS は吉田拓郎を超えた」なんて言うだろうか? 決して言わない。決して縦に並べて比較しようとは思わない。
そういうわけで、彼が「あいみょんはユーミンを超えた」と書いていたのがいつまでも気持ち悪くて気持ち悪くて仕方がないのである。
この感じ解っていただけるだろうか?
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