友だち論
【5月22日 記】 みんなそうだと思うのだが、我々は長い人生で、恋愛相手も友だちも随分ととっかえひっかえやってきた。
恋愛の相手に関して言えば、好きになって、そのあとうまく行けば恋人になり(結婚する場合もあるが)、そのあと破局を迎えて、暫くして次の恋をする──という割合同じことの繰り返し(うまく行けばどこかでその繰り返しを阻止できる)だが、友だちのほうはもう少しバリエーションがある。
幼い頃からずっと続いている友だちもいれば、最近できた友だちもいる。前から知ってはいたが全然親しくなかったのに急に親しくなった友だちもいる。あれだけ仲が良かったのに些細なことから仲違いしてしまった友だちもいる。長らくの音信不通ののちに復活する友情もある。
そういうことを考えると、なんとなく幼馴染からずっと続いている友人関係が一番素晴らしい、みたいな印象を持ちがちなのだけれど、最近僕はそれは違うんじゃないかという気がしてきた。
その時の自分や自分をとりまく環境、あるいは時代などに相応しい友だちというのがあったのではないだろうか、と。
あの頃しょっちゅうつるんでいた友だちは、あれはあれで良かったのだ。今は全くつきあいがないが、それは多分今の自分が彼らを必要としてない、あるいは今は彼らが僕に相応しい友だちではないからだ──みたいな気がしているのだ。
昔からつきあいの長い友だちは単にたまたまずっと相応しい友だちであったというだけのことで、今後もそうだとは限らない。最近急に親しくなった友だちは最近僕が必要としている友だちなのだ──そんな気がしてきた。
じゃあ、今後の自分に相応しい友だちは誰なんだろう? そう思うと、新しい人との出会いもさることながら、最近ほとんどつきあいのない古い知り合いの中にもそういう人がいるような気がしてきた。ちょっと片っ端から昔の知り合いと会って話して、いろいろ確かめたい気がしてきた。
会って何を確かめるのかは分からない。けれど、僕が会ってみようと思う人が明日の僕の友だちなのかもしれない。
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