映画『シン・仮面ライダー』追記
【3月20日 追記】 昨日の記事を書いた後パンフレットを読んだら、庵野監督の面白い話がてんこ盛りだった。
コンテ通りに撮り始めていても突然監督が「今のカット、こっち側からも撮れませんか?」とか「今のテイクよりもさっきのほうが良かった」などと言い出して、“監督の画作りへの探究が始まる”とアクション監督や演出助手は四苦八苦したらしい。
現場でト書きが1行増えるごとに殺陣は3~4手増えたのだとか。
ちなみにカメラは常時4台で、多いときには iPhone10台とか、GoPro も使ったらしい。
CGのアニメーション・ディレクターも、監督は空中戦時の放物線の軌道にこだわっていて、動きが変だと言われるたびに1コマずつ修正して行くことになったと言っている。彼が理解しきる前に監督のアイデアが先行してどんどん発展してしまうのだそうだ。
主演の池松壮亮も、最初は自身のアクションは3割ぐらいで残りはスーツアクターでと言われていたのに、撮影中にどんどん増えてきて結局ほとんど全部をやらされてヘトヘトになっていたようだ。仮面ライダー役経験者のオダギリジョーから「俳優は変身したら終わりだから」と聞いていただけに驚いたようだが、結局はそれが良かったと言っている。
監督は役者の芝居にはあまり細かい指示を出す人ではないのだそうだが、芝居の NG はないのにマフラーがちょっと偏っていたからなどという“マフラーの NG”によるリテイクがとても多かったとのこと。
名前はもちろん知っていたけど、僕が庵野秀明を見始めたのは『シン・ゴジラ』からであり、従ってどんな人なのかあまり知らなかったのだが、これを読んで非常によく分かってきた(笑)
こういう記事をたくさん読むとパンフレットを買った意味があったと嬉しくなる。
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