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Friday, February 03, 2023

「キネマ旬報」2月下旬号(1)

【2月3日 追記】 今日発売の『キネマ旬報』2月下旬号を入手したので、今年も年末に書いた「『キネマ旬報』ベストテンの20位以内に入ってほしい邦画10本」とつきあわせてみる。

まず、2022年のキネ旬ベストテンの 1位から 20位は下記のとおりである:

  1. ケイコ 目を澄ませて
  2. ある男
  3. 夜明けまでバス停で
  4. こちらあみ子
  5. 冬薔薇
  6. 土を喰らう十二ヵ月
  7. ハケンアニメ!
  8. PLAN75
  9. さがす
  10. 千夜、一夜
  11. 犬王
  12. 夜を走る
  13. マイスモールランド
  14. やまぶき
  15. 流浪の月
  16. あちらにいる鬼
  17. 麻希のいる世界
  18. さかなのこ
  19. 夕方のおともだち
  20. 窓辺にて

今年は同点同順が多い。

僕が観ていないのは、4)、6)の『PLAN75』、12)、13)、14)の『やまぶき』、17)、19)。

そのうち 4)と 6)『PLAN75』、13) は良い評判も聞いていたのだけれど観ていない作品。17)は久しぶりの塩田明彦作品で観たかったのだが見逃した。それ以外は「何でしたっけ、それ?」という感じ。

いずれにしても他の映画賞ではカバーしきれないようなマイナーな作品がしっかりと評価されているのがキネ旬の特徴であり、素晴らしいところであると僕は思っている。

ちなみに 1位に選ばれた『ケイコ 目を澄ませて』は、僕は今年になってから観たので、去年選んだ「『キネマ旬報』ベストテンの20位以内に入ってほしい邦画10本」には当然含まれていない(もしも去年の内に観ていたらどうだったか?と言われても、それは分からないし、そんなことは考えない)。

さて、僕が劇場で鑑賞した映画で 20位までに入っている作品について言うと、概ね良い映画ばかりで、選ばれたことに驚きはない。3)と 5)が 10位以内に来るとは予想していなかったが、でも、選ばれて不思議のない作品だし、この辺りの選考がまことにキネ旬らしいと逆に嬉しくなったりもする。

6)の『土を喰らう十二ヵ月』もまたキネ旬らしいチョイスだと思うが、これについては僕は来そうな気がしていた(僕のリストには入っていないが、それは他の作品のほうが僕好みだったということに過ぎない)。

ただ、ひとつだけ言うと、6)の『ハケンアニメ!』だけはかなり意外だった。

僕はこの映画についてはそれほど高い評価をしなかった。それはテレビ局やアニメ制作というものの描き方に違和感を覚えたのと、そこに出てくるアニメのクオリティがどう見ても覇権を獲るような作品には見えなかったからだ。ドラマとしてはよくできていたとは思う。

また、14)の『流浪の月』についても僕は評価していない。と言うか、『ハケンアニメ!』については僕は否定的ではないが、『流浪の月』についてははっきりと否定的である。途中まではとても良かったのだが、あのラストに嫌悪感を覚えた。ただし、この作品は上位に来るだろうという予想はしていたので驚きはなかった。

では、僕が推した 10本のうち何本がこの 20位以内に入ったかというと、今年は 9位の『さがす』と 11位の『犬王』、20位の『窓辺にて』のわずか3本であった。この企画は 2006年から続けているが、ここまでの最低は 2012年の2本だったので、かろうじてワースト・タイは免れた格好だ。

では、残りの7本はキネ旬の何位にランクされているかを見てみよう:

まず、22位と 23位に『マイ・ブロークン・マリコ』と『ちょっと思い出しただけ』がそれぞれ入っている。惜しかったなという感じ。そして『愛なのに』が 28位。

そこからずっと飛んで 47位に『恋は光』。うーん、僕は強く押したけど、正直なところこのぐらいの順位か、もうちょっと下かと思っていた。50位以内というのは嬉しい気もする。

そして 52位に『夜、鳥たちが啼く』。これは、なんでこんなに低評価なの?と驚くばかりである。すごい出来栄えだったと思うのだが…。

そして 58位に『神は見返りを求める』。これも残念。悪くても 30位以内には入ると思っていた。

そして、『いつか、いつも……いつまでも。』が 113位。──と言うとどれぐらいの位置なのか分からないだろうが、要するにブービー・タイである。1人の審査員が2点を投じてくれただけである。まあ、でも、僕と同じようなところを多分しっかり見極めてくれた人がいるのだろうと思うと、これも嬉しい。

以上、結果的に 2017年、2018年、2020年と並ぶ3本という低打率である。こうやって見ると近年はずっと不調である(笑) しかし、今年は「選外」がなかった。「選外」のない年は珍しいのである。

いつも書いているように、この企画は僕のキネ旬ベストテン予想ではなく、僕が応援したい映画ということなので、単純に僕の好みと(映画賞の中で僕が一番信頼している)キネ旬の方向性との共通性、あるいは乖離度を示すものである。

まあ、こんなもんでしょ。こんなもんで良いのじゃないかな(笑)

毎年書いている Part 2 も近日中にアップするつもりである(分析と執筆にちょっと時間がかかると思うが)。

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