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Tuesday, January 31, 2023

さん付け記事の定着

【1月31日 記】 雑誌やウェブサイトが映画や番組の紹介記事を書くときに出演者をさん付けにするのが一般的になって来ました。僕はこれが気持ち悪くて仕方がないのです。

あちこちに何度かそんなことを書いていたら、昨日 twitter にこんなリプをしてくれた人がいます:

昔呼び捨てが基本だったのは、出演者側が視聴者に対してへりくだるという意味合いがあってのことでした。

ゆえにこの現象、謙譲の意味がわからない(どの立ち位置であろうが敬称を付ける=立ち位置の関係性すらわからない)人が増えた、そういう世の中になってきているのかなと感じます。

まさにそういうことだと思います。

先日も note に「翻訳というものは時々間違っていることがある」と書いたら、「翻訳家が間違っていると非難するのではなく、相手の立場になって考えたほうがいい」というリプがつきました。これも根っこは同じような気がします。

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Sunday, January 29, 2023

映画『ミスター・ムーンライト』

【1月29日 記】 映画『ミスター・ムーンライト』を観てきた。1966年のビートルズ来日公演をめぐるドキュメンタリ。当時の様々な関係者、及びファンへのインタビューを中心に構成してあり、ところどころフッテージも出てくるが、そっちよりも結構深いインタビューのほうがメインである。

僕はビートルズを、まずは社会現象として知り、彼らの解散後に遡って音楽を聴いて行った世代であり、もちろんビートルズの偉大さはよーく分かっているつもりだが、そんなに熱狂的なファンというわけではない。

今回見に行った一番大きな理由は「監督 東考育」という文字を目にしたからだ。この人はテレビマンユニオンに所属するディレクターで、僕が勤めていたテレビ局の海外体験番組でも海外取材Dとして何度も名前を連ねていた人だ。

「孝」という字はよく名前に使われるが「考」は珍しいのですぐに名前を憶えてしまった。名刺こそ交わしていない(と思う)が、スタジオやサブやスタッフルーム、あるいはテレビマンユニオン社内の廊下ですれ違っていても不思議はない。

で、これは見に行って良かった。とても面白かった。

この映画を観るまで知らなかったことがいくつかあって、ひとつは当初ビートルズは日本の音楽関係者にほとんど評価されておらず、東芝レコードの高嶋弘之という人が奔走して漸くレコードが発売され、人気が爆発し、大ヒット連発になったということ。

一般の大人たちが「うるさい」などと言って相手にしなかったのは解る(現に僕の父親もそうだった)が、音楽史的に見てもこれだけエポック・メイキングな曲作りとパフォーマンスを展開した彼らが業界人のおじさんたちにも当初は理解されなかったというのはとても意外な新事実だった。

それから、まあ、これは考えたら確かにそうだったのかもしれんと後から思ったが、日本武道館は言うまでもなく元々武道のために建てられた施設であり、そこでコンサートなんぞをやったのはビートルズが最初で、警備をはじめ前代未聞の対応だったということ。

そして、そのコンサートは、前座を除くとわずか 35分間で終わってしまったということ。今、僕らはスタジアムでのライブと言うと、大体2時間から2時間半ぐらいの長さを想定してしまうが、当時はそうじゃなかったのだ。そのわずか 35分に観客たちは大感激、大満足して帰って行ったということがにわかに信じがたいが、逆に言うとそれだけビートルズという存在がすごかったのかと驚いたりもした。

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Thursday, January 26, 2023

標語に思う

【1月26日 追記】 JR秋葉原駅構内のエスカレータを降りていたら、壁に貼ってあるポスターに

目の前の人をよけるより、大事なことってなんですか?

と書いてあるのが目に留まりました。

これ、読んでにわかに意味が分からなかった人もいるのではないでしょうか? 僕がそうでした。実はこれ「歩きスマホはやめましょう」という主旨の標語だったんですね。隣にスマホのイラストが書いてあったのでかろうじて分かりました。

僕はそれが分かった瞬間に、「これはダメだな」と思いました。この表現は僕には全く響きません。

家に帰って調べてみたら、これは全国の鉄道事業者が 2018年からやっている啓蒙活動で、このコピーは昨年末に採用されたものらしいのです。

うーん、なんでこんなものが採用されたんだろう?と首を傾げました。他にもいろいろなコピーがあるようですが、他にはそれほどひどいものはなくて、

ぶつかった、とあなたは思う。
ぶつかってきた、と周りは思う。

なんてのは正直悪くないなあと思います。

それに比べて冒頭の標語について言うと、僕はこの「大事な」という表現が決定的にダメだと思うのです。

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Wednesday, January 25, 2023

映画『そして僕は途方に暮れる』追記

【1月25日 追記】 最初に書いておくと、これはこの映画や出演者を貶したくて書いているわけではない。ただ「ここは分からない」という話:

僕は前の映画評に、主人公の裕一について「僕は彼に共感のカケラも感じない」と書いた。

観た人の中にはそれほどでもない人、つまり、「いやぁ、自分にも多少そういうところはあるし、解る気もしないでもない」みたいな人もそりゃあいるだろうとは思う。

しかし、驚いたのはパンフに載っていた藤ヶ谷太輔のインタビューである。彼は自分が演じたクズ男・裕一について、こんなことを言っているのである。

共感というよりは、かっこいいなと思いました。逃げ出したいなという欲は、人間誰しもが持っていると思うんですよね。でも、逃げたとしても、いずれは本来の生活に戻らなければいけない。それを想像すると、どういう顔で戻ってくればいいか、どう謝ればいいかわからないから、みんな仕方なく踏ん張っている。その逃げ出したい衝動に素直に従っている裕一って、逆にカッコいい人なんじゃないかなって思うんです。

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Monday, January 23, 2023

Play Log File on my Walkman #150

【1月23日 記】 めちゃくちゃ久しぶりにプレイログを載せます。気がついたら記念すべき 150回目みたいですが、なんと今回は5か月以上間が空いてしまってたんですね。

最近は毎回5曲ずつでしたが、今回は1曲おまけしておきます。

  1. 竜飛崎(かまやつひろし&よしだたくろう)
  2. 土曜の夜は羽田に来るの(ハイ・ファイ・セット)
  3. デーゲーム(坂上二郎と UNICORN)
  4. 哀愁のページ(南沙織)
  5. 我想うゆえに我あり(FLYING KIDS)
  6. 地球はひとつ(フォーリーブス)

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Sunday, January 22, 2023

映画『そして僕は途方に暮れる』

【1月22日 記】 映画『そして僕は途方に暮れる』を観てきた。

三浦大輔は僕とは非常に相性の悪い監督である。最初に観た『ボーイズ オン・ザ・ラン』だけはとても良かったので、その後も何本か我慢して観たのだが、いずれも印象が悪い。

特にセックスを描かせるとサイテーだ、と僕は思う。そのくせセックスを描こうとするから醜悪だ、と僕は思う。ひょっとして三浦監督のファンがこれを読んで怒り狂ったりされてもアレだから「と僕は思う」と添えておくが…。

それで今回はセックス・シーンがありませんように、と祈るような思いで見に行ったら、なかった! そして、映画も良かった!

ほとんど自分の都合しか考えていなくて、なにごとにもテキトーに対処してりゃ良いと高を括っており、都合が悪くなると一目散に逃げ出すクズ男・裕一(藤ヶ谷太輔)の話だ。僕は彼に共感のカケラも感じない。

しかし、僕はこういう男が主人公の映画は大好きだ。

彼の周りにもダメな奴がいっぱい出てくる。

浮気をした裕一に取り乱すが、そのくせ吹っ切れずにいつまでもうじうじしている同棲相手・里美(前田敦子)。

小学校時代からの親友だが、どんなに迷惑を被っても裕一に強く言うことができず、逆にへらへらと裕一を気遣うようなことを言ってしまう伸二(中尾明慶)。

裕一を甘やかし放題で、実の息子を君付けで呼び、「ありがとうございます」「すみません」などと丁寧語で喋ってしまう母・智子(原田美枝子)

そして、終盤から出てくる裕一の実父・浩二(豊川悦司)。この男がすごい。10年前に家族を捨てて逃げ、若い女と一緒になったが彼女とも離婚し、離婚のために友だちから借りた金を踏み倒し、社会との繋がりを断って毎日パチンコ三昧。

人生を「ぬるま湯だよ」と嘯き、裕一には「逃げて、逃げて、逃げ続けろ」とアドバイスする。タイプは違うが責任逃れの仕方が僕に自分の父親を思い出させて胸くそが悪くなった。

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Thursday, January 19, 2023

『ナイン・ストーリーズ』J.D.サリンジャー(書評)

【1月18日 記】 そもそも僕は同じ本を何度も読んだり同じ映画を何度も観たりするほうではない。そんな時間があったら新しいものを読み、新しいものを観たいのである。

にもかかわらず、今回この短編集を手にとるのは何回目だろう? 僕が初めて読んだのは大学1年の教養過程で選択した英文学の授業だ。Contemporary American Jewish Writers という教科書で The Laughing Man を(当然原文で)読んだ。

僕はこの時までサリンジャーという作家を知らなかったのだが、最初に読んだのがこの作品であったがために、その後彼の小説を、作品によっては何度も何度も、そして、原文と何種類かの翻訳を合わせ読むことハメになったのだと思っている。

この授業に出ていたのは、恐らくほとんどは文学部の学生で、経済学部から毎回出席していたのは僕ひとりだったはずだ。教室内に知り合いはひとりもおらず、感想を語る相手もいなかったが、僕はそこからサリンジャーにのめり込んだ。

この短編集はライ麦畑とも一連のグラス・サーガとも随分違う。ホールデンもグラス家の子どもたちも出て来ない。9歳の「僕」と、彼が属していた「コマンチ・クラブ」(活動内容はカブスカウトみたいなものだと思えば良い)の「チーフ」との思い出である。

チーフが語る「笑い男」というヒーローのストーリーに夢中になりながら、その一方でチーフの失恋らしきもの、言わば大人の世界を垣間見る少年の繊細な心を描いている。

僕はこれを英語で読んだ後、野崎孝訳で『ナイン・ストーリーズ』9篇を読んだ。そして、長い長いインターバルを措いて、長らく買ったまま読まずにいた雑誌 monkey business (2008 Fall vol.3)の柴田元幸訳でまたこの9篇を読み返したのである。

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Wednesday, January 18, 2023

シャワー・ヘッドを買い換えた

【1月18日 記】 お風呂のシャワー・ヘッドを買い換えた。シャワーヘッドには夫婦ともにわりとこだわりがあって、前の家でも買い換えているし、今の家では元から付いていたものから数えて3台目である。

強い水流のものがほしくてずっと探してきたのだが、昨今は肌にやさしい水流のシャワーが大流行で、水勢の強さをアピールするものがほとんどない。売り場で店員に訊いてみたこともあるが、「そうなんですよ。最近はやさしいものばかりで…」などと言われた。

しかし、それにしてもなんでみんなそんな弱い水流のものを好むのだろう。節水の効果は分かる。しかし、もっと肌にやさしいものを求める気持ちが分からない。今までシャワーを浴びる度に「いてっ! いててっ!」と飛び上がっていたわけでもあるまいに…。

まあ、他人の好みは置いといて、一番困るのは売り場で実体験できないところである。ハンズなどではたまにアクリル板の箱の中にシャワー・ヘッドを入れて水を出し、横の穴から手を突っ込んで確認できるようになっていたりすることもあるが、それもせいぜい1台か2台である。

できることなら、売り場の商品全部を試してみたいのに、それはできない。多少説明を聞いたり読んだりはできるものの、結局当てずっぽうで買うしかないのだ。

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Monday, January 16, 2023

シェーバーを買い換えた

【1月16日 記】 シェーバーを買い換えた。今までずっと BRAUN を使ってきたので今回も BRAUN にしたのだが、今まで使ってきたやつよりも遥かに安いやつにした。性能的にはあまり変わらないのではないかという気がしたのである。

今まで使っていたやつは、動かなくなったわけではない。買い換えると高いから、一部塗装は剥がれてきていたが、このまま辛抱して使い続けようかと暫く躊躇していた。

ただ、充電池の持ちがとても悪くなったのと、切れ味が幾分悪くなっている気がしたのである。

同じ替刃を長く使っているので、多分刃を交換すれば切れ味は戻るのかもしれないが、替刃交換サインのランプが点かなくなっているので、交換時期が分からなくなっているということもある。

髭剃り自体の機能ではなく、むしろ充電とか交換ランプとか、そういうところの劣化や故障が買い換えの直接の動機になったわけだ。そして、髭剃りの機能自体はもうこれ以上あまり進化できないところまで来ているような気がしたことが、今回安いものに換えた理由である。

シェーバーの構造は単純だ。モーターを回してその動きを刃に伝える。そのまま回転運動にするのか、ギアを噛ませて往復運動にするのかは別として。

あとは網の構造だ。ヒゲを取り込みやすいように、これは長年かけて研究され、かなり改善されたのだろうと思うが、そろそろ限界じゃないかな、という気がした。

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Saturday, January 14, 2023

映画『ケイコ 目を澄ませて』

【1月14日 記】 映画『ケイコ 目を澄ませて』を観てきた。三宅唱監督の前作『きみの鳥はうたえる』はとても良かったし、何よりも岸井ゆきのは 2015年のTV『るみちゃんの事象』や2016年のTV『ランドリー茅ヶ崎』と映画『ピンクとグレー』(『愛がなんだ』や『おじいちゃん死んじゃったって』より前だ)以来ずっと目をつけて応援してきた女優だから。

冒頭でケイコ(岸井ゆきの)は両耳とも難聴でほとんど聞こえないという説明がテロップで出たので驚いた。多くのドラマではそういうことをちょっとした出来事や誰かの台詞で観客に伝える。この映画ではそんなところに時間を割いている暇などないということか?

そのケイコが荒川区にあるボクシングジムに通い、プロのライセンスも取って、デビュー戦にも勝った。映画はその時点から始まる。

ケイコは東京で弟(佐藤緋美)と同居している。母親(中島ひろ子)は彼女の試合のときなどに上京してくるが、怖くてまともに試合を見られない。彼女がリングサイドで撮った写真が劇中で紹介されるが、手ブレなんてもんではなく、ほとんど識別できないぐらいにピントがずれ、画が流れている。

ジムには会長(三浦友和)の下に2人のトレーナー、林(三浦誠己)と松本(松浦慎一郎)がいて、ケイコは彼らの指導を受けている。

耳が聞こえないということは、ゴングもレフリーの指示もセコンドの声も聞こえないということで、これは相当なハンディキャップである。会長はインタビューに答えてそう言っている。そして、彼女には才能はないと言い切ったあとで、「でも、目がいいんだよね」と言い、人間性も褒めている。

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Friday, January 13, 2023

ジャニーズ事務所歴代アイドル・グループ・メンバー名ゲーム

【1月13日 記】 あなたはジャニーズ事務所の歴代スーパー・アイドル・グループのメンバーをどれだけ、どの時代まで言えますか?あるいは、名前は思い出せなくても、この人はこのグループのメンバーだと識別できますか?

──これは今となっては完全に高齢者向けのゲームですが、僕はこのゲームを 20代の後半からやってきました。

僕らはジャニーズ事務所ができた頃にはすでにテレビを観ていたので、ジャニーズ、フォーリーブスの時代から知っています。ただ、ジャニーズの頃はまだ小さかったので、飯野おさみと青井輝彦(のちのあおい輝彦)しか憶えていません。

フォーリーブスの4人は当然4人ともフルネームで言えましたし、今も言えます。

そのあと郷ひろみや豊川誕らソロのトップ・アイドルが続きましたが、80年代に入ってまず“たのきんトリオ”が順にデビューします(ただし、これは後付けの愛称であってグループ名ではないですね)。そして、そのあとがシブがき隊、少年隊、男闘呼組と続きます。

僕らはこの頃からこのゲームを始めていました。僕の個人的な経験としては男闘呼組までは全員の名前をすんなり言えたのですが、80年代後半になって光GENJI が出てくると、メンバーが多すぎて7人全員の名前を憶えきることはできませんでした(名前や写真を見たら「あ、そうそう、こいつ」と思うんですけどね)。

でも、その少し前に、会社の同期に「シブがき隊のメンバーを全員言える?」と訊いたら「シブガキタイって何?」と言われて、ああ、20代男性でもすでにこういう人はいるのか!と驚いたのでした。

そう言えば高校時代、郷ひろみの全盛期に郷ひろみを知らなかった同級生がいたのを思い出しました。わりとガリ勉っぽいイメージの男子だったのですが、「え、郷ひろみ知らんの?」「テレビ見ぃひんの?」などと周りからワーワー言われて、彼は「そんなもん知らなくて何が悪い」と開き直るのではなく、顔を真っ赤にして恥ずかしがっていたのをよく憶えています。

そう言えばもうひとり同じような奴がクラスにいたのを思い出しました。同級生2人が天地真理が可愛いか可愛くないかをめぐって激論しているところを通りがかって、そのうちの1人から「なあ、天地真理可愛いよな?」と訊かれ、彼は「え、何組の子?」と訊き返したのでした(笑)

でも、そんなもん知らなくても何の問題もありません。はい、知らなくても立派に生きて行けます。ただ、僕が驚いたのは、放送局に勤めていてシブがき隊を知らない 20代男性がいるという事実でした。

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Tuesday, January 10, 2023

映画『ファミリア』

【1月10日 記】 映画『ファミリア』を観てきた。閉館が決まっている東映直営の丸の内TOEI。(すみません、ちょっと今回はネタバレっぽいかもしれません)

随分と暑苦しそうな映画だなと思ったのだが、ブラジルからの移住者という珍しいテーマだったのに惹かれて観に行った。出てくる風景も日本の都会とは違って独特の世界である。

監督は成島出。脚本を書いたいながききよたかは実際に豊田市にあるブラジル人が多く住む団地の近所で育ったのだそうだ。

映画が始まったらいきなり構図に圧倒された。

森の中の画面奥のほうで神谷誠治(役所広司)が木の根っこの辺りから陶器に使う土を掘り起こして袋に詰めている画。

そして、ブラジル人が何千人も住んでいる団地の、2つある棟の間に小さな棟をもう一つ建てて連結したみたいな変わった形の建物。よくもまあこんな団地を見つけたものだ、と思ったら、まさにこのロケ地自体こそが、豊田市にある住民のほとんどがブラジル人という団地そのものだった。

その連結棟のかなり高い位置から俯瞰の映像がするする降りてきて、水商売から帰ってきた女たちとこれから仕事に出かける男たちを捉えたかと思うと、その側の道を走る誠治の車などをドローンを使った長回しで追う。

家の周りのシーンでも、固定ではなく結構動きのある長回しを多用していて、とても印象的だった。冒頭の土掘りだけでなく、学とナディアの引き画の2ショットも力強かった。撮影監督は藤澤順一だった。

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Sunday, January 08, 2023

映画『恋のいばら』

【1月8日 記】 映画『恋のいばら』を観てきた。城定秀夫監督。

あまり日本では評判にならなかった『ビヨンド・アワ・ケン』という香港映画のリメイクであるらしい。脚本は城定監督と『愛がなんだ』や『かそけきサンカヨウ』の澤井香織の共同。めちゃくちゃ面白かった。

莉子(玉城ティナ)はポールダンサーのいるナイトクラブでバーテンのアルバイトをしながらプロのダンサーを目指している。睫毛パーマに可愛いマニキュア、インスタの投稿もおしゃれな女子。カメラマンの健太朗(渡邊圭祐)と交際している。

莉子がバスに乗っていると、他の席も空いているのに隣に桃(松本穂香)が座ってくる。桃は図書館で働く地味なメガネ女子。莉子は桃のことを知らないが、桃は「話がある」と言って莉子を無理やり喫茶店に連れ出す。

桃の話によると、健太朗は桃の元カレで、桃は彼に振られたのだが彼に撮られた写真でリベンジポルノみたいなことをされないか不安で仕方がないと言う。莉子は初めは桃を相手にしなかったが、そういえば自分もベッドの上で健太朗に写真を撮られたことがあったことを思い出し、不安になる。

結局、莉子は桃に連絡を取り、2人で彼の家に忍び込んで、恐らく彼の PC の中にあると思われる写真を消す計画を立てる。桃が持っていた合鍵で開けようとするが、鍵は取り替えられていて入れない。まずは彼から鍵を盗んで合鍵を作るところから始まる…。

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Saturday, January 07, 2023

テレビのリモコン考

【1月7日 記】 テレビのリモコンというものが世に出てきたときに、僕の伯母は「そんな便利なもんがあるんやったら、私もそれ買うわ」と言い出して、「いやいや、リモコンだけ買っても動かんよ。テレビも一緒に買い換えんと」と大笑いした記憶がある。

──なんてことを書くと、「え、テレビには昔リモコンが付いてなかったの!?」と驚く世代もいるだろう。そう、リモコンはなかったのである。

では、どうやってチャンネルを変えていたかと言うと、金庫のダイヤルみたいなやつをくるくる回していたのである。それがやがて画面の横に押しボタンが付くようになり、それがやがて押しボタンの付いたリモコンになった。

そして、かつてはテレビしか見られなかったテレビが、テレビ以外も見られる多機能の機械に進化したので、今のリモコンにはチャンネルボタンの他にプリセットボタンが付いている。

これはメーカーと機種によってさまざまで、たとえばウチのテレビには hulu、U-NEXT、ABEMA、YouTube、NETFLIX、Amazon Prime Video、TSUTAYA と、メーカーが用意したなんだかよく分からないボタンがついている。

これを変えたいのである。

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Thursday, January 05, 2023

人生初歌舞伎-追記

【1月5日 追記】 昨日生まれて初めて歌舞伎を見に歌舞伎座に行って、気づいたことをいくつか。

ひとつめは、初めて観る人に対して親切だな、ということ。

ホームページの記事でも歌舞伎座内のアナウンスや掲示でもいろいろなことを教えてくれています。

普段の服装で見に来て構わないとか、座席で食事をしても良いが黙って食べろとか(笑)

確かに僕も最初は、せめてブレザーぐらいは着て行かなければならないかな、と考えたくらいです(結局はセーター着て行きましたが)。冷静に考えたら、晴れ着や正装でないと見せてくれないなんてはずはないのですが、歌舞伎というと何となくそんなイメージがありました。

それから席で食事して良いのかどうか、持ち込みはアリなのかどうか、今回の公演がちょうどお昼時にかかる時間帯だったので、これはかなり心配しました。でも、ちゃんと事前に教えてくれました。

みんなフツーに食べてますね。ま、どうやら幕間に食べるのが礼儀で、公演の最中に弁当食ってる人はいませんでしたが(そこまでは教えてくれませんでしたw)。

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Wednesday, January 04, 2023

人生初歌舞伎

【1月4日 記】 歌舞伎座で『壽新春大歌舞伎』第一部を観てきました。人生初歌舞伎鑑賞です。Photo_20230104170501

僕は父親が貿易関係の零細企業を経営していて、2度も倒産して自分の学習机にも差し押さえの紙を貼られるなど、そこそこ貧しい環境で育ってきたので、ゴルフとオペラと歌舞伎は自分には一生縁がないだろうと思っていました。少年時代の僕にはそういうものは大金持ちの象徴に見えたのです。

ところがゴルフは会社に入って営業セクションに配属されたら無理やり始めさせられました(日本人が猫も杓子もゴルフをやり出した時代でしたね)。ちっとも楽しくなかったけど。

あとはオペラと歌舞伎ですが、ま、日本人に生まれたら一度歌舞伎に親しんでみたいという気持ちは中年に差し掛かったころからずっとありました。妻に訊いてみたら彼女もほとんど観たことがないと言うので、僕が会社を辞めて暇になったこともあり、それじゃ行こうということになった次第です。

で、歌舞伎に詳しい元部下の女性に懇切丁寧な教えを請うた上でこの公演を選びました。演目は「卯春歌舞伎草紙」と「弁天娘女男白浪」。

前者は歌舞伎らしい華やかなステージが見られそうだし、後者については、白浪五人男であれば 1980年代半ばに下北沢のスズナリに足繁く通った劇団鳥獣戯画の“歌舞伎ミュージカル”で何度か見ていて、ある程度の設定は知っているのでいいかなと思って。

一応ホームページに載っていたあらすじを読んで軽く予習をした上で、イヤホンガイドも予約しました。

さらにたまたま前々日にテレビをつけたら NHK Eテレで、この歌舞伎座公演を含む新春歌舞伎の紹介番組が放送されていて、しばし見入ってしまいました。

当然上記2つの演目もダイジェスト的に紹介されたのですが、それよりも同じ公演の第三部の『十六夜清心』が生中継されて、貞女から悪女に豹変する七之助の見事な演技に完全に魅了され、なるほど歌舞伎の“芸”とはこういうものか!と、ほんの一部ではありますが少しその魅力が解ったような気になりました。

事前にこの番組を見られたのは大変良かったと思います。見終わって暫くは夫婦揃って七五調で喋っていましたが(笑)

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