掘り出しモノ賞
【12月27日 記】 ひとつ前の記事に書いてしまったが、2022年の掘り出しモノ賞は『大河への道』にしたい。
全然知らない監督だったし、予告編を見てもとりたてて劇場で観たいとは思わなかった。ま、自分が所属している会社の出資作品でもあるしということで、言わばお義理で見に行ったようなものだったが、これが面白かった。
とにかく脚本が良く書けている──と思ったら、森下佳子だった。なるほど、そりゃ面白いはずだ。時代劇的なカタルシスもほどよくあって、現代劇的なギャグやオチもちゃんとある。
そして、最後の完成した大地図の俯瞰を筆頭として、随所に良い画がたくさんあった。カメラマンは柴主高秀だ。
こういう具合に期待せずに観た映画が面白いと満足感が倍増する。こういう作品こそ掘り出しモノ賞に選んでおくべきだと思った。
掘り出しモノ賞は twitter ベースの映画賞である coco賞の投票部門のひとつだった。今はもうこの賞自体が存在しないようだが、僕はこの部門が大変気に入っており、賞がなくなった後も自分で選び続けている。
大抵は年が明けてから選出していたのだが、今年は年内にこれに決めた。
これまでに選んだ作品は下記のとおりである。
- 2012年度『ミロクローゼ』
監督・脚本:石橋義正、撮影:小山田勝治
出演:山田孝之、石橋杏奈ほか - 2013年度『四十九日のレシピ』
監督:タナダユキ、脚本:黒沢久子、撮影:近藤龍人
出演:永作博美、石橋蓮司ほか - 2014年度『がじまる食堂の恋』
監督:大谷健太郎、脚本:永田優子、撮影:池田直矢
出演:波瑠、小柳友ほか - 2015年度『私たちのハァハァ』
監督:松居大悟、脚本:舘そらみ・松居大悟、撮影:塩谷大樹
出演:井上苑子、大関れいか他 - 2016年度『の・ようなもの のようなもの』
監督:杉山泰一、脚本:堀口正樹、撮影:沖村志宏
出演:松山ケンイチ、北川景子 - 2017年度『おじいちゃん、死んじゃったって。』
監督:森ガキ侑大、脚本:山﨑佐保子、撮影:今村圭佑
出演:岸井ゆきの、光石研ほか - 2018年度『blank13』
監督:斎藤工、脚本:西条みつとし、撮影:早坂伸
出演:高橋一生、松岡茉優ほか - 2019年度『ウィーアーリトルゾンビーズ』
監督・脚本:長久允、撮影:武田浩明
出演:二宮慶多、水野哲志ほか - 2020年度『青くて痛くて脆い』
監督:狩山俊輔、脚本:杉原憲明、撮影:花村也寸志
出演:吉沢亮、杉咲花ほか - 2021年度『老後の資金がありません!』
監督:前田哲、脚本:斉藤ひろし、撮影:佐光朗
出演:天海祐希、草笛光子ほか - 2022年度『大河への道』
監督:中西健二、脚本:森下佳子、撮影:柴主高秀
出演:中井貴一、松山ケンイチほか
Comments