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Wednesday, November 30, 2022

綾瀬はるか対長澤まさみ

【11月30日 記】 世間でそういう捉え方をしている人はあまりいないと思うが、僕は綾瀬はるかと長澤まさみをライバル視している。いや、僕が2人の女優を自分のライバルだと思っているという意味ではない(笑)

綾瀬はるかと長澤まさみがお互いにライバル関係にあると捉えているということだ。

それは2人がまだ随分若かった頃に同じ役を演じたからだ。

同じ役を演じればライバルなのかと言うと必ずしもそうではない。例えば今年の3月に舞台で『千と千尋の神隠し』の主役・千尋をダブルキャストで演じた橋本環奈と上白石萌音がライバルかと言えば、そんな感じはしないだろう。

橋本環奈が福岡の地元芸能事務所から『週刊ヤングマガジン』のグラビアを経て売れだしたのに対して、上白石萌音は東宝シンデレラの特別賞出身だ。その年のグランプリは妹の萌歌が受賞しており、イメージとしては彼女のライバルはむしろ上白石萌歌なのかもしれない。

いずれにしても橋本環奈と上白石萌音ではタイプも相当違うし、そもそも『千と千尋』をやった時には2人ともすでにかなり売れていた。だから、この舞台をきっかけにライバルというイメージが生まれたりもしなかったのだろうと思う。それに、僕はその舞台を見ていないのだから、それで2人をライバル視するはずもないし。

それに対して、綾瀬はるかと長澤まさみはともにデビューしてまだ日が浅く、名前もそれほど売れていなかった時期に『世界の中心で、愛をさけぶ』の主役を務めた。白血病で亡くなる少女・廣瀬亜紀の役だ。

その2つを僕は両方とも観た(ともに2004年)。そのことによって、僕の頭の中に「2人はライバル」という図式がしっかりと描かれてしまったのだ。

ただし、綾瀬はるかは TBS の金ドラで、脚本は森下佳子、演出は堤幸彦や平川雄一朗ら、相手役は山田孝之、長澤まさみのほうは行定勲監督の映画で脚本は坂元裕二や伊藤ちひろら、相手役は森山未來で、同じ役とは言っても全く違う脚本を全く違うディレクターが演出した、かたやテレビの連続ドラマ(全11話)、こなた2時間規模の映画なわけだから、両作を比較することによって単純に2人の女優を語るのは酷である。

とは言いながら、僕は当時、「ああ、長澤まさみのほうが遥かに巧いし、遥かに良い女優だなあ」と思ってしまった。そして、その時以来ずっとこの2人を比較しながら見る癖がついてしまったのである。

あれから年を経て、2人とも母親役が回ってきたりするようになった。そして、間違いなく2人とも大女優になった。

でも、10年近い歳月を見守ってきて、僕はやっぱり長澤まさみのほうが好きだし、巧いと思う。

いや、長澤まさみ優越論をぶって綾瀬はるかファンと一戦を交えようなどという気は全くなくて、単に「どうも僕は2人を並べて見てしまうんですよ」という話と、「で、僕は長澤まさみのファンなんですよ」という話を書いている。

近年の役柄を並べてみると割合向こう気が強いキャリア・ウーマンの役が多いが、『コンフィデンスマンJP』の脳天気系から『エルピス』の神経症的な感じまで結構幅が広く、『キングダム』でスーパーヒーローを演じたかと思えば、『シン・ウルトラマン』ではなんと巨大化して街を闊歩している(笑)

『嘘を愛する女』や『MOTHER マザー』などでの嫌な女っぷりも非常に印象が深い。彼女は今後、そういう役柄を含めてどんどん幅を広げて行くのではないかという期待感がある。

女優の中にはいくつになっても主役を張りたがる人や、良い役しかやりたがらない人もいるが、たとえば松坂慶子のように、若い頃はまさに「美人女優」の代名詞だった人が、年を取って太って、ほんとにそこら辺にいる“がさつなおばちゃん”役が見事にハマっている人もいる。あの吹っ切れ方はすごいな、といつも思うのである。

長澤まさみが年を取ったときに太るかどうか、がさつなおばちゃんを演じるかどうかは分からない。でも、彼女の役柄はきっとどんどん広がって、きっととても貴重な存在として芸能界に残って行くのだろうと僕は見ているのである。

その辺りは綾瀬はるかのイメージとは随分違うのではないだろうか? いや、重ねて書くが、綾瀬はるかが嫌いなわけでもないし、彼女がダメだという気もまるでないので、念のため。

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Comments

同感です。私はどちらも好きで、優劣はつけられませんね。

Posted by: のはら | Saturday, December 03, 2022 11:23

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