Kindle のマーカー(ハイライト)に思う
【11月5日 記】 Kindle で読書していると、本文中の気になるところにマーカーを引くことができる(Kindle での正式名称は「ハイライト」)。
僕もその機能を使っている。これは主に後に書評を書く時に引用するかもしれないところを記録しておくためである。紙ではなく電子デバイスを利用する最大の利点は検索可能性である。マーカーを引いておけば、後から探し出すのはなおのこと楽になる。
そして、Kindle では他の人がラインを引いたところも分かる。もちろん全部ではないだろう。多くの人(というのがどれくらいのところを基準にしているのか分からないのだが)がマークした箇所に(自分がマークした塗りつぶしではなく)点線の傍線が引かれ、そこに「○人がハイライトしました」みたいな註釈がついている。
これを見るといつもびっくりするのである。
僕がマーカーを引く箇所とはほとんど一致することがない。はぁ~、君らはこういうところに何かを感じたのか!と心底驚く。
僕にしてみればそこは鋭い指摘でも巧い表現でもなく、筆者の特徴や力量を物語る箇所でもないし、それどころかその書物で重要な部分でさえないと思うことが多い。
とにかく、なんでそんなところに線を引くのか不思議で仕方がないのである。
これはやっぱり若い人たちの本の読み方が変わってきているということなのかな、と思う。このマーカーの一件だけで他の読者の読み方を批判したり否定したりする気はないが、やっぱりちょっと不安な気分になってしまうのである。
ただ、こんな風に自分以外の読者の読み方の片鱗が分かるというのも電子書籍の特徴ではある。
他人の読み方にいちいちイライラしたり(いや、僕はイライラまではしていないが)びっくりしたりすることなく、ただ虚心坦懐にそれを知れば良いだけなのかもしれない。
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