人物がちゃんと描けていない小説の映画化
【10月20日 記】 僕は人物がよく描けている小説が好きだ。しかし、世の中には現実に、あまり人物がうまく描けていない小説がある。
僕にしてみれば、なんでそんな本を出版するんだろう?という感じなのだが、実際そういう本でも売れるから本になるんだろう。しかし、僕はそういうのはあまり読む気にならない。
1作か2作読んでげっそりして2度と読まない作家が、僕には少なからずいる。あえてジャンル分けして言うとすれば、ミステリ系の作家に多いように思う。とにかくトリックを埋め込んでストーリーを構築することに汲々として、肝心の人物が掘り下げられていない、という感じだ。
実名を書いて、万一熱狂的なファンに噛みつかれたりするのは嫌なので、ここには名前を書かないけれど。
だけど、そういう作品が、素晴らしい脚本家の手を経て、素晴らしい映画やテレビドラマになることはよくある。あの小説がこんな素晴らしいドラマになるのか、あんな作家が書いた人物がこれほど人間らしい内実を身につけたのか、と驚いたことが何度もある。
人物がろくに描かれていないから、脚本家は肉付けがしやすいのだろうと思う。下手に中途半端に書き込まれていると、そこから人物をリアルに動き出させるのは簡単ではないだろうから。
だから、僕がげっそりして2度と読んでいない作家の名前と僕が心酔している脚本家の名前がスタッフ欄に載っていたりすると、その映画やドラマにはとても期待してしまう。
そんな映画がまた1本、もうすぐ公開される。とても楽しみにしている。ここには具体的に書かないけれど(笑)
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