学校給食
【8月14日 記】 今でも時々学校給食のことを思い出す。とにかく不味かった。
給食というものは各地で別々に作るものだから、地域によっては美味しいということもあるのかと思って妻に訊いてみたら、やっぱりどれもこれも不味かったと言う。
あの時代の給食は総じて不味かったのかもしれないと思ったりもするのだが、しかし、自分の小学生時代に、少しでも量の多いお椀を奪い合っていた同級生のことを思い出すと、どうにも納得が行かない。
大きな鍋で教室に運ばれてきた給食を小学生がお椀などに取り分けて行くわけだから、そんなに均等にはならない。それで、少しでも量が多いお椀を見つけて、そこにペッとツバを吐いて、「もう、ツバつけたから、これは僕のもの」などと言っている同級生たちが何人かいた。
そうまでして取りたいのか!と小学生の僕は驚愕した。僕には理解できなかった。僕は少しでも量の少ないものを選びたかった。人の味覚というのはそれほどまでに違うのだろうか?
給食の話をすると、「でも、○○だけは美味しかった」とか「○○は大好きで楽しみにしていた」とか言う人がいるのだが、それも僕には分からない。僕にはどれもこれもただひとつの例外もなく悉く不味かった。
何年生の時だったか忘れてしまったが、保護者による給食試食会が学校で催されて、母が参加してきた。
そして、帰ってきた母はこう言った。
あんなに不味いものを食べているとは知らなかった。これからは無理して全部食べなくていいから。不味かったら残していいから。
好き嫌いが多かった僕は、家ではいつも母に「全部食べなさい」と叱られていた。母は真面目な人で、学校で決めたルールを守らなくても良いと言うような人ではなかった。
にも関わらず、母はもう無理して全部食べなくていいと言った。給食のことを考えるといつもこのことを思い出す。
今ではもっと美味しくなっているのだろうか?
« 政府広報 | Main | 映画『野球部に花束を』 »
Comments
とても美味しくなっています。献立も多様でいろいろな国の料理などもあります。器も味気ないアルミの型崩れしたものなどではなく綺麗なお皿です。
Posted by: / | Monday, August 22, 2022 16:39