映画『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』
【6月26日 記】 映画『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』を観てきた。5月に観た『復讐者スカー』に続く、3部作の最後。
コロナの影響でイタリア・ロケができなくなり、仕方なくほぼ全編グリーンバックで撮影したと聞くと改めて本当に驚いてしまう。特に今作のパンフレットには撮影のエピソードや写真がふんだんに掲載されており、これを読むとなおさらだ。
そういう意味ではやはり曽利文彦監督の集大成的な映画なのだなと思う。
豪華なキャストに派手なアクション、圧倒的な CG/VFX、そして壮大なドラマ。何もかもが掉尾を飾るにふさわしい出来である。
ただ、いつも書いているように、何を読んでも何を観てもすぐに忘れてしまう僕だから、随所に「あれっ、こんな話だったっけ?」というところがあり、「でも、例によって忘れているだけかも」と思い直して見続けていたのだが、やっぱり「いや、絶対にこんな話じゃなかった」と確信するに至った。
で、そこで初めて気づいたのである。僕は原作を読んでおらず、TV版アニメを観ただけなのだ。TV版アニメは途中で原作を追い抜いてしまったこともあって、終盤はオリジナルストーリーでの展開となったのだった。僕はそのことを忘れてしまっていた。
どうやら、(映画化のために当然端折ったり入れ替えたりはしているだろうが)これが原作のストーリーであるらしい。
しかし、先にTV版を観てしまった僕としては、「なんだか小綺麗なまとめ方をしてしまったな」という思いがしたのも事実。こんなにきれいにカタがつかなかった分、テレビアニメのほうがダークかつリアルで、余韻が深かったように思う。
ただ、今作の長い長いエピローグの最後のほうの、汽車のプラットフォームでのウィンリィとエドのシーンにはちょっとうるっとしてしまった。
今作でも特殊メイクはものすごく、前作の山本耕史、筧利夫に続いて、今回はバッカニア中尉が丸山智己だったとは全く分からなかった(笑)
客の入りはあまり芳しくないようだが、少なくとも曽利イズムは貫徹できたんじゃなかろうか。結局のところこの映画を一番楽しめるのは、原作漫画もTV版アニメも見ていない人ではないだろうかという気がしている。
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