『欲望で捉えるデジタルマーケティング史』森永真弓(書評)
【6月29日 記】 森永さんのセミナーはもう何度聴いたか分からないぐらい聴いているが、あの森永さんがこんな本を書くとは思わなかった。
しかし、読んでみて分かったのだが、これは僕らが読む本ではなかった。
森永さんとは微妙に違うとは言え、近い業界にいて接点のある仕事に就いている者からすると、ここに書いてあることはほとんど知っていることなのだ。
確かに知らない用語も2~3はあったし、知っているとは言え全てを記憶しているわけではないので、「ああ、確かにそんなのあったなあ」とか「あ、それはそうだったか」などと思ったところもいくつかはあった。
これはそういうのをきっちり整理してまとめてくれた本である。言うならば教科書的なのである。が、僕らの学年の教科書ではない。
インターネットの歴史を俯瞰的に捉えて、欲望というキーワードで整理したもので、こういうことにそれほど詳しくない方が読むにはうってつけの本だろう。
ただ、長年の森永ファンからすると、「オタク」を自認し標榜している森永さんにしては随分オーソドックスな本で、ちょっとファン・サービスに欠ける気さえした(笑)
そう、森永真弓はすでにそういうファンを抱えたオタクのスターなのである。次はそういうのを期待している。
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