映画『きさらぎ駅』
今日は最初は『冬薔薇』を見に行こうとしていたのだが、駅に行ったら人身事故の影響で電車が止まっていた。駅のアナウンスが言っている復旧の見込みの時間まで待っていると、映画が始まってしまう。
仕方なく一旦帰宅したのだが、今どき珍しくネットでチケットが買えない映画館だったから助かった。
それで、今度は見る作品をこちらに切り替えて、電車が動き出した時間を見計らって見に行ったわけだ。
主演の恒松祐里は最近では Netflix の『全裸監督2』が評判になったが、僕は彼女の出演映画は 10本以上、出演ドラマも3シリーズ観ており、随分昔から肩入れしている女優である。それだけで見に行ったのでどういう映画なのか全く知らなかったのだが、これはホラー映画だった。
原作となっているのは、2004年に「はすみ」と名乗る女性が2ちゃんねるに投稿した、「きさらぎ駅」という異世界駅にたどり着いた体験記だそうで、当時レギュラーで書き込みが続いていたのに、ある日突然書き込みが途絶え、現代版の神隠しとして話題になったと言う。
ネットではかなり有名な都市伝説で、今の若い人たちの間でも結構知られているらしい。
で、この映画では恒松祐里が扮する民俗学専攻の女子大生・堤春奈が、「はすみ」の正体が葉山純子(佐藤江梨子)という女性であることを突き止めて、彼女に会いに行くところから始まる。春奈は「神隠し」を卒論のテーマに選んでいたのである。
そこから純子が如何にして異世界駅にたどり着いて、そこでどんな恐ろしい目に遭ったかが語られる。
そして、この映像がなんと、全編純子の所謂「主観映像」なのである。専門用語ではこれを FPS(First Person Shooting)と言うらしい。有名女優が出ている映画でここまでの徹底ぶりは珍しい。純子の主観映像である限りはサトエリは一瞬たりとも画面に映らないことになるのだから。
で、まあ、この手の映画はネタバレすると多分全然楽しめないタイプの作品だろうから、これ以上は書かないが、結構怖がらせてくれる。まあ、ゾンビものに近いかな(笑) 純子から話を聞いた春奈がそれを追体験するようなストーリーだ(おっと、この辺りが書ける限界かな)。
監督は永江二朗という人で、僕は(何しろこういうジャンルにあまり興味がないもので)聞いたこともなかったが、都市伝説ホラーでは定評のある人なのだそうだ。
脚本は『紙兎ロペ』や、MBS深夜ドラマの『俺たちはあぶなくない』『ガールガンレティ』『トーキョー製麺所』を経て、最新作では『鋼の錬金術師完結編』を書いた宮本武史である。
出演は他に(ほとんどが異世界の住人役だが)本田望結、莉子、寺坂頼我、木原瑠生、芹澤興人、瀧七海、堰沢結衣ら。
まあ、娯楽映画である。あまり書くことはない。
ちなみに劇場の入り口に「本作品はエンドロール後にも映像がございます。最後までお楽しみください」との看板が出ていたので、エンドロール途中で席を立つ人はひとりもいなかったが、これがどんなエピローグなのかは見る前から 100%読めていた。
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