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Wednesday, June 29, 2022

『欲望で捉えるデジタルマーケティング史』森永真弓(書評)

【6月29日 記】 森永さんのセミナーはもう何度聴いたか分からないぐらい聴いているが、あの森永さんがこんな本を書くとは思わなかった。

しかし、読んでみて分かったのだが、これは僕らが読む本ではなかった。

森永さんとは微妙に違うとは言え、近い業界にいて接点のある仕事に就いている者からすると、ここに書いてあることはほとんど知っていることなのだ。

確かに知らない用語も2~3はあったし、知っているとは言え全てを記憶しているわけではないので、「ああ、確かにそんなのあったなあ」とか「あ、それはそうだったか」などと思ったところもいくつかはあった。

これはそういうのをきっちり整理してまとめてくれた本である。言うならば教科書的なのである。が、僕らの学年の教科書ではない。

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Monday, June 27, 2022

【note】 たとえテレビ番組であってもインターネットの商品はインターネットのルールで売る

【6月27日 埋】 facebook の会社のプライベート・グループに投稿した記事に少し筆を入れて、note に投稿しました。インターネットと放送の構造について書くのはこれが最後かもしれません:

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Sunday, June 26, 2022

映画『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』

【6月26日 記】 映画『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』を観てきた。5月に観た『復讐者スカー』に続く、3部作の最後。

コロナの影響でイタリア・ロケができなくなり、仕方なくほぼ全編グリーンバックで撮影したと聞くと改めて本当に驚いてしまう。特に今作のパンフレットには撮影のエピソードや写真がふんだんに掲載されており、これを読むとなおさらだ。

そういう意味ではやはり曽利文彦監督の集大成的な映画なのだなと思う。

豪華なキャストに派手なアクション、圧倒的な CG/VFX、そして壮大なドラマ。何もかもが掉尾を飾るにふさわしい出来である。

ただ、いつも書いているように、何を読んでも何を観てもすぐに忘れてしまう僕だから、随所に「あれっ、こんな話だったっけ?」というところがあり、「でも、例によって忘れているだけかも」と思い直して見続けていたのだが、やっぱり「いや、絶対にこんな話じゃなかった」と確信するに至った。

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Saturday, June 25, 2022

映画『神は見返りを求める』

【6月25日 記】 映画『神は見返りを求める』を観てきた。まことにもって吉田恵輔監督らしい映画。

この作品に監督の悪意を感じ取る人もいるかもしれない。また、そのためにこの映画に嫌悪を覚える観客もいるかもしれない。しかし、こういうことをきっちりと描くのもまた映画なのである。

ゆりちゃん(岸井ゆきの)は底辺ユーチューバー。チャンネル登録者数はめちゃくちゃ少ないし、書き込まれるコメントはほとんど悪口。スパゲティ食べながらフラフープ回す、みたいなつまらない映像ばかり配信している。

YouTube の黎明期ならいざしらず、今どきそんなことやっても受けないだろう。

そんな彼女がイベント会社に勤める田母神(ムロツヨシ)と知り合う。田母神はめちゃくちゃ人が好く、ゆりちゃんに頼まれて彼女の配信を手伝うようになる。田母神は仕事がら動画の編集などもできるので、テロップをつけるのに四苦八苦していたゆりちゃんにとって彼はまさに“神”だった。

しかし、田母神は決して敏腕プロデューサーでも、センス抜群の編集マンでもない。彼の感覚はかなりダサい。ただ、ゆりちゃんもそんなに高度なものを彼に求めていたわけではなく、彼の優しい気持ちだけで充分だった。

田母神は忙しい仕事の合間を縫って、きぐるみを調達したり、ロケ場所まで車で送ってやったり、撮影したり、ポストプロダクションを担当したり、あるいはもめごとの交渉にあたったり、時間も金も費やしてゆりちゃんに協力する。ゆりちゃんは心から彼に感謝し、2人はそこそこいい感じになってくる。

ゆりちゃんは何らかの形でお礼をしなければと思うのだが、彼は「僕は見返りを求めない」と言う。

ところが、彼女が人気ユーチューバーのチョレイ(吉村界人)とカビゴン(淡梨)と知り合い、彼らの動画にゲスト出演して、ちょっとキワモノ系の体当たり芸をやったことで突然彼女自身も人気者となり、優秀なウェブデザイナーの村上アレン(栁俊太郎)と組んだことで動画もどんどん洗練されて行く。

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Wednesday, June 22, 2022

セルフ両替

【6月22日 記】 最初がいつだったか定かではないのですが、結婚してそれほど年月が経っていないころから夫婦で 500円玉貯金を始めました。円筒形の貯金箱、と言うか貯金筒に 500円玉が手に入る度に入れていました。

それから何年か経って、筒が一杯になり、それ以上入らなくなったので貯金は中座し、そのまましばらく忘れていました。

それからまたしばらくして急に思い出して、一体いくらぐらい貯まったのか見てみようと言って、筒を開けて数えてみたら、384枚、つまり 192,000円ありました。

「よし、これで何か買おう。その前にまずこれを両替してもらおう」と言ったっきり、またしばらく忘れてしまい、気がついたら銀行も郵便局も気前よく両替してくれなくなっていて、今では多数のコインを札に変えようとすると手数料を取られるとのこと。

「なんだ、せっかく貯めたのに」と言ったっきり、またしばらく忘れていて、100枚ずつ×3つ+84枚×1つの袋が文字通りのタンス貯金になっていたのですが、つい先日また思い出して、「持ち腐れてても仕方がないので、じゃあ、少しずつ使おう」となって、まず 84枚の袋を開け、妻と僕とで2枚ずつ、つまり 1000円ずつを財布に入れたわけです。

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Tuesday, June 21, 2022

『新しい星』彩瀬まる(書評)

【6月21日 記】 連作短編×8=4人の登場人物が2回ずつ主人公になる。みんな何かを失い、問題を抱えている。

青子は生まれてすぐの娘を亡くした。玄也は上司に嫌われたのをきっかけに会社に行けなくなり、引きこもりになった。茅乃は乳がんの手術で乳房を失った。卓馬は出産のために感染症を避けて実家に帰った妻が帰ってこない。

4人は大学の合気道部の仲間だった。その4人が久しぶりに再会して、それからとても良い距離感で接する。

それぞれの問題はそう簡単に解決しない。それどころか、時間が経つに連れてもっと深みに嵌ってしまったり、新たな試練に襲われたりもする。

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Sunday, June 19, 2022

映画『バスカヴィル家の犬』

【6月19日 記】 映画『バスカヴィル家の犬』を観てきた。

(今回はこの文章の最後の部分で、この映画の結末について少し触れるので、ネタバレを避けたい方はここで読むのをやめてください)

普段はそんな映画の見方はしないのだが、今日は買ったズボンの裾上げができるまでの暇潰しに観た(もちろん、映画が終わるよりも先に裾上げは終わるのだが)。

西谷弘という監督は共テレから CX に転じた人で、もう何本も映画を撮っていて、当然僕も名前は知っているが、調べてみたら映画館で観たのは 10本中2本だけだった。

この作品はアーサー・コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』を原案としたテレビドラマ『シャーロック』の映画化だそうな。

テレビドラマの劇場版は下手すると映画だけ見てもさっぱり分からなかったりするものだが、なんとなく「まあ、大丈夫だろう」と踏んで観たら、大体は分かったのだが、ディーン・フジオカと岩田剛典の関係性が今イチ分からない。まあ、その程度で済んだのは幸いである。

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Saturday, June 18, 2022

映画『恋は光』

【6月18日 記】 映画『恋は光』を観てきた。小林啓一監督・脚本。彼の作品を観るのは『逆光の頃』、『殺さない彼と死なない彼女』に続いて3本目。

客の入りはまばら。しかも、そのほとんどが若い男性の一人客。人気急上昇中の神尾楓珠の主演だから、若い女の子たちで溢れ返っているのではないかと思ったのだが、当てが外れた。

多分彼らはほぼ全員が西野七瀬のファンなんじゃないかな。うん、平祐奈や馬場ふみかのファンではなく西野七瀬のファンであるような気がする。

会話劇である。そして恋愛ドラマである。普段から「甘っちょろい恋愛ドラマなんて」と言っている人は観なくて良い。意地の悪い言い方をすれば、「恋愛ドラマなんて」などと言っている奴にこの映画の素晴らしさが分かるわけがないと思う。

僕は心から気に入ってしまった映画があると、逆に他人に勧めたくなくなる。この映画はまさにそんな作品だった。すこぶる素敵な映画だった。心が洗われた。珍しく女性向けのコミックスではなく、『ウルトラジャンプ』に連載されていた漫画が原作である。

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Thursday, June 16, 2022

『映画を早送りで観る人たち』稲田豊史(書評)

【6月16日 記】 僕は著者が2021年に同じタイトルでビジネスサイトに書いた9本の記事を全部読んでいるし、同年 7/29 にメディア環境研究所のセミナー「メ環研の部屋」で、本書にもたびたび登場する森永真弓さんと著者が対談したのも聴講している。

だから、この著者が書いていることはすでに大体知っており、せっかくこの本を買って読んでみたものの最初のほうは前に読んだり聞いたりしたことばかりで、あまり新味がなかった。

しかし、著者はこれを書籍化するにあたって大々的に追加のリサーチやインタビューを重ねており、彼が以前書いたり喋ったりしたことを補強するそれらの要素が次々と出てくるに及んで、全く目が離せなくなった。

彼が最初にネット上に書いた時に、僕が反応したのは「早送りで観る」ことよりも、「ネタバレ記事を読んでから観に行く」ということのほうだった。彼らはドキドキ・ハラハラするのが嫌だから、先にストーリーを結末までしっかり調べて、それを知った上で観に行くという。

これは僕には信じられない暴挙だった。僕はそもそもハラハラ・ドキドキするために観ているような向きがある。先に全部分かってから観て何が面白いのか?と唖然とした。

自分が不快に思うようなシーン(例えば暴力など)は一瞬たりとも観たくないので、ネタバレ記事や早送りでそういうシーンがないことを確かめてから観るという。

彼女にとっては、「めくるめく展開」や「予想もしないどんでん返し」や「複雑で込み入った物語」はすべて不快。ゆえに避けたいのだ。

それって、何のために観ているのか、僕にはさっぱり理解できない。

著者は早送りに関してこんな風にも書いている:

知っていたほうがマウントは取れる。「マウントを取られる前に取りたい」が、早送りをする人たちのメンタリティの中にある。

うーむ、これもよく分からない、と言うか、僕とはまるっきり違う。僕は誰かに勝ちたいという思いはない。僕はただみんなと違っていたいだけなのだ。

早送りでドラマを観ても感動できないでしょう?という問いに対して、「感動は求めていません」と真顔で答える若者がいるということにも衝撃を受けた。

彼はこう書いている:

彼らは「観たい」のではなく「知りたい」のだ。

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Wednesday, June 15, 2022

無題

【6月15日 記】 鶏が先か卵が先か、という議論がある。どちらが先とは断定しにくい。

ならば、こう考えてはどうか? 書いても書いても評価されない、なのか、評価されなくても評価されなくても書く、なのか、どちらか分からない。

と言うか、後者で良いんじゃないか(笑)

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Sunday, June 12, 2022

『残月記』小田雅久仁(書評)

【6月11日 記】 月にまつわる短編3作。

最初の『そして月がふりかえる』が怖い。

主人公は成功した大学教授・高志。最近ではテレビ出演もあって知名度も上がってきた。そんな彼が家族とレストランで食事をしていて、途中でトイレに立つ。

帰ってくると、何か雰囲気が変だ。レストランの客も従業員も、全員が窓の外の満月を見ている。そして、誰も動かない。時間が止まっているのだ。

しばらくして時間が動きだしたので、元の席に就こうとしたら、妻に「どなたですか?」と訊かれる。何を言っているんだ?と思うが、どんなに説明しても妻も子供たちも自分のことを全く知らない人と見ている。

そうするうちにトイレから「本物の自分」が戻ってくる。彼は夫として父として自然に家族に迎えられる。では、自分は何者なのか? その後で、自分は「本物の自分」と同姓同名のタクシー運転手なのだと判明する。

どうです? 怖い話でしょ? でも、しばらく読み進むと、ここからどう展開する?と心配になる。主人公はあまりに手詰まりなのだ。

巧い作家である。自分の母と妻である詩織を比べて、

もし母と詩織を並べて指ではじいたら、きっと同じように淋しく澄んだ音色を響かせたに違いない。

などと書く。こういう比喩がとても巧みである。

不幸はいつだって幸福が力尽きるのを待っている。

そう、まさに高志はそういう状況に追い込まれる。彼はもう一度無理やり妻と直接対面し、理路整然と彼女を説得しようとするが、それが一気に解決に繋がるはずもない。もうその辺りが限界なのだ。

彼は途方に暮れる。そして、小説としても、もうこの辺から先に進めなくなる。そんな感じになったところで、この小説は唐突に終わる。最後に短い、しかし劇的に大きな展開があって、とても怖い終わり方をする。

この切れ味と余韻が非常に見事な掌編である。

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Saturday, June 11, 2022

映画『冬薔薇』

【6月11日 記】 映画『冬薔薇(ふゆそうび)』を観てきた。

阪本順治監督の映画は昔はよく観ていたのだが、近年ではなんとなく自分と感性が違ってきたような気がして観ていなかった。2011年の『大鹿村騒動記』以来である。

伊藤健太郎は、彼の犯した罪があまりに不甲斐ないものだったので、もう再起不能かと思っていたのだが、捨てる神あればちゃんと拾う神がいたようだ。僕自身は、良い芝居をしていて映画が面白いのであれば、たとえ私生活では連続殺人犯であろうと観るというタイプなので、抵抗感はない。

今回は依頼を受けた阪本順治が伊藤健太郎のために書き下ろしたオリジナル・ストーリーなのだそうだ。

殺伐とした映画である。心が荒むというのはこういうことを言うのだと思う。

一組の親子が出て来る。父親も息子もともにどうしようもなくダメな奴である。しかし、どういう風にダメかというと、2人のダメさ具合は随分違う上に、そのダメさ同士の相性が悪すぎる。

父親の渡口義一(とぐちよしかず、小林薫)はガット船を所有して海運業を営んでいる。冒頭はトラックがガット船に黒い土砂を落とすシーンだ。

このガット船というのが何をする船なのか、最後まで僕には今イチ分からなかったのだが、パンフレットを読むと、埋め立て用の土砂を埋立地まで輸送する船なのだそうだ。

その義一は息子に嫌われるのが怖くて、思ったことが言えない。しかも、それを息子の友だち(佐久本宝)にまで見透かされるぐらいおどおどしている。毎度毎度のそんな夫の態度に妻の道子(余貴美子)はほとほと愛想が尽きている。

息子の淳(伊藤健太郎)は 25歳にもなって定職についたことがない。一応デザインの学校に籍はあるが、学校には行かず、親からもらった学費は遊びに使ってしまっている。

何ごとにも受け身で、他人に頼ることしかできない男だ。ただただ周りに流さて生きているような男だから、いつの間にか半グレの仲間に引き込まれて悪事に加担している。ある日別のグループとの喧嘩で、あわや右足切断かという大怪我を負う。が、考えるのはその怪我で同情を引こうということぐらいだ。

彼が父親の仕事を継がなかったのは、その仕事が嫌だからではなく、父親に継げと言われなかったからだ。一事が万事、そんな感じで父子はすれ違って行く。

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Thursday, June 09, 2022

枕を買った 椅子を買った

【6月9日 記】 ここ1か月ぐらいの間に枕とチェアを買った。いずれも高かった。が、買って良かったと思っている。

枕はネット上で見つけ、チェアは東急ハンズの実店舗で見つけた。いずれもすぐに気に入って、これは妻も気に入って「いいね、2つ買おう!」ぐらいのことを言ってくれるのではないかと期待したのだが、残念ながら彼女に見せたところ、自分が使うにはあまり気乗りしない感じだった。

それで一度は僕も買うのを断念したのだが、何日か経ってもどうしても忘れられず、枕はそのサイトをもう一度探し出してチェックし、椅子はもう一度東急ハンズに出向いて実際に座って確かめてみた。

そして、買った。

枕は YOKONEGU というもの。この形が良い。

よくあるテンピュール枕などは、枕の真ん中を切っても端を切っても断面は同じ形だ。だが、それは枕に対して常に直角に仰向けで寝ることを前提としており、寝返りを打って横寝になることを想定できていない。

この YOKONEGU はまず首から肩に向かって湾曲しているのが良い。中央だけがポコっと沈んでいるのが良い。両端が浮き上がって横寝したときにそこに手が入るのが良い。

よく眠れる。そして、年を取ってから僕も少し大きないびきをかくようになってきたらしいが、この枕にしてからほとんどそれがなくなったと言う。

とても気に入っている。

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Monday, June 06, 2022

【note】 思春期の男子の思いっきり切ない映画3本(+おまけ)

【6月6日 埋】 2日続けて note に書いた記事の2本目。こちらには1日遅らせて載せます。

note のお題に「おすすめ名作映画」というのが出てきたので何か書いてみようと思って書きました。と言っても、そもそもがこのブログに書いた記事をつなぎ合わせたような記事です。

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Sunday, June 05, 2022

【note】 他人事じゃないです

【6月5日 埋】 珍しく2日続けて note に投稿しました。

まずはこれ:

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Saturday, June 04, 2022

映画『きさらぎ駅』

【6月4日 記】 映画『きさらぎ駅』を観てきた。Photo_20220604175401

今日は最初は『冬薔薇』を見に行こうとしていたのだが、駅に行ったら人身事故の影響で電車が止まっていた。駅のアナウンスが言っている復旧の見込みの時間まで待っていると、映画が始まってしまう。

仕方なく一旦帰宅したのだが、今どき珍しくネットでチケットが買えない映画館だったから助かった。

それで、今度は見る作品をこちらに切り替えて、電車が動き出した時間を見計らって見に行ったわけだ。

主演の恒松祐里は最近では Netflix の『全裸監督2』が評判になったが、僕は彼女の出演映画は 10本以上、出演ドラマも3シリーズ観ており、随分昔から肩入れしている女優である。それだけで見に行ったのでどういう映画なのか全く知らなかったのだが、これはホラー映画だった。

原作となっているのは、2004年に「はすみ」と名乗る女性が2ちゃんねるに投稿した、「きさらぎ駅」という異世界駅にたどり着いた体験記だそうで、当時レギュラーで書き込みが続いていたのに、ある日突然書き込みが途絶え、現代版の神隠しとして話題になったと言う。

ネットではかなり有名な都市伝説で、今の若い人たちの間でも結構知られているらしい。

で、この映画では恒松祐里が扮する民俗学専攻の女子大生・堤春奈が、「はすみ」の正体が葉山純子(佐藤江梨子)という女性であることを突き止めて、彼女に会いに行くところから始まる。春奈は「神隠し」を卒論のテーマに選んでいたのである。

そこから純子が如何にして異世界駅にたどり着いて、そこでどんな恐ろしい目に遭ったかが語られる。

そして、この映像がなんと、全編純子の所謂「主観映像」なのである。専門用語ではこれを FPS(First Person Shooting)と言うらしい。有名女優が出ている映画でここまでの徹底ぶりは珍しい。純子の主観映像である限りはサトエリは一瞬たりとも画面に映らないことになるのだから。

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Friday, June 03, 2022

いろんな人がいる

【6月3日 記】 世の中にはいろんな人がいる。

もう何か月か前だが、僕がひとりで映画を観に行った日のこと。

上映開始は 13:00 ちょい前で、僕は腹ペコだった。映画館と言えばポップコーンで、僕はポップコーンが大好きだが、ポップコーンで空腹を埋め尽くそうとは思わなくて、そういうときは大体ホットドッグ系のものを買う。

ところが、その映画館ではあまりその手のものを置いていなくて、ほとんどが袋入りのパンだったりするのだ。その日も一応わずかに何人分かは用意してあったホットドッグは午前中で売り切れて、あとは袋入りのパンしかなかった。それで僕は仕方なくそれを買った。

何の映画だったか忘れたが、結構混んでいた。僕の右隣にも若い女性が座った。しかし、僕は男の子だと思っていた。

髪の毛は短く、ベースボールキャップみたいなのを被って、スカートではなくパンツスタイルだった。映画が終わってから彼女が女子トイレに入る姿が目に入り、その時初めて、ああ、女性だったのか、と気がついた。

で、最近はコロナ対策で、映画本編が始まるまでは飲食が禁じられている。昔だったら CM と予告の間にむしゃむしゃと食べ尽くしたものだが、それができなかったのが運の尽きだった。

ともかく腹が減っていたので、本編が始まってすぐに僕はカバンからさっき買ったパンを取り出して、ビニールの袋を開けた。そして、当然そのままでは食べられないので、パンの頭を少し袋の外に出すべくずらそうとしたのだ。そしたら、右隣の女が言った。

あー、うるさいうるさいうるさい

「うるさい!」ではない「うるさいうるさいうるさい」である。そして、あろうことか、自分の両手の指を思いっきり広げて、僕の両手とパンをぐっと押さえつけてきたのである。

確かに多少音はした。それはパンを食べられる形にするまでのことであって、その後はそんなに大きな音はしないはずだ。しかし、その「うるさいうるさいうるさい」で僕はパンを引っ込めるしか仕方がなくなった。

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Wednesday, June 01, 2022

生命保険について考えた

【6月1日 記】 そろそろ会社を辞めるので、給与天引きで払っている生命保険を切り替える必要がある。

もちろん、手続きさえすれば団体生命保険から個人払いに切り替えることも可能ではある。

しかし、これまでは何となく外交員さんに勧められるまま掛け金の高い(と言ったら人聞きが悪いのであれば、手厚い保障のついた)保険に加入していたが、収入も減るし、こんな手厚い保障も必要ないような気がしてきた。

それでいろいろな保険会社のページを当たって、入院保険を中心に調べてみたのだが、自分の年齢のせいもあるが、どれもこれもそんなに安くはならないのだ。

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