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Saturday, May 14, 2022

映画『シン・ウルトラマン』

【5月14日 記】 映画『シン・ウルトラマン』を観てきた。

知人が facebook に

『シン・ゴジラ』のように、ゴジラだけどゴジラじゃなかったー!的な面白さではないかも。ウルトラマンより、もっとウルトラマンだったー!って感じ。

と書いていたが、確かにそんな感じ。

ただ、オリジナルのウルトラマンの頃より特撮技術は長足の進歩を遂げているから、やっぱりリアリティも迫力も格段に上がっている。

いや、特撮と書いたが9割はミニチュア特撮ではなく CG なのだそうだ。ビルの破壊などの物理計算をする CGI が格段に良くなっているとのこと。なるほど、それであんな画が完成するわけだ。

とは言いながら、神永(斎藤工)がウルトラマンに変身するシーン、そして、ウルトラマンが空にビューンと飛び上がって行くシーンについては、昔の円谷プロがやっていた、動かない人形を使った感じをそのまま残しているのが憎い。

カメラは、演じている役者自身が手持ちで至近距離から共演者を捉えた GoPro や iPhone を含めてかなりの数を用意し、さらに役者に何度も何度も同じシーンを演じさせて一番良いアングルを選んだと言う。

結果的には、人物を徹底的に下からあおって撮った画が圧倒的に多く、たまに俯瞰、そして時々ものすごいドアップの1ショットが入る構成で、これは却々面白かった。

さて、ここでも庵野秀明の脚本は、政治家に、と言うより、政治というシステムに翻弄される国家を苦々しく描いているのだが、外星人という視点が入っているためか、『シン・ゴジラ』ほど国家にフォーカスされたものにはなっていない。

その分、確かに『シン・ゴジラ』ほどの、圧倒的な真新しさと共感、そして危機感を呼び起こすような、つまり「問題作」というイメージはない。むしろ初期のウルトラ・シリーズのテーストはしっかりと踏まえ、しっかりと引き継いだ上での娯楽作という感じである。

それでも、映像は見事だった。これは紛れもない映像芸術である。

ウルトラマンのフォルムも非常に美しかったのだが、僕はそれを船縁(早見あかり)が「全裸なのか着衣なのか分からない」と言ったことに大ウケしてしまった。それは僕も子供の頃からずっと思っていたことだったから。

また、巨大化した浅見(長澤まさみ)のシーンもめちゃくちゃ面白かった(これもやっぱり、何度もあおって撮るのねw)。

エンドロールを眺めていると、庵野秀明の名前が総監修や脚本以外にも、何度も何度も出て来た。これはやっぱり樋口真嗣監督作品と言うよりは、庵野秀明作品というべきなんだろうなと思った。

樋口真嗣は下請けでとても良い仕事をしたって感じかな(笑)

「空想特撮映画」というサブタイトルにジーンと来てしまった。

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