『世界が広がる推し活英語』監修・劇団雌猫(書評)
【4月17日 記】 基本的には英会話の本である。しかし、Amazonランキング第1位になったというのは読み物としても面白いからだろう。僕もネット上で記事を読んで、面白そうだったから発売前に予約して買った。
帯には「日米のオタクが本気で作った単語・フレーズ集」とある。例えば「推し」は fave である。favorite が略されたもので、これは僕もこの本を読む前から知っていた。
1単語、1フレーズごとに必ず例文が載っているのが良い。
「グッズ」は merchandise を略して merch と言う。──これは知らなかった。で、そこには I cleaned and rearranged my merch alter. などという例文が載っており、「祭壇の掃除と模様替えをした」という訳がついている。
なるほど、グッズを飾っておく場所をオタクの人たちは「祭壇」と呼んでいるのか、と今度は逆に日本語(オタク語?)の勉強にもなる。んで、英語でも alter なのか!と、もう一度英語の勉強にもなる。
そう、この本の最大の面白さはここなのである。
若者文化に疎いおじさんたちが、英語の勉強をしながら(あるいは英語の勉強をしてるような顔をして)日米の若者語を知ることができるのである。
で、真正のオタクの皆さんにとっては、この本が海外のスターにファンレターを出したり、海外のライブを観に行ったりするときの助けになるのである。
なんと汎用な本か!(笑)
「キュン死する」ってどう言う?
「わかりみしかない」ってどう言う?
「ネタバレはやめてください」ってどう言う?
まさに推し活英語の沼にはまってしまいそうなくらい楽しい本である。
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