映画『ウェディング・ハイ』
【3月12日 記】 映画『ウェディング・ハイ』を観てきた。大九明子監督。今回はバカリズムの脚本が先行していて第6稿から参加したとのこと。もちろん彼女自身がバカリズムのファンであり、彼を大天才と慕っているからこそ、後乗りで参加したのである。
自分自身のであればまだしも、他人の結婚披露宴を自分の一世一代の晴れ舞台と勘違いしてハイになりすぎた困った人たち(しかも新郎新婦の父親たちまでも!)の群像劇。言うまでもないがコメディである。
料金の安い昼間の披露宴を選んだために、その後にもう1件別の宴会が入っていて所謂ケツカッチンなのに、冒頭のスピーチから大延びに延びて、その後の出し物が収まるはずがない状態になるというドタバタ。
笑いに持ち込むまでの段取りがやや長いので、前半はちょっと中だるみ感もあるが、最後にはドッカン、ドッカン笑わせてくれる。
観ている途中で「あ、あのシーンはこれの伏線だったのか!」と気づくところが何箇所もあり、そういう意味でよく練られた脚本である。
主役は、そんな困ったた人たちをなんとかうまく導いて結婚披露宴を成功裏に終わらせようと奮闘するウェディング・プランナーの中越真帆(篠原涼子)。今回彼女が手掛ける挙式の新郎・彰人役の中村倫也をはじめ、前野朋哉や片桐はいり、臼田あさ美ら大九組の常連が出演。
ほかには、新婦・遥に関水渚、遥の元カレに岩田剛典が扮している他、向井理、高橋克実、中尾明慶、皆川猿時、六角精児、尾美としのり、泉澤祐希、池田鉄洋ら芸達者な面々を揃えたなかなか豪華なキャストである。
このドタバタを通じて、しかし、どの人も大恥をかいたり披露宴を台無しにしたりしないでほんわりとハッピーに終わるところがとても良い。後味の良いコメディだ。
ただ、真帆のポニーテールで笑いを取るところとか、真帆の経歴とか、片桐はいりの使い方とか、大九監督らしいところも何箇所かあるが、しかし、やっぱり他人の書いた脚本という感じはする作品だった。
長年の大九ファンとしては、次回は大久監督自身の筆によるコメディも観てみたいなあと思ったりもしたが、まあ、これはこれで良いか。面白かった。
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