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Tuesday, March 01, 2022

映画『愛なのに』追記

【2月27日 追記】 映画『愛なのに』はその半分近くが古本屋が舞台なので、そこに置いてある古書を用いた遊びがある。

ひとつは、いつまでも一花(さとうほなみ)のことが忘れられない多田(瀬戸康史)が読んでるのがレイモンド・チャンドラーの『長いお別れ』。

内容は関係なく、ただタイトルだけの言葉遊びだけれど、振られたのに、いつまで経ってもお別れができない多田への皮肉。

ちなみに、村上春樹訳ではなく(あれはタイトルが『ロング・グッドバイ』だし)、昔の清水俊二訳のほうね。ちなみに僕は両方読んでるけど。

それから、最初に矢野岬(河合優実)が万引する本が夢野久作の『少女地獄』らしい。僕は一生懸命目を凝らしたのだが、見極められなかった。

この本は読んでいないので、内容は知らないが、こちらも多分タイトルだけの遊びだろう。岬は自分が好きな多田がこの本を読んでいたので、自分も読みたくなって、ついでに自分の名前を知ってほしくて、わざと万引して逃走する。

そのあと毎日「私と結婚して」と言ってくる岬に対する多田の困惑を皮肉ったものと言える。そんなもん読んでるから、そんな目に遭うんだよ、みたいな(笑)

こういう遊びは僕は大好きである。うん、ただそれだけのことなのだけれど。

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