『全裸監督』 season2
【2月23日 記】 今さらながらだけれど、Netflix で『全裸監督』の season2 を観た(と言うか、見終わった)。
随分間が開いてしまったが、season1 を観た後 Netflix を退会してしまったので仕方がない。それが、『浅草キッド』を観るために3度目の入会をして、『浅草キッド』を見終えたので『全裸監督2』全8話に移ったわけだ。
season2 が始まったときの評判は、僕が聞いた限りでは、それほど良くはなかった。貶されるというほどではないが、「season1 ほどではない」という声が多かったように思う。「セットも前ほど金使ってないしな」と言ってる人がいて、「セットに金かけりゃ良いドラマができるのかい」と思ったのをよく覚えている。
しかし、実際に season2 を観てみると、僕にはこちらのほうが遥かに良かった。人間の哀しみを描いていたから。やるせない作品になっていたから。
振り返ってみると、season1 では村西とおる監督(山田孝之)の狂気(もちろんエロに対する狂気である)が前面に出すぎて、一色のドラマになっていたように思う。
season2 でももちろん村西の狂気は描かれている(今回は衛星放送に対する熱狂、と言うか、妄執である)。しかし、それに加えて、次々と失敗が重なって堕ちて行く村西の悲哀が見事に描かれている。
さらに、そんな村西に引きずり回されることによって、黒木香(森田望智)や奈緒子(冨手麻妙)、ミユキ(恒松祐里)らAV女優たち、そして順子(伊藤沙莉)や三田村(柄本時生)、ラグビー(後藤剛範)らスタッフ、そして川田(玉山鉄二)やトシ(満島真之介)ら、途中で袂を分かった元の仲間たちの落胆と苦悩が丁寧に編み込まれて描かれている。
今回のほうが群像劇の様相が強まって、一人ひとりの人物の生き様が交互に描かれることによって、ドラマ全体の色合いはとてもくっきりとしたものになったと思う。
トシが古谷(國村隼)を撃ち殺したところで What a wonderful world、村西がとうとうホームレスにまで落ちぶれたシーンでは It's too late、そして、ドラマ全体のエンディングでは Like a rolling stone と、有名な楽曲ばかりを並べた選曲もとても良かった。
見終わって強く思ったのは、全てのものには終わりがあるということだ。それはとりあえず一旦終わるというだけのことかもしれない。でも、とりあえずは必ず終わるのである。
そんな感じで全編を見終わった。とても面白かった。
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